〜 第5節(Round5) 〜



各グループへのショートカット
グループA   グループB   グループC   グループD
グループE   グループF   グループG   グループH


ゲーム詳細
グループA: バイエルン vs ビジャレアル

グループD: Rマドリッド vs Dザグレブ

グループE: レバークーゼン vs チェルシー

グループH: ACミラン vs バルセロナ





グループA 得点 失点 勝点
バイエルン・ミュンヘン 4 1 0 11 4 13
ナポリ 2 2 1 8 6 8
マンチェスター・シティー 2 1 2 7 6 7
ビジャレアル 0 0 5 2 12 0
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

バイエルン 3−1   ビジャレアル
リベリ 3、69
ゴメス 23
デグスマン 50

ナポリ 0−3   マンチェスターC
カバーニ 17、49 バロテッリ 33




グループB 得点 失点 勝点
インテル 3 1 1 7 5 10
トラブゾンスポル 1 3 1 3 5 6
リール 1 2 2 6 6 5
CSKAモスクワ 1 2 2 7 7 5
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

   CSKAモスクワ 0−2   リール
ベレズツキ 49(OWN)
ソウ 64

トラブゾンスポル 1−1   インテル    
アルティントップ 23 アルバレス 18




グループC 得点 失点 勝点
ベンフィカ 2 3 0 7 4 9
マンチェスター・ユナイテッド 2 3 0 10 6 9
バーゼル 2 2 1 9 9 8
オツェルル・ガラツィ 0 0 5 3 10 0
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

オツェルル・ガラツィ 2−3   バーゼル     
ギュルギュ 75
アンタル 81
Fフライ 10
Aフライ 14
シュトレラー 37

マンチェスターU 2−2   ベンフィカ   
ベルバトフ 30
フレッチャー 59
ジョーンズ 3(OWN)
アイマール 61




グループD 得点 失点 勝点
レアル・マドリッド 5 0 0 16 2 15
アヤックス 2 2 1 6 3 8
リヨン 1 2 2 2 6 5
ディナモ・ザグレブ 0 0 5 2 15 0
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

   リヨン 0−0   アヤックス

レアル・マドリッド 6−2   ディナモ・ザグレブ
ベンゼマ 2、66
カジェホン 7、49
イグアイン 9
エジル 20
ベチライ 81
トメチャク 90




グループE 得点 失点 勝点
レバークーゼン 3 0 2 7 7 9
チェルシー 2 2 1 10 4 8
バレンシア 2 2 1 12 4 8
ゲンク 0 2 3 1 15 2
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

レバークーゼン 2−1   チェルシー
デルディヨク 73
フリートリヒ 90+1
ドログバ 48

バレンシア 7−0   ゲンク        
ジョナス 10
ソルダード 13、35、39
Pエルナンデス 68
アドゥリス 70
コスタ 81




グループF 得点 失点 勝点
アーセナル 3 2 0 6 3 11
マルセイユ 2 1 2 4 2 7
オリンピアコス 2 0 3 5 5 6
ボルシア・ドルトムント 1 1 3 4 9 4
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

     マルセイユ 0−1   オリンピアコス
フェトファツィディス 82

アーセナル 2−1   ドルトムント     
ファン・ペルシ 49、86 香川 90+2




グループG 得点 失点 勝点
アポエル 2 3 0 6 4 9
ゼニト 2 2 1 7 5 8
ポルト 2 1 2 7 7 7
シャフタール・ドネツク 0 2 3 4 8 2
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

ゼニト 0−0   アポエル

シャフタール 0−2   ポルト
フッキ 79
ラツ 90(OWN)




グループH 得点 失点 勝点
バルセロナ 4 1 0 16 4 13
ACミラン 2 2 1 9 6 8
プルゼニ 1 1 3 2 9 4
BATEボリソフ 0 2 3 2 10 2
勝点:勝ち=3点、引分け=1点、負け=0点

BATE 0−1   プルゼニ
バコシュ 42

ACミラン 2−3   バルセロナ
イブラヒモヴィッチ 20
ボアテング 54
ファン・ボメル 14(OWN)
メッシ 31(PK)
シャビ 63





〜 ゲーム詳細 〜


グループA

バイエルン 3−1   ビジャレアル
リベリ 3、69
ゴメス 23
デグスマン 50

 引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まるバイエルンと、グループリーグ敗退が決まっているビジャレアルの一戦。
 バイエルンは前節、シュバインシュタイガーが鎖骨を折って離脱。ミュラーもスタメンから外れた。ゴメスをトップに、怪我から復帰したロッベン、クロース、リベリーが前線を担う。
 ビジャレアルは相変わらず厳しい台所事情。ニウマール、ロッシ、カニ、カムニャスといったところが不在。

