カードの裏側 +++ 序


本当の顔は誰も知らない



俺は、あの人と寝ている。
そう。セックスしてるって事。
確かに、初めは無理矢理だったけど、俺は別に女の子じゃない。こんな事くらい、平気。そう自分に言い聞かせて。
実際、平気だった。だって、すごく嫌って訳でもなかった。どころか、すごくよかったっていってもいいくらい。
あの人は、天性、とか言っていた。俺には、男たらしの才能があるって事らしい。笑っちゃうよ。そんな才能あったって、何の役にも立ちゃしない。
夜。就寝前の点呼が終わって、きっかり30分後。俺は、あの人の部屋の扉を叩く。開かれた扉を潜り抜けて、あの人が無言のまま、俺を引き寄せて。
終わったら、俺は部屋へと帰る。ただ、その間だけに発揮される才能。
ただ、右手の代わりだってだけだ。あの人にとっても、俺にとっても。
既に日課となってしまったこの行為に、それ以外の意味なんかある訳がないだろう?



 ◆→ NEXT




こんな感じのお話です。
あんまりエロくはならない予定ですが、甘くもならないと思われますので、
苦手な方はこの先には進まない方がいいかもしれません。








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