「視覚障害」とは、さまざまな原因で見えなくあるいは見えにくくなった状態です。眼鏡やコンタクトレンズ、あるいは手術などの治療で見え方に問題がなくなれば「視覚障害」ではありません。
視覚障害には、全く光もわからない「盲」と、いくらかは見える「ロービジョン」があります。さらにロービジョンには、中心付近が見えにくいため読み書きは困難なものの歩行などは可能な「中心暗点(図1)」、中心付近は見えるが周囲が見えないために歩行などが困難な「視野狭窄(図2)」、明るいところでは全体が眩しくぼやけて感じる「羞明(図3)」、暗いところで見えにくい「夜盲」など、さまざまな見えにくさがあります。
図1 中心暗点
視力低下が大きく読み書きなどには不自由を感じるが、
周辺の視野は保たれているため
歩行などの日常生活に対する影響は比較的少ない
図2 視野狭窄
視力が良好であっても、歩行などの日常生活に影響の大きいことが多い。中心性視野狭窄の見え方
図3 羞明
典型的には部屋の中では比較的見えるのに
晴れた日の日中など まぶしくて見えにくい状態。
視覚障害をもっている方の多くは、自覚していないことも多いが、羞明をあわせもっている方が多い。
このため、羞明に対する対処をすることで見え方の向上が得られることが多い。
見えない、見えにくいといっても、すべてのことができないわけではありません。少しの手助けがあれば、ほとんどのことが問題なくできる方が多いのです。
視覚障害に限りませんが、「困っていそうだな」と思ったら、軽く方を叩きながら「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてみましょう。
「肩を貸してください。肩につかまりますので*番のバス停まで連れて行ってください」などと手助けの仕方(本人にとって慣れた怖くない誘導方法)を教えてくれることも多いのです。「どのようにしたらいいですか」などと、その方にどのように手助けをしたらいいか聞きましょう(手助けは、手助けされる方のために行うのです。手助けするものの独りよがりや自己満足であってはいけません)。
手助けがなくても大丈夫な場合は「大丈夫です」という答えが返ってくることも少なくありません。その場合は、勇気を持って声をかけることができた自分をほめてあげましょう。