前半

 引いて守りを固めると見られたビジャレアルだが、ふたを開けてみると最終ラインを上げて対応。しかし3分、その最終ラインのCBマルチェナが相手のクロースにショートパスを渡してしまう信じられないミス。中盤右でボールを得たクロースは中央まで運ぶと、反対の左サイドからゴール前に走り込むリベリーに対しスルーパスのアシスト。リベリーはこれをしっかりと決めて、ラッキーな形でリードを手にした。

 8分のバイエルン。中盤での奪い合いを見て右のロッベンが早めにゴールに向かってスタート、そこへクロースから浮き玉のパスが入る。ロッベンはそのままDFに付かれながらもゴール正面まで持ち込みシュートにつなげたが、キーパーにセーブされた。
 やや試合が硬直してきた23分、バイエルンのティモシュクがミドルシュートを放つと、ボールは右ポストを叩いてただ一人ゴール前に詰めたゴメスのもとへ。ゴメスがこれを押し込んで、バイエルンがリードを2点に広げた。

 その後、バイエルンがボールを支配し、たまにビジャレアルがパスを回してもなかなか相手陣内ではキープできない展開が続いたが、ビジャレアルは39分、右サイドを突破したデグスマンがゴール近いところにクロスを送り、ここにニアサイドとファーサイドに1枚ずつビジャレアルの選手が飛び込むも、惜しくもバイエルンDFにシュートを阻止されてしまった。

後半

 後半に入って5分にビジャレアルの反撃。
 左SBのオリオルが自陣でのインターセプトから一気にオーバーラップ。Pエリア内まで持ち込むとそこから右サイドへクロスを上げる。ここに走り込んだデグスマンが右足ボレーで対角線上のゴールネットにシュートを叩き込み、1点を返すことに成功した。

 このあと2度、リベリーにPエリア内でクロスボールをシュートに持ち込まれたが、いずれも枠を捕らえ切れず。
 しかし69分、ビジャレアルはまたもや致命的なミスから失点してしまう。自陣最終ラインまで下がってボール回しに加わっていたソリアーノがなんとも中途半端な横パスを出し、これをゴメスに奪われる大失態。ボールはクロースを経由し左のリベリーに渡ると、Pエリア内でキーパーをもかわし、無人のゴールにシュートを決めて3-1。

 スコアはこのまま、バイエルンが逃げ切って決勝トーナメント進出を手にした。
 




 
 
グループD

レアル・マドリッド 6−2   ディナモ・ザグレブ
ベンゼマ 2、66
カジェホン 7、49
イグアイン 9
エジル 20
ベチライ 81
トメチャク 90

 4勝0失点で既に決勝トーナメント進出を決めているマドリッド。かたや未だ勝ち点0で最下位ながら、EL進出の可能性が残されているザグレブという対決。
 絶好調のマドリッドはこのところ公式戦11連勝中、41ゴール6失点と圧倒的な強さ。この試合は主力のカシージャス、Cロナウド、ぺぺ、ケディラらをベンチにおき、シャヒンがボランチの位置で初先発。FWはイグアインが入った。
 ザグレブもUCLでは結果を出せていないが、クロアチア国内リーグでは13勝1分け1敗で断トツのトップではある。

前半

 雨が降る中、ゲームはマドリッドボールで始まる。シャヒンを気遣い後方でのパス回しで様子を見ていたマドリッドだが、ザグレブにほとんどボールを触らせることなくじりじりと押し上げていくと、1分過ぎに右サイドから仕掛ける。
 右SB・Lディアッラの浮き玉のパスでDFの裏をとったカジェホンから、一旦中央へ戻して左のベンゼマへと展開。ベンゼマはすかさず前方のエジルへスルーパスを送り自身もPエリア内へと進むと、そこへエジルからリターンパスが。そのままワントラップからゴール右にボールを蹴り込んで、あっさりとマドリッドが先制してしまった。

 マドリッドは続けて6分、左前方へのロングボールをカジェホンが頭で前方のベンゼマへとつなぐと、ベンゼマはドリブルで仕掛けてから中へパス。1点目と似たような形でここへ走り込んだカジェホンがPエリア外から直接シュートを叩き込み、早くも2点目を追加する。

