〜 準決勝 〜

'11/04/26,27 第1戦
'11/05/3,4 第2戦


Rマドリッド vs バルセロナ  シャルケ vs マンチェスターU


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―FIRST LEG―
 Rマドリッド 0−2  バルセロナ
メッシ 76、87

 クラシコ4連戦の3ゲーム目、1勝1敗で迎えた両チーム。
 ホームのマドリッドは今季UCL、このサンチャゴ・ベルナベウで5戦5勝15得点、無失点と圧倒的な強さを誇る。Cロナウド、エジル、ディ・マリアが前線に入り、中盤にシャビ・アロンソ、ペペ、Lディアッラ。左SBにマルセロ、右にアルベロア、CBをSラモスとアルビオルが務める。キーパーはもちろん、カシージャス。ケディラが負傷、カルバリョがサスペンションで不在。
 対するバルセロナはペドロ、メッシ、ビジャの強力な前線、シャビ、マスチェラーノ、ケイタの2列目、Dアウベス、ピケ、ブスケッツ、久しぶりのプジョールの最終ライン。キーパーはこちらも不動のビクトール・バルデス。

 序盤は両チームとも厳しいチェックで試合の主導権を握ろうとする。バルサが後方でしっかりボールを回し、マドリッドはボールを奪うと素早く仕掛ける。あまり無理をしないバルセロナに対し、ボールを追ってもバックパスでかわされるCロナウドあたりはフラストレーションがたまっている感じ。
 25分、マドリッド陣内右サイドでメッシが粘って中央に持ち込むと、Pエリア内に向けて縦にスルーパス。これに反応したシャビがゴール正面やや右から直接狙ったが、カシージャスがセーブ。
 38分にはボールのないところでペドロがアルベロアとの接触で倒れると、両チームの選手が主審に詰め寄り一時騒然とした雰囲気になる。
 イライラが募る中、チャンスらしいチャンスは両チームとも作れないまま前半終了。この時ロッカールームへと引き上げるマドリッドのアルベロアに対しバルセロナ控えキーパーのピントが手を出して、レッドカードを受ける事態に。

 後半、マドリッドはエジルからアデバイヨールに替えてきた。
 52分、センターライン付近でパスを受けたメッシがドリブルで中央突破を図ろうとしたところ、Sラモスが倒してイエローを受ける。これで次の試合出場停止。
 57分にペペがマスチェラーノからファールを受け、RマドリッドがFKを得た以降、マドリッドの出足がバルセロナのミスを誘い、マドリッドペースに傾く。また、それによりお互いファールが多くなり、審判にとって難しいシーンが続く。すると61分、ボールを追ったペペが足を上げたところ、Dアウベスの足に入る。主審が副審にコメントを受けたあとで、ペペにレッドカード。併せて、抗議をしたモウリーニョ監督も退席させられてしまう。

 このレベルで10人になることは非常に厳しいと、トッテナム戦でモウリーニョが同情していたように、この後いくらかマドリッドが奮闘したもののペースはバルセロナに。
 前の方でパスが通るようになったバルセロナは68分、左のビジャがアルベロアをかわしてシュート。カシージャスが弾いたボールにペドロが頭で合わせたが、枠をとらえず。
 76分、ついに均衡が破れる。メッシがドリブルで粘り、中央からシュート。これは3人ほどブロックに入り弾き返されたが、拾ったシャビが71分にペドロに代わって右サイドに入ったアフェライにパスを送る。アフェライは対峙するマルセロを縦にかわすと、Pエリアに持ち込んでゴール前へ鋭いクロスを放り込む。ニアサイドに飛び込んできたのは、メッシ。Sラモスがマークしていたものの、ドンピシャのタイミングだったため万事休す。カシージャスの足元からゴールに押し込んで、ついにマドリッドが今季UCLで初失点を喫した。

 そして87分、メッシが中盤からスピードのあるドリブルで中央突破、一気にCBアルビオルをもかわしてPエリアへ。マルセロ、Sラモスがチェックに行くも一瞬早くシュートをゴール左隅に流し込む。メッシのこの日2点目が決まった。

 試合はこのままアウェーゴール2つを奪ったバルセロナがマドリッドを下し、先勝。


―SECOND LEG―
バルセロナ 1−1  Rマドリッド
ペドロ 54 マルセロ 64

 4戦続いたクラシコの最後のゲーム。雨の降るカンプ・ノウのピッチは、かなり水を含むコンディション。
 Rマドリッドはモウリーニョ監督がベンチ外。ペペも退場で、Sラモスが累積により不在。イグアインがトップで先発。カカも2列目に名を連ねてきた。
 ホームのバルセロナは右足を痛めていたイニエスタが戻ってきた。そしてベンチには、なんと3月に肝臓の腫瘍除去手術をし、今季絶望とみられていたアビダルが戻ってきた。

