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 ■オカルトとは

元々、ラテン語の「オックルタ」から出た言葉で、「隠された物」を意味する。生活に於ける見えないもの、秘密のもの、人に見せないものの研究に関連する。
結局のところ、個人の精神の目を開く、というのが、オカルティズムの意義であり、古代の「魔法」の流れを汲む秘教とに結びついてきた訳です。(ちなみに、秘教とは、秘義、秘法とも呼ばれる、隠された知識、のこと。アラビア錬金術、エジプト魔術、ギリシア占星術。カバラ(下記参照)やなんかも有名)
が、現在、この用語の使用はいい加減なものになってしまっていて、本来、オカルティスト達が「人間性の堕落」であるとして排斥してきた降霊術や黒魔術に至るまで、全て「オカルト」という名でひっくくられているのは、ちょっと気の毒かもしれません。…いや、オカルティスト達がね。
 ■カバラとは

カバラとは、ヘブライ語で「伝承」を意味する。モーセがシナイ山にて、神から直接授かったとされる禁断の叡知である。が、…「神から」って…。ホントか?<いや、マサカ
しかしまぁ、千年以上にわたって口伝として「伝承」されてきたのは、確かなところなよう。
カバラによると、神は自ら「セフィロト」と呼ばれる光を放ち、この宇宙を創造した、とされ、この光は全部で10個あり、これが「生命の樹」と呼ばれる象徴的体系図として描かれています。これはその後、ヘブライ文字や数値、タロットカードなどに対応されて、現在では一種のマンダラ図として使用されていますが、図そのものを表示させるのは、無断転載にあたると思われるので止めときます。だけど、(その後、秘教機械さんより、フリー素材発見!色調変更の上、この項目の背景で使用させて頂いてます)。最近では、ゲームなんかでも資料として使用されていたりするので、見た事ある方も多いのでは?
更に神は、この「生命の樹」を4つ作り、宇宙を4つの階層に分けました。こちら、4階建てのビルなんかイメージしてもらえれば、大体、正しいかと。
最上階のアツィルト(神性界)は、すべてが神の属性で作られた、完全な世界。…あんまり面白くなさそう。
その下はベリアー(創造界)で、ここは大天使が支配する、論理的道徳的な霊界。…イマイチつまんなそう。
更に下にあるのは、イェツィラー(形成界)で、天使が支配する精神界。ちょっと哲学な匂いがするぞ。
そして、最下層。アッシャー(物質界)は、まさにここ。我々の住む世界。最も、楽しい世界でもありますな。
各界には人間もまた、存在している訳なのですが、ここにも、ランクがあるのです。
アツィルト(神性界)に存在するのは、「アダム・カドモン」と呼ばれる、完全なる個、です。ひとりしか、存在しないわけだ。意志、知性、情緒、活動力、全てにわたって完璧であり、常に至福に満たされている。…想像すると、ちょっと怖い。
ベリアー(創造界)に下ると、このひとつの個は複数に分裂。ここで初めて、自分以外の存在が生じる。初めて、「他人」と遭遇します。
イェツィラー(形成界)まで行くと、これが更に、男と女に分裂します。この世界を「エデンの園」と、カバラでは称しています。
アッシャー(物質界)では、人間は肉体に縛られるが故に、欲望を捨てることができず、無意味な喜怒哀楽を繰り返すとされます。
要するに、全ての人間は、アダム・カドモンであった事を忘れて生きている、という訳で。再び、アダム・カドモンに到達するほどにまで、精神性を高めよ、というのが、オカルティストとか魔道士とかいわれる人達の最終目的なのですね。
私なんか、汚濁にまみれた現世って、大好きだけど。…まぁ、思想の自由は誰にでもあるもんな。
生きてるって、素晴らしい。
閑話休題。
各セフィロトには支配天使が存在し、敵対悪魔と日々、戦いを繰り広げているとされています。そこら辺は、下記表参照。…実は、物質界にも支配天使というか、精霊(?)が存在するのですが、現実には機能していないようでもあるので(既に悪魔に覇権を乗っ取られてるというか)、こちらは悪魔名にしてみました。ご了承を。