 2点差を付けられてもスタイルを変えないザグレブ。力の差が大きいのに平凡なサッカーで受けているため、チャンスの片鱗さえ伺えない。 すると8分過ぎ、右でボールを受けたLディアッラが中へと仕掛け、そこから縦を狙うイグアインへスルーパスを通す。イグアインはPエリア内右サイドを深く持ち込んでから簡単な切り返しでDFをあっさりかわすと、飛び出してきたキーパーには軽いチップキックシュートで対応、難なく3点目を奪ってしまった。

 14分、シャビ・アロンソからのスルーパスでコエントランが左サイドを突破、そのままPエリア内深くまで持ち込み、止めに来たDFの股を抜くマイナスのパスへイグアインが飛び込んだが、ザグレブの選手も詰めていたためシュートは枠を外す。
 このあとザグレブは中盤をコンパクトにすることでマドリッドの攻撃に対応しだしたが、20分に自陣左サイドで容易くボールを失ってしまうと、イグアインにゴール正面までドリブルで持ち込まれてしまう。そこからイグアインの放ったシュートはキーパーが横っ飛びで跳ね返したものの、そのボールをエジルに拾われると、ゴール右隅にシュートを流し込まれて4-0。

 パニック気味のザグレブはパスの精度も落ち、すっかり消極的になってしまったが、22分、中盤のポストプレーを挟んでFWに出したスルーパスが通り、抜け出しかける。ここでLディアッラと競り合う中で転倒してしまい、ファールをアピールするもノーホイッスル。
 マドリッドは引き続き力の差を見せ付けてザグレブゴールに何度も迫るが、後少しのところでゴールに至らず。一方で時々集中力の欠けたプレーから、ザグレブにヒヤッとさせられる場面も出はじめる。 どうなることかと思われた最初の20分間だったがその後スコアは動かず前半終了。

後半

 後半、なんとマドリッドはいきなり3枚替えというUCL史上初の奇策でスタート。Sラモス、エジル、シャビ・アロンソといったレギュラーをさらに落とし、アルビオル、アルティントップ、グラネロがピッチに入る。キーパーを含め、故障者が出てもこのメンバーで対応する必要がある。
 大きなメンバー交代に付け込もうとするかのように、立ち上がりは前から積極的にプレスをかけるザグレブ。
 しかし49分、ザグレブ最終ラインのギャップをついてCBバランからの絶妙なロングパスにカジェホンが抜け出すと、右45度の位置から狭い右サイドにボールを流し込み、マドリッドが5点目を奪った。

 58分過ぎにベンゼマがドリブルで仕掛け、ゴールそばまで持ち込む。さすがにDF3人に寄せられシュートは無理だったが、マイナスのパスでゴール正面のイグアインへボールを渡す。イグアインはこれをダイレクトで狙ったが、キーパーの好セーブで弾き出されてしまった。
 60分にはザグレブCBが大きく出そうとしたボールをイグアインがブロック、ここから最後はカジェホンがキーパーの頭上をループシュートで狙ったが、これもキーパーがどうにか掻き出してゴールを守る。
 66分、ザグレブゴール正面25m程のところでボールを持ったベンゼマが、Pアーク手前に入ったイグアインにボールを当てる。イグアインはいったん右を向いてからヒールで左に抜けるベンゼマへボールを渡す。電光石火のワンツーで抜け出したベンゼマが、ゴール右にシュートを決めて、チームに6点目をもたらした。

 中盤のバランスに重心をおきなかなかチャンスを作れずにいたザグレブだが、81分に反撃。左からボールを持ち込みゴール前に絶妙なアーリークロスを放り込むと、ニアサイドに飛び込んだベチライが頭でたたき込み、ついにUCLで唯一無得点を続けていたザグレブが、サンチャゴ・ベルナベウで1点を取ることに成功した。

 83分のマドリッド。中盤からシャヒンがPスポットに向けて放り込んだ早いボールをイグアインが頭で落としたところを、ベンゼマがワントラップでボールを上げてオーバーヘッド。これが惜しくもクロスバーを叩く。
 このあたりでカジェホンが右太ももを痛めて治療を受けるが、交代選手はいないのでそのままピッチに残る。ただ、ほとんどゲームには参加しなくなった。
 後半ロスタイム直前、ザグレブがパスをつないでボールを右へ展開し、グラウンダーのボールを折り返す。このボールはマドリッドの選手が3人固まっているところへ転がってしまったが、中途半端にシャヒンが触ってルーズとなり、こぼれたボールを再びバデリがゴール前に折り返す。ここに走りこんでいたトメチャクが押し込み、2点目を奪った。

