〜 準決勝 〜

'13/04/23,24 第1戦
'13/04/30,05/01 第2戦


バイエルンM vs バルセロナ  ドルトムント vs Rマドリッド


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―FIRST LEG―
バイエルンM 4−0  バルセロナ   
ミュラー 25、82
ゴメス 49
ロッベン 73

 国内リーグを既に制し3冠を狙うバイエルンが満身創痍のバルセロナを迎えた第1戦。
 FWマンジュキッチを出場停止で欠くバイエルンは、ゴメスが先発。引き続き故障中のクロースに代わりロッベンとリベリが揃い踏み。
 バルセロナは故障を抱えるメッシを先発起用。ビジャをベンチスタートとし、サンチェスとペドロを前線に並べてきた。
 怪我人相次ぐCBにピケの相棒として復帰したばかりのアビダルではなくバルトラを組んできた。

前半

 前半立ち上がり、バイエルンはいつものような前線からのプレスはかけず、センターライン付近に構える対バルサ用の作戦で臨む。
 ファーストシュートはバイエルン。バルセロナの守護神、バルデスからのロングボールを奪うとすかさず攻撃を畳み掛け、右サイドの崩しからPエリア内でロッベンがゴールを狙ったが、バルデスがブロックしゴールを守る。
 ピッチにはかなりの水がまかれたのか、テンポ良くバルサがつなぐパスもセンターサークル内では水が溜まりすぎてストップしてしまうほど。
 15分、バイエルンのラームが放ったミドルシュートはPエリア内のピケの腕に当たったようにも見えたが、ノーホイッスル。
 そして均衡が崩れたのは24分、バイエルンの左CKから。一度はクリアされたものの、セカンドボールをバイエルンが拾うと、右サイドのロッベンから高さに難のあるバルセロナに対してゴール前に山なりのボールが放り込まれる。これをDアウベスの上からダンチが頭で折り返し、ミュラーが頭で押し込み先制した。

 バイエルンは32分にもCKを得て、ゴール前でサンチェスがダンチとハイボールを競り合った際にハンドを犯したが、ここでもPKとはされずにバルセロナは救われる。
 バルセロナはイニエスタやシャビのうまいプレーは見られるもののチームとして機能せず、メッシもコンディション不十分な上に厳しく削られて、精彩を欠いたまま前半を終了。

後半

 後半開始4分にバイエルンは右CKをゲット。ここもファーサイドに高めのボールが蹴り込まれると、ピケの背後からミュラーが頭で折り返し、ゴール前のゴメスが左足でネットに突き刺した。オフサイドか微妙なところだったが、スコアは2-0。

 このあとメッシは動き自体が極端に少なくなる。
 73分、ロッベンが右サイドからバルセロナPエリア内へドリブルをしかける。ジョルディ・アルバが対峙したが、攻防の最中に背後からミュラーがショルダーチャージを見舞ってジョルディを押し倒し、その隙をついてロッベンがシュートを決める。ミュラーのタックルに笛は吹かれず、バイエルンが更にリードを広げた。

 76分にバルサは中盤左サイドでFKをゲット。これをシャビがバイエルンの壁の裏側へ放り込み、タイミング良く抜け出したバルトラがPエリア内で胸トラップ。反転からシュートを狙ったが、大きく外してしまいチャンスをものにできない。
 バイエルンは80分、ロングボールに右サイドに開いていたミュラーが抜け出し、Pエリア内で飛び込んできたピケを切り返しでかわしてシュートに持ち込んだが、キーパーがブロック。このあとのプレーでDアウベスが足を踏まれ、一時ピッチを離れる。
 この間隙をついてバイエルンが攻め込むと、足をつって交代の準備が進められていたミュラーが左からのクロスに反応して押し込み、バイエルンに4点目が入った。

 このあとバルセロナにチャンスが訪れることはなく試合終了。大きなビハインドを背負って2ndレグのホームに戻ることとなった。


―SECOND LEG―
  バルセロナ 0−3  バイエルンM
ロッベン 49
ピケ 72(OWN)
ミュラー 76

 4点という大きなビハインドを背負ったバルセロナは、足の故障でコンディションが整わないないメッシをやむなくベンチに置き、ペドロ、セスク、ビジャでスタート。CBの一角には再びバルトラが入った。
 一方のバイエルンは直前の国内リーグをサブメンバー中心で行い、この試合に備えてきた。マンジュキッチがサスペンド明けで1トップに入る。

