〜 第1節(Round1) 〜


グループD: バルセロナ vs パナシナイコス

グループE: バイエルン vs ローマ

グループG: レアル・マドリッド vs アヤックス

グループG: ACミラン vs オセール
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グループD

バルセロナ 5−1 パナシナイコス
メッシ 22、45
ビジャ 33
ペドロ 78
ダニエウ・アウベス 90+3
ゴブ 20

 今シーズンと来シーズン、UCLでは主審、線審(副審)2人、第4審判の体制に加え、両ゴール付近に副審を1名ずつ追加で配置し、ペナルティーエリア内で起きる出来事を重点的にチェックする実験を行うことが国際サッカー評議会で決定、この試合もさっそくゴールラインの外に副審が配置されていた。
 バルセロナのホームスタジアム、カンプ・ノウ、若干緩いピッチコンディションの中、ゲームスタート。

前半

 序盤からパナシナイコスは全員が自陣に引いてバルサの攻撃に耐える展開となる。だが、意にも反さないバルサは、いとも容易くパナシナイコスの隙間を縫ってパスをポンポンとつなぎ、完全にゲームを支配する。
 2分を回ったところ、Pエリア右サイドのペドロから折り返されたボールをメッシが頭でねらい、GKツォルバスが両手で弾いて阻止。
 6分、後方メッシからの縦パスをPスポット付近でイニエスタが落とし、走りこんだシャビがゴール右サイドを狙って放ったシュートも、GKが横っ飛びで弾く。
 11分には中央をドリブルでゴールに向かって走りこんだメッシがポストに入ったビジャにいったん当てて、リターンに直接左足を振りぬいたが、強烈なシュートはGK正面となり、防がれた。

 自陣に釘付けとなり攻撃の糸口すら見えなかったパナシナイコスだが、20分、GKツォルバスからのロングボールをシセがヒールでつないでバルサ最終ラインの裏に抜けたところへ、新加入のゴブが反応。そのままボールに追いつきざまにGKバルデスの脇を突いてゴールに流し込み、なんとワンチャンスで劣勢のパナシナイコスが先制に成功した。

 しかしこの日のバルサにとっては、このくらいの失点は何の問題にもならなかった。リスタートからたった2分後、いつものパス回しから中盤底のシャビにボールが渡ると、右サイドのメッシがシャビの手招きで近づくそぶりを見せる。パナシナイコスのSBがつられて前に出た瞬間、切り替えして背後を取ったメッシが縦にダッシュ。遅れるディフェンスのギャップを狙い澄ましたシャビのパスがメッシに通ると、前に出てきたGKをかわすようにボールをゴールへ蹴りこんで、あっさりとバルサが同点に追いついた。

 さらに33分、右CKのチャンスから、ゴール前のブスケッツが頭で流すと、これを後方のビジャがボレーシュート。早くもバルサが逆転する。

 35分、右サイドを突破したダニエウ・アウベスのクロスをニアのペドロが頭でファーサイドに狙ったが、わずかに枠の外。
 43分、ビジャが左サイドをドリブルで持ち込み中に切れ込みつつ中のペドロへパス。ペドロはさらにゴール正面のシャビへと渡し、Pエリア内でDFを引き付けたシャビがフリーで上がってきた右のメッシへとつないで、完全にパナシナイコスDF陣を崩すことに成功したが、メッシのシュートはクロスバーを叩いてしまった。

 だがその1分後、メッシが右から中央に向かってドリブルでゴールへ向かいながら、2つのワンツーを挟んで守りを固めるパナシナイコスの5人を抜き去り、ゴール右にシュートを押し込み3-1。
 前半はバルサが75%と圧倒的に支配して、終了。

後半

 後半もバルサのペース。54分にはメッシが縦への突破を倒されてファールとなり、PKをゲット。メッシ自身がPKを蹴ったが、ゆっくりとした助走からのシュートはGKとタイミングが合ってしまい、きっちり止められた。
 57分、再びメッシがPエリア右サイドを深くえぐってゴール前に折り返すが、中にいたビジャ、イニエスタとタイミングが合わず。
 59分にはメッシが右から中央にドリブルで持ち込み、Pエリアスポット付近のビジャへパス。ビジャはさらに前へと持ち込んだがシュートタイミングを逃してしまった。