 そして試合終了。最後はザグレブが意地の点を奪ったものの、マドリッドは完勝でグループリーグ首位突破を決めた。
 




 
 
グループE

レバークーゼン 2−1   チェルシー
デルディヨク 73
フリートリヒ 90+1
ドログバ 48

 勝ち抜けチームが決まらず、かついずれのチームにもチャンスがあるグループE。1位のチェルシーだけでなく2位のレバークーゼンにも、この試合勝てばグループリーグ突破が決まる。
 チェルシーの先発FWはドログバ。トーレスがベンチスタート。

前半

 序盤から拮抗した内容となる。アウェーのチェルシーが守備重視のスタイルであることと、雨のためかパスやトラップが微妙にズレて、相手ボールとしてしまうシーンが目立つ。
 32分にレバークーゼンは右CKでチャンスを迎えるが、バラックのヘディングシュートはクロスバーに嫌われた。
 対してチェルシーは38分、スタリッジからのスルーパスに抜け出したドログバが最初のタッチでキーパーをもかわしたが、そのままエリア内の右から放ったシュートは枠を外した。
 両チーム得点なく、前半を終了。

後半

 後半も立ち上がりは中盤での潰しあいになったが、48分、右サイドのスタリッジからPエリア内に走り込むドログバへロングパスが入る。ドログバはこのボールをしっかり収めると、DF2枚を背負いながらも反転からシュート。見事ゴール左に押し込んで、チェルシーが均衡を崩した。

 58分のレバークーゼン。右CKからのボールがゴール前にこぼれて来たところをバラックがボレーで狙ったが、キーパーのツェフが目の前に飛び込みこれをブロック、同点ならず。
 その3分後にはチェルシーゴール前での厚い攻撃から、最後はカストロが放り込んだボールにキースリンクが頭で合わせたが、ツェフの正面。
 選手交代もあって、流れはホームのレバークーゼンへ。
 そして73分、右SBのカストロからトップの位置にいた2分前に代わったばかりのデルディヨク目掛けてロングボールが蹴り込まれると、デルディヨクはこれをスルー、結果的に左のサムへ。サムはツェフが飛び出してきたところでダイレクトでクロスを上げ、ファーサイドに走り込んだデルディヨクがヘディングシュート。交替策が見事にはまり、レバークーゼンが同点に追いついた。

 77分、守りが薄くなったレバークーゼンにチェルシーが逆襲。左サイドを上がったボジングワにパスが通り、Pエリア左外まで駆け上がったボジングワはゴール前に走り込むドログバへとボールを送る。ここでドログバがレバークーゼンのDF2枚に潰されるが、残念ながらPKを取ってはもらえなかった。
 残り10分のところで、ドログバがハイボールの競り合いから着地時に足を踏まれ、痛めてしまう。しかし交代カードは使い尽くしており、足を引きずりながらピッチへと戻る。
 そしてロスタイム、右CKを得たレバークーゼンは、アウトスイングのボールをCBの上からフリートリヒが頭でシュートを押し込んで、ついに逆転に成功した。

 間もなく終了のホイッスルが響き、レバークーゼンが勝利とともに勝ち抜けを決めた。一方のチェルシーは、勝ち点で並ぶバレンシアとの最終節ホームゲームで、直接雌雄を決することとなった。
 




 
 
グループH

ACミラン 2−3   バルセロナ
イブラヒモヴィッチ 20
ボアテング 54
ファン・ボメル 14(OWN)
メッシ 31(PK)
シャビ 63

 決勝トーナメントが決まっている両チームが1位通過を狙って激突する好カード。第1節でのバルセロナホームのゲームは2-2で終えている。
 ミランはロビーニョとイブラヒモヴィッチの2トップ。イブラヒモヴィッチは第1戦に出ていないため、古巣バルセロナとの初対決となる。
 そのバルセロナはメッシを前に、ビジャ、セスク、ティアゴが2列目を固め、シャビとケイタで中盤の底という形をベースだが、いつも通り流動的。ダニエウ・アウベスが出場停止。

