光と闇のオラトリオ−序文



全ての人は、上に立つ権威に従うべきである。何故なら、神によらない権威はなく、おおよそ存在している権威は、全て神によって立てられたものだからである。従って、権威に逆らう者は、神の定めに背く者である。背く者は、自分の身の裁きを招く事になる。
主は言われる。
「私は生きている。全ての膝は、私に対して屈み、
全ての舌は、神に賛美を捧げるであろう」
十字架の言は、滅び行く者には愚かであるが、救いに預かる私達には、神の力である。
すなわち、聖書に
「私は知者の知恵を滅ぼし、賢い者の賢さを空しいものにする」
と書いてある。
知者は何処にいるか。学者は何処にいるか。この世の論者は何処にいるか。神はこの世の知恵を、愚かにされたではないか。
「義人はいない。一人もいない。
悟りのある者はいない。神を求める人はいない。
全ての人は迷い出て、悉く無益なものになっている。
善を行う者はいない。一人もいない」
この世は、知恵によって、神を認めるに至らなかった。そこで神は、宣教によって、信じる者を救う事にしたのである。
不信者と、釣り合わないくびきを共にするな。義と不義と何の関わりがあるか。光と闇と何の交わりがあるか。神の御子と妖魔と何の調和があるか。信仰と不信仰と何の関係があるか。神の宮と偶像と何の一致があるか。
私達は、生ける神の宮である。神がこう仰せになっている。
「汚れたものに触れてはならない。触れなければ、私はあなた方を受け入れよう。
そして私は、あなた方の父となり、あなた方は私の息子、娘となるであろう」
全能の主が、こう言われる。



どうか、私達の主の恵みが、あなた方と共にあるように。
願わくば、私の福音と宣教とにより、かつ、長き世々に渡って隠されていたが、今や現され、預言の書を通して、永遠の神の命令に従い、信仰の従順に至らせるため、諸々の国人に告げ知らされた奥義の啓示によって、あなた方を力づける事のできる方、すなわち、唯一の知恵深き神に、栄光が永遠より永遠にあるように。


アーメン。



−旧約聖書より抜粋−







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