言わずもがなの、ローマ・カトリック教会の首長。
「法王」の方は、他宗教の首長でも使われるっちゃ使われる(例:ダライラマ法王)ので、「教皇」の方が、イコール、ローマ・カトリック首長としては、判りやすいのでしょうか。
個人的な読み物の中では、微妙に違う意味を持たせたりしてますが、この二つ、一般的には全く同じ意味合いで取り扱われております。
選出方法は、枢機卿の互選。(多数決で2/3以上の得票が条件)
任期は終身。故に、教皇になるチャンス自体、滅多にないです。
ルネサンス時代なんか、教皇選出が行われる、となると枢機卿同士、裏での金のバラ巻きや腹の探り合い、瀕死の現教皇の枕元でライバル同士の罵り合い、なんてのもあったそうですが。
原因不明の病で急死、なんて人も、いたなぁ、そーいえば。
俗世も聖域も、今も昔も、あんまり変わらないですね。
そうまでして、枢機卿の皆様が狙った教皇の椅子とは、どんなものか。
「神の代理人」とも云われる教皇ですが、正式には、サンピエトロ、つまりは、初代教皇聖ペテロ(使徒シモン。前職:漁夫)の後継者、であります。
何で「シモン」が「ペテロ」なのかといいますと、聖書の中でイエスがシモンに対して「お前はペテロ(岩)だ」と言ったからなのですね。
「
あなたはペテロ(岩)である
そしてわたしは この岩の上に わたしの教会を建てよう
黄泉の力も それに打ち勝つ事はない
わたしは あなたに天国の鍵を授けよう
そして あなたが地上で繋ぐ事は 天でも繋がれ
あなたが地上で解くことは 天でも解かれるであろう」
マタイによる福音書・第一六章より
こうして、全キリスト者は、「イエス・キリスト=神」の地上での代理人と指名されたペテロに、服従しなければならないと決定されました。
以来、教皇は、天国と地上、地下の三界の支配を意味する三重冠と、天国の鍵を組み合わせたものを紋章とし、漁夫の指輪を嵌めた手で命令を下し、同じ手で祝福を与え続けてきました。
現在、教皇の座すサンピエトロ大聖堂は、皇帝ネロの競技場で殉教したペテロの遺骸の上に建てられた、と云われています。