 77分、左サイドでボールを受けた途中出場のボージャンが縦へのスルーパスを送り、ここに走りこんだメッシが角度のないところからシュートを選択。構えるGKの内側からゴールを狙ったところ、ボールは右ポストの内側を叩き、跳ね返りがさらに左ポストを叩く。このボールを、ゴール前に詰めていたペドロが押し込んでバルセロナに追加点が入った。

 直後にシャビを下げて、マスチェラーノを投入するバルセロナ。
 82分、ダニエウ・アウベスからパスを受けてゴール正面Pエリア内に侵入したメッシが、軽い切り返しでDFを揺さぶりそのままシュート。だが、GKがブロックし追加点を許さず。
 ロスタイムの93分、右サイドでボールを受けたメッシがまたもやドリブルで中に持ち込み、今度は早めに中央のダニエウ・アウベスへパス。Dアウベスはこれを直接メッシへ戻して縦へ走り込み、メッシがワンタッチからチップキックを放り込むと、DFラインを抜けたDアウベスがこれを頭でゴールに流し込んで、ダメ押しの5点目となった。
 この直後にホイッスルが響き、バルサの完勝となった。




 
 
グループE

バイエルン 2−0 ローマ
ミュラー 79
クローゼ 83

 昨シーズン準優勝のバイエルンが2シーズンぶりの登場となるローマを迎えた一戦。
 バイエルンは昨年の主力をそのままに今シーズンを迎えた。ただしWカップ3位のドイツ、2位のオランダの代表選手が多く含まれ、コンディション不足が心配される。ロッベンは怪我により長期離脱中。リベリは昨シーズンの持ち越しで出場停止。
 オリッチのワントップ、2列目にミュラー、クロース、アルティントップが並ぶ。
 ローマは新加入ボッリエッロとトッティの2トップで臨む。

 前半はバイエルンが7割近いポゼッションをみせるもローマの守りを崩せず、膠着したまま終了。
 後半もバイエルンペース。ローマは引いて守り、敵陣にボールを運ぶことすらままならない。
 54分、クロスのシュートはGKジュリオ・セルジオがワンハンドのチップで逃れた。
 56分にもクロースが強烈なシュートを放ち、ローマのブルディッソに当たってDFラインの裏にこぼれたところをミュラーが素早く反転、シュートするが、至近距離で反応したGKが片手でクリアするスーパーセーブ。
 62分にもクロスにPエリア内からGK正面のシュートを許すなど、いつ失点してもおかしくない一方的な時間帯が続く。

 67分、バイエルンはオリッチとアルティントップを下げ、ゴメスとクローゼのFW2枚を投入。
 78分、右からのクロスにクローゼが頭で合わせたが、山なりのボールは左ポストを叩いてゴールならず。
 その直後、Pエリア内右サイドでパスを受けたミュラーが、右のアウトサイドを使ってダイレクトでゴール左を狙うと、このシュートはポスト内側を叩いて決まり、ようやくバイエルンがローマゴールをこじ開けた。

 失点から1分後の80分、今度はローマにビッグチャンス。ハーフライン付近のピサーロがバイエルンDFラインの裏にほうり込んだボールに、走り込んだのはボッリエッロ。後方からの浮き球をうまくトラップ、すかさずゴールへ流し込もうとしたが、バイエルンGK・ブットが右足に当てて、同点のチャンスを阻止されてしまう。
 83分、ローマゴール正面やや右、25m程の位置でクローゼがファールを受けてFKをゲット。バドシュトゥバーが左足で巻くようにゴール前に放り込んだボールへ、走り込んだクローゼがGKがキャッチする直前、右足を高く上げてコースを変え、ゴール。バイエルンに大きな追加点が入った。

 その後ローマは攻めに出るもののチャンスを作るには至らず、ロスタイムには逆にゴメスにきわどいシュートを許すなどして危うく点差が開きそうだったが、スコアは動かず試合終了。バイエルンが幸先よく勝ち点3を手にした。




 
 