 ゲーム序盤、点を取って勝つしかないマドリッドは第1戦と異なり積極的に前からボールに行く。
 五分五分の展開のまま30分が経過。その後、バルセロナにチャンスが訪れる。
 32分にはメッシが右サイドから中央に向かってドリブルしながらシュートまで持ち込む、メッシらしいプレーが出たが、GKカシージャスがしっかりとセーブ。
 34分、センターサークルでメッシがLディアッラからボールを奪取しそのままドリブル。Pエリア手前で左を走るビジャへパス、ビジャが右足でゴール右を狙ったシュートを放つも、ここもカシージャスがブロックし得点を許さない。
 37分、レアルゴール前に攻め込んだバルセロナ。左のビジャがPエリア内まで持ち込み、中央のペドロへパス。ペドロはこれをダイレクトで後方のメッシへ落とし、反応したメッシが正面からシュートを放ったが、これもカシージャスに止められてしまう。
 前半残りの時間帯でのバルセロナのチャンスシーンは、ことごとくオフサイドに引っかかり、0-0 のまま前半終了。結局前半を終わってみてのボール支配率は、いつも通りバルサが7割をキープした。

 後半開始早々の46分に、マドリッドにビッグチャンス。中盤の積極的なプレスからプジョルのミスを誘って反撃。Cサークル内でボールを受けたCロナウドがDアウベスをかわしてドリブル、ピケが止めに来たところで左を並走していたイグアインへパス。イグアインがきっちりシュートを決めて先制したかと思われたが、ピケのチェックで転倒したCロナウドが前を走るマスチェラーノに接触、これをマスチェラーノを倒したとしてファールの判定、ノーゴールとなってしまった。
 マドリッドペースの時間帯だったが、54分、バルセロナが先にゴールを奪う。中盤でボールを受けたイニエスタから、マークがずれてフリーとなっていたペドロに対し絶好のパスが通ると、ペドロはワントラップでPエリアに持ち込んでシュート。ついに均衡が崩れた。

 リードを奪われ3点が必要となったマドリッドはすかさずアデバイヨールを と変えて投入。さらに60分にはカカを下げてエジルをピッチへ送る。
 バルサのパスワークはさらに冴えわたり、マドリッドはファールでないとなかなかボールを奪うことができない中、64分にバルセロナの最終ラインでのパス回しをシャビ・アロンソがカットし、マドリッドにチャンス。ボールを拾ったディ・マリアが左からのマスチェラーノのスライディングをかわしてPエリアに持ち込むと、フリーでシュート。強烈なシュートは左ポストに跳ね返されてチャンスがついえたかに見えたが、再びボールを拾ったディ・マリアがゴール正面に入り込んだマルセロへパス、今度はマルセロのシュートが決まって、マドリッドが1点を返した。

 その後も球ぎわで激しいボールの奪い合いが続き、両チームとも決定的なチャンスを作り出せずに時間が経過。
 もはやマドリッドの逆転は厳しい状況となったロスタイム直前、バルセロナのグアルディオラ監督はプジョールを下げてアビダルを実践に投入してきた。そして間もなくタイムアップ。
 準決勝で敗れ去ることになったマドリッドがピッチを後にし、決勝に進んだバルセロナはピッチ上でアビダルを胴上げし、喜びを分かち合った。


―TOTAL―
Rマドリッド 1−3  バルセロナ



 
 






―FIRST LEG―
    シャルケ 0−2  マンチェスターU
ギグス 67
ルーニー 69

 ホームのシャルケはCBのヘーベデスを欠き、守りに不安を残す。エドゥとラウールの2トップ。右SBで内田が先発し、日本人初の準決勝の舞台となった。
 アウェーのマンチェスターはベルバトフが故障中。エルナンデスがトップ、ルーニー、パク・チソン、バレンシアがその下、ボランチにギグスとキャリックという、このところの布陣。