前半

 バイエルンは1stレグとは異なり、序盤は前線からプレッシャーをかけるいつものスタイルで臨む。
 したがって、両チームとも守備ではハイプレッシャーをかけ、攻撃ではじっくりパスを回すバルセロナと、シンプルな速攻でゴールを目指すバイエルンががっぷり四つに組んだ見応えのある展開となる。
 12分のバイエルン。自陣でボールを奪うと、右サイドセンターライン付近でオフサイドをかい潜りロッベンが抜け出し、一気にPエリア内へ持ち込む。しかし最後はピケが追いつき、シュートは不十分に終わった。
 その後もバイエルンは13分、16分、19分にバルサPエリア内まで攻め込んでチャンスを作り、バルセロナも13分のCK、15分とバイエルンゴールに迫る。
 27分のバルセロナ。ややバタバタしながらも敵陣ゴール前まで攻め込むと、Dアウベスの右からのクロスをセスクがゴール正面でフリーとなっていたシャビに落とす。シャビのダイレクトボレーは、しかしクロスバーを越えて得点に至らない。
 31分にはDアウベスからPエリア内右に流れるシャビに絶妙なパスが入り、それをシャビは少し溜めてからゴール前のセスクへと折り返したが、バイエルンDFがシュートを阻止する。
 結局膠着状態のまま、前半終了。

後半

 後半も同じメンバーでスタート。メッシは変わらずベンチに座ったまま。
 すると48分、ついに試合が動く。
 キーパー・バルデスのクリアボールをバイエルンが拾うと、すかさず右のロッベンへ長いボールが戻される。ロッベンにとっては得意の形。対峙したアドリアーノを縦へのフェイントを挟んで中へと切り返して揺さぶると、できたスペースから左足で巻くようにゴールファーサイドへとボールを蹴り込んだ。
 バイエルンはサッカー界の頂点に君臨するバルセロナに正攻法で引導を渡すとともに、決勝進出が決定的となった。

 6点が必要になったバルセロナは、もはやメッシを出す機会を失い、55分にシャビを、65分にイニエスタを下げ、投了。
 72分、バイエルンのリベリがスルーパスに反応して左サイドを抜け出しクロスをあげたところ、戻りながらピケが足を出して先にボールに触ったが、ボールはゴールに飛び込んでオウンゴールを献上してしまう。

 さらに76分、今度はドリブルでリベリが左サイドを突破し、ゴール前に山なりのボールを折り返すと、DF2人にマークされながらも高さを見せつけたミュラーのヘッドが決まって、0-3。

 このあともバルセロナに流れが傾くことはなく、バイエルンがホームとアウェーでいずれもバルセロナに完勝し、2年連続の決勝へと進んだ。


―TOTAL―
バイエルンM  7−0  バルセロナ



 
 






―FIRST LEG―
ドルトムント 4−1  Rマドリッド           
レバンドフスキ 8、50、55、66(PK) Cロナウド 43



―SECOND LEG―
Rマドリッド 2−0  ドルトムント    
ベンゼマ 83
セルヒオ・ラモス 88

 グループリーグを含め苦戦してきた相手に少なくとも3点が必要なマドリッドは、直前の国内リーグを休んで心配されたCロナウドがスタメンに復帰。ディ・マリアとキーパーのDロペス以外は、ターンオーバーでリーグ戦を休ませてきた。ワントップはイグアイン、トップ下にエジル、中盤底にはシャビ・アロンソとモドリッチ。
 対するドルトムントは1stレグと同じ顔触れ。ドルトムントもターンオーバーで臨み、直前のリーグ戦に出ていたのはCBフンメルスただ1人。

前半

 4分のマドリッドの攻撃。右サイドから攻め込むと、いったんボールは奪われたもののモドリッチのチェックから奪い返し、エジルのショートパスにイグアインが反転、キーパーの目の前で足元を狙ってシュートを放つ。しかしここはキーパーのヴァーデンフェラーが足を伸ばしてクリアした。
 マドリッド優勢で試合は進む。8分にも右サイドから攻め込み、最後はCロナウドがPエリア内、DFラインの手前からシュートを狙うも、大きく枠を外す。
 そして12分にはドルトムントにアクシデント。ゲッツェが足を痛め、ピッチの外へ。
 後の13ドルトムントはFKを得るとレバンドフスキが胸トラップからボレーシュートを放ったが、キーパーにセーブされる。反す刀でマドリッドが反撃。右後方のディ・マリアがゴール前に蹴り込んだボールを、こちらはCロナウドが胸トラップからボレーシュート。しかしキーパーの正面だった。

