“ソロモンの悪魔”とも呼ばれます。＜ゲーティア＞＜レメゲトン＞とも称される魔導書＜ソロモン王の小さな鍵＞には、この悪魔達をコントロールする術がしたためられています。しかし、この７２人（『人』っていうのも変ですが）というのにも大きな意味があり、カバラにいう神の名ＹＨＶＨの綴りを変えてできる名前のバリエーションであり、「ヤコブの階段」に照応する７２人の天使と関連づけられてもいます。
要するに、この「７２」というのは、カバラ数秘術的には聖なる数である訳なのですね。光、善と反転するものとして、この数が採用されたものと思われます。
「エロイム・エッサイム、我は求め訴えたり」は、魔導書＜黒いメンドリ＞に出てくる悪魔喚起の呪文だし、「アブラカタブラ」というのも、＜アブラメリン＞に出てきてたような気がするし、呪文そのものが有名なものは結構ありますが、＜ソロモン王の鍵＞に関しては、書名だけが有名です。
ちなみに、＜ソロモン王の大きな鍵＞というのも存在します。こちらは、惑星そのものの力を召還する法が書かれています。

「昼に照らされる夜」という意味を持つギリシア語の書名で、テュアナのアポロニウスが執筆したとされ、それをエリファス・レウィがフランス語に翻訳し、その著書『超越魔術』の付録とした。
魔術的黄道十二宮に類似する「１２」の象徴的時間を象徴する悪魔として、各デーモンの名前とその支配を記している辺りが、興味深い。…とされています。
人名辞典中の「ゼファル」も同様。
しかし、個人的見解を述べさせていただきますと、「翻訳者エリファス・レウィ」ってトコが、非っ常ーに胡散臭いです。

関連項目：関連用語辞典「魔術師＝エリファス・レウィ」

黙示文学『エノク書』の流れを汲む、堕天使関係の書で言及される悪魔。
そもそも、『エノク書』とは、主人公エノクによる天界旅行記。エノク自身が３６５才の時に実際に体験した話であると主張する、なかなか楽しいトンデモ本。
天界の階層、天使の名前やその司る役職などが事細かに紹介されてて、とっても興味深いです。
このエノクさん、『創世記』にもその名が記されています。系図形式のこちらによると、彼はアダムとイブの子であるセツの子孫で、ノアのご先祖様にあたります。が、これが、
「誰彼は何才になって、何々を生んだ。何々を生んで、何年生きた。合わせて何才で、彼は死んだ」
とまぁ、延々こんな調子で続くのですが。
エノクの部分だけ、ちょっと違うのですね。

「エノクは６５才になって、メトセラを生んだ。エノクはメトセラを生んだ後、３００年、神と共に歩み、男子と女子を生んだ。エノクの年は合わせて３６５才であった。エノクは神と共に歩み、神が彼を取られたので、いなくなった」

『創世記』第５章２１〜２４

『エノク書』には、エノクは天界旅行から帰還し、『エノク書』を記した後、今度は本当に昇天してしまった。そして、彼はその後、メタトロンとなった、とあります。
…そーですか、また、メタトロンですか、という感じですね。ふふふ。＜虚ろな笑い
この辺のドラマチックさが、その後、ジョン・ディーあたりに引っ張られる羽目になったのかなぁ。

関連項目：関連用語辞典「魔術師＝ジョン・ディー」