グループG

Rマドリッド 2−0 アヤックス
アニタ 31(own)
イグアイン 73

 昨シーズン、インテルでビッグイヤーを獲得したモウリーニョがレアル・マドリッドに就任後、初のUCLの対戦相手は、アヤックス。今期のレアルは監督のほかに、チームの象徴的存在だったラウールとグティを放出し、旬のドイツ代表、エジルとケディラ、チェルシーからカルバリョなどを獲得している。
 対するアヤックスは5シーズンぶりのUCL参戦。ウルグアイ代表としてWカップで活躍したFWスアレス、CBの中心選手ヴェルトンゲンがプレーオフの際の累積イエローにより、不在。
 GKはスペイン代表カシージャス、オランダ代表のステケレンブルフと、W杯決勝再現の顔合わせとなった。

前半

 立ち上がりからレアルが攻撃のプレッシャーをかける。イグアインやエジルが何度かアヤックスゴールを脅かす。アヤックスは引きすぎることなく高い位置からボールを追いかけ、マイボールにはパスをつないで攻撃を組み立てるが、フィニッシュのアイデアが見えず散発。
 17分、イグアインのシュートはクロスバー直撃。
 その後も圧倒していたレアルは31分、ついに左CKからオウンゴールを誘って先制。
 34分、高い位置をとり続ける左SBのマルセロがドリブルでPエリア内へ侵入、GKを引き付けてから右へとボールを送る。ここに走り込んでいたイグアインはタイミングが合わず、さらに右にいた今季加入のMFディ・マリアがシュートを放つが、枠を超えた。

後半

 後半も波状攻撃を仕掛けるRマドリッドは51分、Cロナウドが左サイドでボールを拾い、そのままスピードに乗って抜け出しPエリアに持ち込んでからシュートまでつなげたが、決定的な場面でGKステケレンブルフが素早く飛び出しブロック、ピンチを救う。
 押し気味ながらなかなか追加点を決めれなかったレアルだが、73分、ゴール前でのディ・マリアのDFライン裏へのチップキックにエジルが抜け出し、角度のない左サイドからシュート。一度はGKに弾き返されるが、再び拾ったエジルがゴール前に折り返したところをイグアインが押し込んで、ようやく2点目が入った。

 イグアインは76分にも、アヤックスが攻めに出ているところに自らのパスカットで逆襲の糸口を作ってハーフライン上でパスを受けると、そのままドリブルで持ち込み2対3のカウンター。Pエリア直前でブレーキをかけ、並走していたCロナウドへボールを預けると、自身は右から左に走りこむ。そこへロナウドからパスが戻り、イグアインが折り返すようにゴール右サイドを狙ってシュートを放ったが、惜しくも枠の外だった。
 その直後にアヤックスに初のビッグチャンス。右サイドを持ち上がったエマヌエルソンがそのまま中に絞り込むと、Pエリアの少し手前から意表をついて左足一閃。ボールは軽く曲がりつつゴール左上へと向かったが、クロスバーを直撃する。後ろを取られる形となって倒れ込んだGKカシージャスだが、その回転の勢いのまますかさず立ち上がると、跳ね返りの浮いたボールにダイレクトで反応したスレイマニのシュートを右手でブロック、ファインセーブをみせた。
 返す刀、今度はレアルが逆襲。左サイド中ほどでボールを受けたCロナウドがゆっくりしたドリブルからキュッと中へ切り込み、思い切ったミドルシュートを放つ。ゴール右隅を狙って低く速くGKの手前でバウンドするシュートだったが、これはGKステケレンブルフが横っ飛びで反応、ボールを外に弾き出した。
 88分、Cロナウドが中央をドリブルで持ち込み右のイグアインへと展開。Pエリア内へ縦へと抜けたイグアインがゴール前に折り返すと、走り込んでいたロナウドはがら空きのゴールにボールを押し込むだけだったが、これを空振り。この日は結局ゴールを挙げることはできなかった。

 しかし試合はこのままのスコアで終了。Rマドリッドが勝ち点3を手にした。




 
 
グループG

ACミラン 2−0 オセール
イブラヒモヴィッチ 66、69

 今シーズンの死のグループ、G。オセールに対して取りこぼしをしないことが、勝ち上がりのポイントとなりそうだ。
 ミランはイブラヒモヴィッチを真ん中に、右にパト、左にロナウジーニョの3トップ。チアゴ・シウバは怪我のため不在。インザーギ、ロビーニョがベンチに控える。