セフィロト アツィルト
(神性界)
ベリアー
(創造界)
イェツィラー
(形質界)
アッシャー
(物質界)
神の属性 大天使 天使 悪魔
ケテル
(王冠)
エヘイエ
(在りて在るもの)
メタトロン
(面前の天使)
カイオト・ハ・カドシュ
(聖獣)
タウミエル
(神の分身)
コクマー
(知恵)
イェホバ
(存在の原質)
ラツィエル
(神の使い)
オファニム
(車輪)
カイギディエル
(邪魔する者)
ビナー
(理解)
イェホバ・エロヒム
(神の中の神)
ザフキエル
(神の観照)
アラリム
(力強き者)
サタリエル
(神の隠匿)
ケセド
(慈悲)
エル
(創造主)
ザドキエル
(神の審判)
カシマリム
(輝ける者)
ガムキコット
(もめごと屋)
ゲブラー
(峻厳)
エロヒム・ギボール
(力ある神)
サマエル
(神の峻厳)
セラフィム
(燃える蛇)
ゴレブ
(放火魔)
ティファレト
(美)
エロアー・ウァダート
(強き神)
ミカエル
(神に似たもの)
メラキム
(王)
トガリーニ
(口論屋)
ネツァー
(勝利)
イェホバ・ツァボアート
(万軍の主)
ハニエル
(神の恩寵)
エロヒム
(神)
ハラブ・セラップ
(剥奪者)
ホド
(栄光)
エロヒム・ツァボアート
(万軍の主たる神)
ラファエル
(天界の医師)
ベン・エロヒム
(神の子)
サマエル
(騒動屋)
イエソド
(基礎)
シャッダイ・エル・カイ
(全能)
ガブリエル
(受胎告知の天使)
ケルビム
(子の神)
ガマリエル
(わいせつ)
マルクト
(王国)
10 アドナイ・メレク
(神)
サンダルフォン
(救世主)
イシム
(正しき人間の魂)
リリト
(不浄)
人間創造のプロセス アダム・カドモン
(完全なる個体)
→個性を持つ →性差を持つ →肉体を持つ

 <ちょっと面白い話〜メタトロン>

マルクト(王国)の支配天使サンダルフォンは、ケテル(王冠)の天使メタトロンの双子の弟であるとされています。
しかしまた、このサンダルフォンもメタトロンの裏の顔のひとつとする説もあり。
実際、「マルクトの支配者」メタトロン、と表記されている資料の類もあったりします。
「天国でのサタンの姿」というのは、別項目でも述べた通りですが、更にこのメタトロン。
イエソド(基礎)の支配者である神霊シャッダイ・エル・カイと同一である、ともされています。
メタトロン=サンダルフォン=サタン=シャッダイ。
既に、何者なのかよく判りません。<メタトロン
おそらく、ユダヤ教に取り込まれるまでは、他民族の主神、大神クラスの神だったのでしょうね。

関連項目:「メタトロンの鎧
   <更に補足>

ユダヤ、イスラム、キリスト教は、一神教です。しかし、キリスト教とイスラム教は、その派生当初、ユダヤ教の教典であるところの聖書(バイブル)に端を発した、言うなればパロディ宗教であったというのは、紛れもない事実です。
一神教という考え方は、ユダヤ教から生まれました。そして、神がひとつである以上、他民族の提唱する多神教は、許されない考えでした。
ここで、神をひとつにする作業が行われます。ユダヤの民に征服された者達のうち、円満に融合していった民族の神は、<天使>、唯一の神の従者となって、その命を長らえました。
実際、天使の名前の末尾にある「エル」とは、「神」という意味であり、例えば、「神の癒し手」と訳されるラファエルなどは、医療を司る職能神のひとりだったと思われます。「神の癒し手」ではなく、「癒しの神」という訳ですね。
そして、征服されなかった神、最後まで抵抗した神は、<悪魔>としてその名を残す事となったのでしょう。
例えば、『ヨハネの黙示録』に語られる、終末の日に現れる“底無しの淵の使い”であるアバドンは、ギリシア語名をアポリオン、ベースとなったのは、ギリシア神話の太陽神アポロンであるといわれています。
天使と悪魔の差なんて、その程度のものでしかない訳ですが、…「その程度」がものすごく大きいなぁ。

  
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