 開始早々、シャルケのバウムヨハンがファーストシュートを放ち、積極的な姿勢を示す。
 3分にはシャルケ陣内右サイドで内田とルーニーのマッチアップ。ルーニーは小刻みなドリブルで間合いを寄せてから中へと切り替えして内田の背後にボールを運び、右足でシュート。内田も反転してボールに反応したが、足に当てたボールがそのまま弧を描いてゴール右上へ飛び込みそうになる。しかしここはさすがのGKノイアーが見事なセーブで枠の外へ弾き出した。
 5分には同じく内田のサイドからパクが、6分には逆サイドのバレンシアからのクロスにファーサイドでエルナンデスが、それぞれシュートを放ってシャルケゴールへと迫り、早くもマンチェスターペースに。
 12分のシャルケの攻撃。右サイド中盤でボールを受けた内田からファルファンへ縦に絶妙なスルーパスが入ったが、ファルファンの折り返しは簡単にカットされてしまった。
 14分、マンチェスターはシャルケ陣内に攻め込むと、パク・チソンのパスにエルナンデスがオフサイドラインをすり抜け、ノイアーと1対1。ゴール正面やや左から足元のシュートを狙ったが、ここはノイアーのセーブに軍配が上がった。
 22分、シャルケは自陣中央でパパドプーロスがエルナンデスのチェックでボールを失うとこれをルーニーに拾われ、2対2のピンチを招く。Pエリア手前まで持ち込んだルーニーから右に回ったエルナンデスへとボールが渡るがシュートは打てず、折り返そうとしたボールをカットしピンチを逃れた。
 マンチェスターはDFラインの4人とボランチ2枚、それに両サイドMFも時折加わる守備ブロックを非常に狭い範囲で作り、シャルケの攻撃をシャットアウト。26分にはこの守備でボールを奪うと反撃、マンチェに比べ最終ラインに吸収された厚みのない陣形のシャルケは、ラインをあげたもののメッツェルダーがひとり引き気味となったことでオフサイドを取り損ないエルナンデスの突破を許したが、右のあまり角度のないところから放ったシュートは左へと外れた。
 1分後、マンチェスターは右CKからボールを繋ぎ、左に開いたヴィディッチからゴール前に折り返されたボールをギグスが頭で叩きつけたが、ノイアーが右手で跳ね返す。
 このあたりから、中盤もマンチェスターが支配するように。
 36分のマンチェスターの怒涛の攻撃。右サイドのバレンシアがギグスとのワンツーでPエリアに入り込んでエルナンデスに出したパスはシャルケにカットされたものの、再びエルナンデスが奪ってシュート。キーパーがブロックし弾いたボールを今度はPエリア内左にいたパク・チソンがダイレクトでたたきつけたが、今度は内田がスライディングブロックで跳ね返す。
 前半終了直前には、センターサークルのキャリックが縦に送ったボールをパク、ルーニーと続けて前に流し、簡単にギグスが抜け出す。ノイアーと1対1となったが、ここは奮闘するノイアーが最後まで見切ってシュートをブロック。
 ほとんどボールをキープできなくなったシャルケだが、なんとか前半を無失点で切り抜けて後半へ折り返す。

 後半もシャルケは流れを変えることができないまま、マンチェスターにボールを支配される。開始すぐ、マティプがイージーなクリアミスをリカバーしようとしてエルナンデスを蹴っ飛ばし、マンチェスターは左サイドでFKをゲット。ゴール前に蹴り込まれた鋭いボールにキャリックがヘッドで狙ったが、ノイアーにクロスバーの上へとクリアされた。
 48分にはバレンシアがルーニーとのワンツーで右サイドを突破、少しマイナス気味のボールを折り返し、ゴール正面やや左のギグスへ渡る。慌ててゴール前から詰める内田らを中への切り返しでかわしたギグスは右足でシュートを狙ったが、コントロールが定まらずに右に外してチャンスを逃す。
 後半10分も経たないうちにシャルケはバウムヨハンを下げて怪我明けのクルーゲを投入、中盤の支配率を高めようとするが、マイボールがつながらずキープできない状況が改善されず、サンドバッグ状態が続く。
 遂に堪えていた均衡が破れたのは67分。中盤でボールを受けたルーニーが少し溜めてから縦に走るギグスへと絶好のスルーを通す。寄せてきたノイアーの足元からギグスがシュートを流し込んで、マンチェスターに1点が入った。

 さらに2分後、今度はファン・デル・サールからのロングボールが右のバレンシア、中に入ったエルナンデスとつながり、最後はエルナンデスのスルーに反応したルーニーがシュートを決めてあっさりと2点目をゲット。
 たまらずシャルケは73分直前にイエローを受けた左SBサルペイを下げ、エスクデロをピッチへ送り守備の修正を図る。
 同じタイミングで、一方のマンチェスターは余裕からか、週末のアーセナル戦をにらみエルナンデス、とパクをアンデルソンとスコールズに交代。さらに80分過ぎにはルーニーも下げてしまった。
 終盤、前へと押し上げようとするシャルケだがそれでもボールがほとんど奪えず、翻弄され続ける。内田がクロスを放り込んでもなんのハプニングも起こらず、簡単にクリアされる。
 結局、力の差を最後まで埋められずに試合終了。マンチェスターが点差以上の完勝で、大きなアドバンテージを得た。


