自分自身や周囲の物を利用して、「浮いて救助を待つ」ということが大切です。
「泳」という漢字が使われていますので、服を着て何百mも泳ぐようなイメージがあり、実際に過去にはそのような訓練が行われてきたこともありました。
着衣状態で水に転落した時、まず着衣状態で浮く。そして余裕ができたら「移動する」ことを試みるという考えを基本にするべきです。
さて、着衣泳により溺死を撲滅するためにはもう一つ重大な要素があります。
それは「目撃者」の役割です。水難事故事例を検証していくと、意外に一人で行動していて水難事故に遭ったという事例は少なく、多くは周りに目撃者、つまり友人や家族、通行人などが存在しています。
もし、今、あなたの目前で家族が川に転落した場合、あなたには何が出来ますか?
「飛び込んで助ける」「急いで周りの人に助けを求める」「ビックリして何も出来ない」など、色々な回答が返ってくるでしょう。
ここで問題なのは、「迷っていたり考えている時間は無い」ということです。
こんな場合の対応をしっかりと整理し、理解しておけば、無駄な時間を費やさなくて済みます。
これは二次災害(目撃者がむやみに飛び込んで溺水する)を防ぐためには大変重要な教育ですし、何よりも確実に溺者を救助するための必須条件ともいえます。
そこで、水難事故発生から救助・治療が終わるまでの一連の流れを
チェーン オブ サバイバル・・Chain of survival (救命の連鎖)と位置付けて、水難事故から身を守るための考え方を整理しなければなりません。
救命の連鎖
。