 14分、マドリッドは最終ラインでボールを保持する最中に2列目のエジルが前方をうかがい、その動きで空いたスペースにトップのイグアインが下りてきて、モドリッチからのパスを引き出す。イグアインはこれをダイレクトで前方へ送ると、DFラインを抜け出したエジルにぴたりと渡ってビッグチャンス。見事なコンビネーションだったが、最後に放ったエジルのシュートは力が入り枠を捕らえ切れず、ここでも得点できない。
 20分を回ると、ドルトムントは幾分落ち着きを取り戻す。マドリッドの攻め急ぎが目立ち、インターセプトされるシーンが目立つようになる。マドリッドの必死なプレーは続いたが、前半スコアレスで終了。

後半

 後半序盤はドルトムントがチャンスを作る。49分に左サイド深い位置から折り返されたボールが中央のレバンドフスキまで流れたが、シュートを大きくふかしてしまう。
 その1分後にはカウンターから一気にマドリッドゴールへと迫り、レバンドフスキが右45度の至近距離から右足を振り抜いたが、ボールはクロスバーに跳ね返された。

 57分にマドリッドのモウリーニョ監督が動く。
 イグアインとコエントランを下げ、ベンゼマとカカをピッチに送る。DFは4バックから3バックに変え、より攻撃姿勢を強めた。
 だが、前線中央に攻撃陣が固まってしまい、ドルトムントの裏をとることができない。
 逆に62分、ドルトムントは右サイドのスローインからダイレクトパスを3本つなぎサイドを突破、ロイスがゴール前に折り返したボールがフリーで走り込んだギュンドアンに渡る。ギュンドアンはゴールの目の前でシュートを放ったが、Dロペスが横っ飛びでこれをブロック、ビッグプレーでピンチを救った。
 67分、マドリッドはシャビ・アロンソに代えてケディラを投入、最後のカードを切る。
 70分あたりからドルトムントのPエリア内でのプレーが出てきたマドリッド。そんな中でも76分にはドルトムントが逆襲し、ワンツーでPエリア内に侵入したロイスからのラストパスをレバンドフスキがシュート。だが、DFにブロックされてしまった。
 78分にドルトムントのフンメルスがPアーク付近でハンドを犯すが見逃され、スタジアムは大ブーイングに包まれる。
 残り時間も10分を切った82分、マドリッドは自陣からのFKをDロペスが大きく蹴り込むと、Cロナウドとベンゼマがつないだボールをカカが拾い、右サイドを上がったエジルにスルーパスが入る。エジルがダイレクトで折り返すと、ニアサイドに詰めていたベンゼマが押し込んで、ついにスコアが動いた。

 押せ押せのマドリッド。84分には連続の左CKの流れからファーサイドにいたベンゼマがこぼれ球を拾うと、シュートフェイントを挟んで中央に持ち込みシュートを放つ。しかしキーパーがファインセーブを見せ、ゴールマウスの外に弾き出されてしまった。
 3度目の左CK。この場面でもこぼれたボールにエッシェンが反応しミドルシュート、それも弾き返されるとヴァランが反応しシュートと畳み掛ける。さらに右サイドのエジルのクロスが逆サイドのベンゼマまで流れ、大きくサイドチェンジ。すっかり振られてボールウォッチャーとなってしまったドルトムントに対し、ベンゼマからゴール前フリーとなったセルヒオ・ラモスへ冷静なパスが入る。この時ゴールマウス前にキーパーを含め5人もいたが、セルヒオ・ラモスのシュートには棒立ちのまま、阻止できずに2失点目を喫した。

 あと1点で立場逆転、残り時間はロスタイムを含めわずか6分。
 最終ラインを2枚にして猛攻をしかけるマドリッド。しかし3点目は生まれず、ついに試合終了。
 ドルトムントがマドリッドの反撃を2点に抑え、決勝進出を決めた。
 マドリッドは3年連続のベスト4敗退となった。


―TOTAL―
ドルトムント 4−3  Rマドリッド