―SECOND LEG―
マンチェスターU 4−1  シャルケ    
バレンシア 26
ギブソン 31
アンデルソン 72、76
フラード 35

 アウェーの2ゴールで余裕のあるマンチェスターUのホームゲーム。国内リーグ戦、チェルシーとの大一番を控えていることもあり、この日のスタメンは第1戦からGKファン・デル・サール、右MFのバレンシア以外の9人を入れ替えてきた。
 FWにベルバトフ、ナニとバレンシアが両翼を担い、中盤はアンデルソン、スコールズ、ギブソン。左SBオシェイ、右SBラファエル、CBはエバンスとスモーリングが組む。
 ベンチにはギグス、エルナンデス、ビディッチ、エブラらが控えるが、ルーニー、キャリック、パク・チソン、Rファーディナンドらはベンチからも外れて休養となった。
 一方のシャルケは最終ラインにヘーベデスが戻ってきた。内田の左SBも不動。
 そしてスタンドには、前日に決勝進出を決めたバルセロナのグアルディオラ監督の姿が。隣にはなぜか原博実が(たまたまのようだけれど)。
 試合序盤は2点を取らないことには始まらないシャルケが、慣れない布陣のマンチェスターUを攻めたてる。ラウールに当ててからの組み立てを狙うが、マンチェスターUの固い守りに阻まれる。
 逆に、ゴールに近いところまで運ぶのはマンチェスター。26分にはフラードのパスミスからマンチェスターがボールを奪うと、中盤のギブソンが右サイドを上がるバレンシアへ絶好のパスを通す。バレンシアは最初のタッチでボールをPエリアに運ぶと、寄せてきたGKノイアーの足元からボールをゴールに流し込んで、ホームのマンチェスターが先制した。

 さらにその5分後、右サイド深い位置でスローインを得たマンチェスター。Pエリア内でDFを背負いながらボールを受けたアンデルソンが中へと走り込むバレンシアへボールを落とすと、バレンシアもワンタッチで少し後ろに引いたギブソンへ渡す。これをギブソンが強烈な右足シュートでノイアーのブロックをぶち破り、早くも追加点をゲットする。

 ここから少なくとも4点が必要になり、かなり厳しくなったシャルケ。マンチェスターは守りの際にはかなり引いてブロックを作るため、攻撃の際には人数をかけてマンチェスター陣内に攻め込む。すると34分、CBスモーリングのパスミスをインターセプトしたシャルケは右の内田にすかさず展開、内田はゴール真正面のラウールめがけ柔らかいクロスを放り込む。DFと競り合ったラウールがつぶれたところ、こぼれたボールに反応したフラードがシュートをたたき込み、ようやくマンチェスターから1点を奪った。

 この失点の直後、マンチェスターがシャルケゴールに攻め込むと、ゴール正面やや右でパスを受けたバレンシアがキーパーと1対1のチャンス。バレンシアは、飛び込んできたドラクスラーをやり過ごし、そこから対峙するノイアーをも揺さぶってコースを作るとシュートを蹴りこんだが、ゴールマウスに入ったヘーベデスにクリアされてしまった。

 後半への折り返しで、シャルケはバウムヨハンを下げてFWのエドゥを投入。50分過ぎにマンチェスターゴールに迫るが、あと一歩が足りない。
 55分のマンチェスターの攻撃。左サイドのナニがPエリア内に入り込むギブソンへスルーパス、受けたギブソンがマイナスのパスをアンデルソンへ送る。ゴール正面やや右の位置からアンデルソンが直接シュートを狙ったが、ここはノイアーが好反応を見せ、左手の指先でボールをかき出した。
 70分、シャルケはCBヘーベデスからFWフンテラールに交代、しかしこれが裏目に出る。72分、前掛かりになっていたシャルケがボールを奪われたところで、内田が成り行きから左サイドまでボールをチェイス。しかし中のナニにパスを通されてしまい、ドリブルで深いところまで持ち込んだナニから中央のアンデルソンへマイナスのパスが折り返される。何とか内田が戻りスライディングでボールをカットしたものの、すかさず起き上がったアンデルソンがボールを拾うと反転しながら左足一閃、ゴール左隅にシュートを押し込んだ。

 その4分後、右サイドのバレンシアから絶妙なDFの隙間を突いたスルーパスがベルバトフへと渡る。抜け出したベルバトフがゴール前に折り返したボールをフリーのアンデルソンが押し込んで、4点目がマンチェスターに入る。

 残り10分となり、内田も攻撃の際にはかなり高い位置をキープするようになるが、なかなか個人では打開できず。
 ロスタイムに入ったところで途中出場のオーウェンが惜しいシュートを放ったが、ノイアーにクリアされる。
 そしてタイムアップ。マンチェスターUがシャルケを一蹴、4度目のビッグイヤー獲得をめざし、バルセロナと戦うことになった。


―TOTAL―
   シャルケ 1−6  マンチェスターU