前半

 オープニングシュートはオセール。3分にミドルシュートが放たれたが、GKアッビアーティがしっかりとキャッチ。
 その後もミランの小さなミスが続き、5分には自陣Pエリア内でボールを奪われ、シュートを撃たれてしまう。
 7分あたりから落ち着きはじめたものの、15分にはアンブロジーニが膝を痛めて、早くもボアテングとの交代のカードを切ることに。
 22分、オセールは右CKのチャンスでヘディングシュートを惜しくもゴール左上角に当て、ミランを脅かす。
 その1分後にはミランにチャンス。中盤左サイドのセードルフから前線のロナウジーニョへグラウンダーのパスが蹴り込まれ、これを受けに戻ったロナウジーニョは意表をついてヒールを使ったダイレクトのスルーパスを縦へと送る。左外を駆け上がっていたアントニーニがこのボールに追いついてマイナス気味に折り返したところを、ボアテングがゴール正面でシュート。しかしこれはDFがクリア。だがミランはもう一度このボールをピルロが直接Pエリア内のパトへパス、ワンタッチからパトが放ったシュートは、これもまたDFに当たって枠を外れた。

 ロナウジーニョやパトに比べ目立たなかったイブラヒモヴィッチだが、30分を過ぎた辺りから長いボールが時折入るようになる。だが、そこからチャンスを作り出すには至らない。
 39分にオセールのカウンター。ミランのCKを防いで速攻から3対2、さらに後方からすごい加速で加わったオリエチュが一人かわして4対1の状況になったが、右サイドの苦しい位置からランジルがシュートを選択。ボールは上へと外れ、中に2枚余っていただけに大きなチャンスを逃してしまう。
 試合が締まってきたところでハーフタイム。

後半

 後半開始早々ミランにチャンス。左サイドでボールを受けたロナウジーニョがゴールに向かってカーブするボールを放り込んだところへ、走り込んだパトが軽く足に当ててゴールを狙う。だが、GK正面となってしまった。
 53分には左に流れてボールを受けたイブラヒモヴィッチがドリブルで中に持ち込みながら2人かわし、マイナス気味にピルロへとパス。ピルロはワントラップからミドルシュートを狙ったが、DFに当たってわずかに左に逸れた。
 さらに、続く左のショートコーナーから、ロナウジーニョからの絶妙なパスをニアで受けたアントニーニがさらにゴール前にボールを折り返したが、イブラヒモヴィッチは反応できず、ファーサイドから放ったボアテングのシュートもDFに阻まれる。
 55分、ミランはパトを下げてロビーニョを投入。そのあと、ミランのパス回しのテンポいい時間帯が続くが、いいところでセードルフのミスが続き、流れが切れてしまう。

 後半も20分を経過したところで、左サイドのロナウジーニョがまた右足で巻くようにゴール前にボールを放り込み、ニアに入ったボアテングが頭で擦らすように中へと落とすと、ここに詰めていたのはイブラヒモヴィッチ。伸ばした右足で難無くボールをゴールに押し込んで、ついに均衡が破れた。
 そしてその2分後の69分、オセールがミラン陣内に攻め込んでいたところでピルロがパスをカット、こぼれたボールをロビーニョがロナウジーニョにつないで、一気にカウンターへ。中央をドリブルで持ち込んだロナウジーニョはPエリア手前でDFが寄せてきたところで左にボールを叩くと、並走するイブラヒモヴィッチがDFの足元を抜いて冷静にゴール右にボールを流し込み、あっという間に2点をたたき出した。

 74分、左サイドでロナウジーニョとセードルフのコンビでボールを回し、そこからファーサードを入り込むボアテング目掛けてロナウジーニョから絶妙なボールが入る。ボアテングはゴール正面でボレーを試みたが失敗、点差を広げることができない。
 83分、オセールにチャンス。右サイドでボールを受けたオリエチュがドリブルで中へと絞ると、ワンツーを挟んで一気にPエリアに踏み込んでシュート。だが、ここはGKアッビアーティが横っ飛びで弾き、ピンチを救う。続くCKではボールがミランゴールを揺すったが、これはオフサイド。
 そして試合はこのまま終了。イブラヒモヴィッチの2ゴールで、ミランが勝ち星をあげた。