〜 決勝 〜

'14/05/24
ポルトガル リスボン、エスタジオ・ド・SLベンフィカ





レアル・マドリッド  1−1 
 延長3−0 
アトレティコ・マドリッド
セルヒオ・ラモス 90+3
ベイル 110
マルセロ 118
Cロナウド 120
ゴディン 36

 昨年に続き同国同士の決勝戦。そして、初めてのダービーマッチとなった。
 10回目の優勝を狙うレアルのアンチェロッティ監督はここまで9戦して7勝1分け1敗の成績。キーパーにカシージャス、DFラインはカルバハル、ヴァランヌ、セルヒオ・ラモス、コエントラン。中盤ををモドリッチとケディラ、ディ・マリアが務め、Cロナウド、ベイル、そしてベンゼマという攻撃陣で臨む。シャビ・アロンソは累積警告で出場できず。

 一方、初優勝を狙うアトレティコはここまで6勝3分けの負けなし。1週間前にバルセロナを下して国内優勝を決めたばかり。2冠を狙うシメオネ監督は、先発に怪我の影響が心配されるDコスタを驚きの起用。
 キーパーにクルトワ、ゴディンとミランダのCB、左SBフィリペ・ルイス、右SBファンフラン。ガビとチアゴが中盤底、左のMFにコケ、右にRガルシア、FWはビジャとDコスタ。アルダは故障でベンチ外。
 審判はオランダのセット。


前半

 立ち上がりからボールがよく動く展開。緊張感もある中で好ゲームとなる予感が漂うが、6分あたりからDコスタの動きが落ち、10分に早くもアドリアンと交代となってしまった。
 26分、アトレティコのCKをクリアしたレアルは、そのまま得意のカウンターへ。左サイドでボールを受けたディ・マリアがベンゼマとのワンツーを挟んでぐんぐんとドリブルでゴールへ迫ると、たまらずRガルシアが背後からファールで止める。
 やや左よりの30M程の位置からCロナウドがワンバウンドさせるFKを蹴ったが、クルトワはキッチリセーブした。
 32分、チアゴが左のフェリペ・ルイスへ送ろうとしたパスをベイルがインターセプト、そのままの勢いでPスポット付近まで持ち込み、コースを切りに来たミランダに対し軽くタイミングをずらしてシュートを放つ。しかしわずかにゴール左に外してしまい、ビッグチャンスをものにできず。
 35分、アトレティコは右CKをゲット。レアルがいったんクリアしたが、これを再びファンフランがヘディングでPエリア内へ戻すと、ゴディンがバックヘッド。飛び出してしまったカシージャスの上からボールをゴールに流し込み、アトレティコが先制に成功した。


後半

 後半も序盤は流れ変わらず、レアルは攻撃力をなかなか発揮できない。53分に3連続でCKのチャンスを得たが、モノにできず。
 変わって56分にアトレティコがCKを得ると、いったんクリアされたボールを拾って再びゴール前に放り込み、こぼれたところをアドリアンがダイレクトで狙ったが、コースに入ったケディラ阻まれた。
 この直後、レアルはケディラとコエントランを下げ、イスコとマルセロが入り、やや攻撃力が改善する。
 66分、アトレティコは2枚目のカードでRガルシアを下げ、ソサを投入。
 73分、中盤のモドリッチが右前のCロナウドに送ったパスをワンタッチでCロナウドが落とすと、走りこんでいたベイルが小さいドリブルを挟んでミドルシュート。しかしボールはゴールの右に外れる。
 76分、マドリッドは中盤右サイドでベイルがボールをインターセプト、そのままCロナウドとのワンツーを挟み一気にPエリアまで持ち込んだが、背後からゴディンのプレッシャーを受けたベイルのシュートは、ゴール右に外れてしまった。
 79分、後のないレアルはベンゼマをあきらめ、モラタ投入。直後にカルバハルの右からのクロスをニアサイドのイスコがトラップ、反転してシュートの直前、ゴディンがスライディングでボールをクリア。
 残り10分。アトレティコは守り偏重へと切り替え、最後の交代枠を左SBフェリペ・ルイスとCBが本職のアルデルワイレルドのスイッチに使用する。
 必然的にレアルが猛攻を仕掛ける形となる。
 85分、左のディ・マリアからのクロスをファーサイドのCロナウドが頭で折り返したところへ、ゴール前でマルセロがヘディングシュートを狙ったが、DFのブロックに阻まれる。
 89分になるとシメオネ監督がサポーターの後押しを煽る。ロスタイムは、5分。
 レアルはやや慌てた感じの攻撃が続き、アトレティコのクリアも単調となる中、ロスタイム3分にマドリッドは右CKを連続でゲット。
 2本目のCK、モドリッチが右足で蹴りこんだボールを、またしてもセルヒオ・ラモスがヘディングシュートをゴール左に放り込み、遂に土壇場で同点に追いついた。

 90分の戦いでは勝負がつかず、延長戦へ。



延長

 交代カードを使いきった両チームが、15分ハーフの延長戦に臨む。
 体力の問題もあり、両チームともそれほど無理をしない立ち上がり。プレーの最中にCロナウドやコケが足をつって、伸ばしてもらうシーンも。
 追い付いた勢いのあるレアルは何度か相手Pエリア内まで持ち込んたが、大きなチャンスはなく延長前半を終了。

 アトレティコ側を中心に、多くの選手の足が止まってしまった110分。中盤左でボールをもらったディ・マリアがそのまま縦へとボールを運び、3人に囲まれながらも中への鋭いボール運びで振り切ると、Pエリア内左からシュート。間合いを詰めたクルトワが足ではじいたが、浮き球になったボールをファーサイドに詰めていたベイルが頭で押し込み、マドリッドが逆転に成功した。

 得点が必要なアトレティコはチームの重心を前にして、ボールを追う。リスタートの際には多くの選手がレアルゴール前に入る。攻められている時も自陣に変える選手を限定。すると118分、5人の守備陣に対し6人で攻め込んだレアルはゆっくりボールを回すと、寄せきれないアトレティコの隙を突きマルセロがドリブルでゴール正面に持ち込みシュート。低く放たれたボールはクルトワの手をはじいてゴールに収まり、勝利を決定づける3点目がレアルに入った。

 さらにタイムアップ直前、ドリブルで仕掛けたCロナウドがゴディンに倒されPKをゲットしダメ押し。
 このゴールでレアルの選手が喜び合う中、ヴァランヌが関係ないところでボールをアトレティコベンチに蹴り込んだことで、シメオネ監督がピッチに乱入する騒ぎに。
 後味の悪い終わり方ではあったが、レアル・マドリッドの10度目の優勝で幕を閉じた。