〜 決勝 〜

'11/05/28
イングランド ロンドン、 ウェンブリー・スタジアム





   バルセロナ  3−1  マンチェスターU
ペドロ 27
メッシ 54
ビジャ 69
ルーニー 34

 2シーズン前の決勝と同じ顔合わせとなった。両チームとも、4度目の欧州制覇を賭ける。絶好のピッチコンディションで決勝を迎えることになった。
 ホームユニホームのバルセロナのスターティングメンバーはGKバルデス、CBにピケとマスチェラーノ、左に腫瘍の手術を克服したアビダル、右Dアウベス。中盤底にブスケッツ、その前にイニエスタとシャビを配し、前線はメッシ、ビジャ、ペドロが並ぶ。プジョールはまだ万全でないのか、ベンチスタート。
 白をベースにしたユニフォームのマンチェスターUのスタメンは、この試合で引退するGKファン・デル・サール、CBにファーディナンドとヴィディッチ、左にエブラ、右はファビオが入る。中盤をギグスとキャリックが固め、左にパク・チソン、右にはバレンシア。ルーニーとエルナンデスが前線を務める。ベルバトフがベンチにも入らず。


前半


 前半はマンチェスターのキックオフでスタート。立ち上がりから両チームとも積極的にボールを取りに行く。プレッシャーの厳しい中、細かいパスを狙うバルセロナと、縦に素早く運ぶマンチェスター、それぞれが持ち味を出して攻撃を組み立てようとする。
 8分、マンチェスターはGKファン・デル・サールがバルサゴール前にロングキックを放り込み、ルーニーがマスチェラーノを追い越しボールに追いつきそうになったが、GKバルデスがPエリアギリギリまで飛び出しパンチング、難を逃れる。
 10分にはバルサのミスからCサークル内でマンチェがボールを奪うと、すかさずギグスが前線へスルーパスを蹴りこむ。走り込むエルナンデスに対し先に追いついたピケがバックパス、だがGKバルデスも飛び出しており慌てて足で跳ね返し、オウンゴールにならずに済んだ。
 11分にバルセロナのファーストチャンス。中盤からの縦パスをビジャが下がりながらワンタッチでメッシにはたき、すかさず反転。前を向いたメッシからPエリア内にボールが出てビジャがシュートまで持ち込んだが、ファーディナンドがしっかりとコースを塞ぎブロックした。
 この後、バルセロナがマンチェスター陣内で細かいボールを回し、マンチェスターが守備のブロックを作ってしっかり守る、それぞれの得意の形となる。
 するとバルセロナは15分、右サイドを上がったDアウベスが寄せてきたパクをかわして中へと持ち込み、そこからメッシ、ビジャと次々ボールが渡ってマンチェスターの守備陣を崩す。最後は右に開いたシャビからゴール真ん前に入り込んだペドロへ柔らかいボールが通ったが、シュートはゴール右に外れてしまった。
 20分にはビジャがミドルシュートを狙ったが、ゴール右外。1分後にはシャビからのパスをPエリア内右で受け、エブラをかわすようにシュートを狙ったが、力なくファン・デル・サールにキャッチされた。
 22分、イニエスタが中央を持ち込み一気に攻勢へ。3選手がゴール前に走り込むところ、右のメッシへパスを出す。だがここはヴィディッチがしっかり見ており、ドリブルに入ったところをスライディングでボールカット。
 あえて速攻を選択せず、しっかりしたボールつなぎで攻略を狙うバルセロナ。一方でパクを筆頭にマンチェスターの選手は走らされており、またDFラインも低い位置からなかなか上げることができず、どうしても攻撃は速攻主体となる。
 すると27分、バルセロナのシャビが中央をドリブルで持ち込み、またもやFWの3人がゴール前中央に寄せてくると、マンチェスターのDF陣も中央に固まる。そこで右に流れるペドロへシャビからパスが通り、前を向いたペドロがビディッチが寄せる前にシュート、ゴール右隅にボールを押し込みバルセロナが先制した。

 この失点の後も押し込まれるマンチェスター。しかし33分、バルセロナ陣内右サイドでボールを奪うと、ルーニーがゴールに向かってドリブル。Pエリア内右をうかがうギグスへボールを当て、自身がPエリア内に走りこんだところでボールが戻されるとダイレクトシュートをバルサゴールに蹴りこんで、早い時間に振出しへ戻すことに成功した。

 43分のバルセロナ。メッシがCサークルでパスを受け、寄せたヴィディッチをかわして中央をドリブル。Pエリア手前で右のビジャへボールを展開、ビジャはPエリア内で再びゴール前へと折り返す。メッシがここに飛び込んだが、惜しくもボールに届かず流れてしまった。
 そして、ここで前半が終了。


後半

 後半、メンバーは変わらずスタート。
 ほどなく前半同様バルセロナがマンチェスター陣内でボールを回し、マンチェスターの守備ラインを下げさせる展開となる。
 守備ブロックを作ってしのいでいたマンチェスターだが、54分、メッシがドリブルで仕掛けてゴール正面から20mの鋭いシュートをゴール右に押し込んで、バルセロナが勝ち越しに成功する。

 ビハインドとなったマンチェスターは、いくらか前からもボールを追うようになったものの、バルセロナペースは変わらない。
 64分には中盤でイニエスタとメッシが近い距離のパス交換でギグスとキャリックを翻弄、かわしたメッシがボールを前に運びシャビに渡すと、マンチェスター守備陣が中央に引き付けられた右サイド裏を狙うDアウベスへ浮き球のパスが入る。Pエリア内フリーとなったDアウベスは、ゴール前ニアサイドのメッシへパス。メッシはヒールを使ってゴールを狙ったが、これはファビオがクリアした。
 しかしこの時ファビオが足を痛め、なかなかマンチェスターがボールを奪えなくなったこともあって、69分にナニと交代。
 その直後、右サイドライン際でパスを受けたメッシが、ボールを止めた状態からのフェイントでつられて飛び込んだナニをかわして一気に縦に抜けると、Pエリア内へ突入。ここでいったんマンチェスターにボールを奪われたが、こぼれたボールをブスケッツがPアークのビジャへとつなぐ。ビジャはトラップからゴール右隅を狙った柔らかいシュートを決めて、大きな1点を加えた。

 76分にマンチェスターは2枚目のカードで、キャリックに替えてスコールズをピッチへ。残り時間が少なくなるにつれ、マンチェスターは前掛かりになり、受けるバルサは時間をかけてプレー。
 ロスタイムの3分間も流れが変わることなく、試合終了。
 バルセロナがポゼッションサッカーを貫いてマンチェスターUに完勝、4度目のヨーロッパチャンピオンに輝いた。