前半

 序盤は早めのチェックでバルセロナにチャンスを作らせなかったミランだが、14分、バルセロナがミラン陣内右サイドへボールを運ぶと、そこからパスをつないで中央のメッシへ。メッシは軽くドリブルを挟んでPエリア左サイドへボールを送ると、そこにフリーでケイタが走り込みゴール前へと折り返す。これを戻りながらのディフェンスとなったファン・ボメルが自ゴールへ押し込んでしまう。もしファン・ボメルが触らなくてもすぐ背後に詰めていたシャビが押し込んでいただろう。

 さらに17分、ミラン陣内に攻め込んだバルセロナは右サイドからチアゴがドリブルで仕掛けると、入れ替わるように縦に入り込むセスクへ浮き球のパス。ゴール前でセスクは背後からのボールを直接ボレーで合わせたが、GKアッビアーティの正面だった。
 今度は逆にミランの厚い攻撃。そして19分、左サイドからイブラヒモヴィッチがDFプジョルと対峙、軽く外して鋭いクロスを蹴りこむと、逆サイドまで流れたボールをボアテンクが再びゴール前に折り返し、アッビアーティの真ん前でロビーニョが右足インサイドで合わせる。しかし、シュートはクロスバーを越えて決定的なチャンスを逃してしまう。
 しかしミランの攻勢は続く。20分には大きな展開から左のセードルフへ。プジョルが対峙する中、Pエリア内に走り込むイブラヒモヴィッチへ絶妙なパスを通す。イブラヒモヴィッチはこのボールを巻き込むようにシュート、これがGKバルデスのタイミングを外す形となりゴール、同点に追いつく。

 23分、今度はミラン陣内右サイドでシャビとザンブロッタが対峙。すると、オフサイドの位置から右の外へ流れてきたセスクがフリーとなり、すかさずスルーパスが入る。セスクはドリブルを一つ挟みゴール前に決定的なボールを折り返したが、ゴール真正面に走りこんできたメッシをマークするDFアバーテがクロスバーに当てながらも蹴り出して、ピンチを救った。
 30分のバルセロナの攻撃。中盤でセスクからメッシ、シャビ、セスクとパスをつなぎ、最後はPエリア内に走り込むシャビへスルーパス。これを遅れてマークしていたアクイラーニが引き倒してしまう。ここでなぜかネスタにイエローカード(アクイラーニはすでに1枚イエローを受けている)がでるが、バルセロナにはPKが与えられる。
 ここでキッカーのメッシは蹴る直前にモーションを止めてからボールをゴールに押し込んだが、これを一連のプレーではないと判断され、イエローカード。PKは蹴り直しとなったが、アッビアーティが反応するもゴール右隅にきっちり決めて、再びリードを奪う。

 32分、中央をドリブルで持ち込んだメッシが左のビジャへパス、ビジャがゴール前でシュートを放ったがアッビアーティがこれを左手でブロックし好セーブ。
 39分にもメッシ。バルサのパス回しからメッシが中盤でボールを受けると、そこから細かいドリブル。セードルフとアクイラーニの間を持ち込み、飛び込もうとするネスタをキレのあるドリブルでかわすと、さらにアバーテをスピードでちぎってPエリア左サイドからシュート。ただ、ボールはアッビアーティの正面だった。

後半

 ミランはロビーニョに代えてパトでスタート。
 53分のミランの攻撃。GKアッビアーティからのロングフィードをイブラヒモヴィッチがポストでさばき、そこから左へと展開。ザンブロッタが早めにクロスを入れるとボールがこぼれ、それをボアテンクがトラップで落としざま軸足の後ろを通すタッチで一気にPエリア右に抜け出しそのまま右足でシュート。バルサゴールのニアサイドを破り、再び同点に追いつく。

 その後、なかなかいい形が作れないバルセロナは少しプレーにいらつきが見えはじめたが、63分、中盤やや右サイドでメッシがボールを受け、仕掛ける。後ろからゴール前に走り込むシャビに対し、ミランの4選手がひしめき、かつそれぞれに異なる動きをしているところに、メッシは針の穴を通すように正確無比で絶妙にコントロールされたパスを送る。シャビもこれをワンタッチから正確にゴール左に流し込み、バルセロナが三度リードを奪った。

 65分、ミランはネスタが右の腿裏を痛め、ボネーラと交代。
 終盤は厳しいチェックの応酬になったが、スコアは動かず試合終了。
 バルセロナが勝ち点3を積み上げ1位通過を決め、したがってミランは2位での通過が確定した。