〜 第4節(Round4) 〜


グループC: ACミラン vs レアル・マドリッド
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グループC

ACミラン 1−1 レアル・マドリッド
ロナウジーニョ 35(PK) ベンゼマ 29

 第3節終了時で勝ち点6ずつの両チーム。前節ホームでミランに苦杯を喫したマドリッドが、今度はアウェーのサン・シーロに乗り込んでのゲーム。
 ACミランのスタメン、トップにはボリエッロを使ってきた。左にパット、右にロナウジーニョ。中盤にはピルロ、シードルフ、アンブロジーニという布陣。インザーギはベンチスタート。
 マドリッドはイグアインとベンゼマを中心に、右に移籍後初めてサン・シーロに戻ってきたカカ、左にマルセロを配す。ベンチにはラウール、ファン・デルファールト、そしてファン・ニステルローイ。グティは監督との確執がうわさされる中、遠征メンバーから外された。

前半

 序盤はマドリッドがややペースを握り、シュートで終わる攻撃を幾度か見せるが、ゴールには今一歩。しかしミランの攻撃に対しては、キーマンのパットとロナウジーニョにボールが入るところを厳しくチェック、これがうまくはまって効果的に勢いを削いでいた。

 そんな中でもロナウジーニョは18分、左サイドセンターライン付近でボールを受けると、レアルのディアッラを背負った状態からゴール前に絶妙なボールを放り込む。ここにパットが走り込んできたが、なんとかマドリッド守備陣が踏ん張って、パットからボールを奪った。
 20分のマドリッドの攻撃。右のCKをいったん下げてボールを回し、左サイドのPエリアに入ったところでベンゼマがボールを受ける。ベンゼマはネスタにくっつかれながらも、左手で遮りながらすかさず反転してシュート。だが、おしくもコースは右に外れた。
 24分、マドリッドが左サイドから攻めていたところをミランがインターセプト、すかさずカウンターに持ち込む。ボールを拾ったセードルフがドリブルで中央を持ち込み、その前にはボリエッロ、左にロナウジーニョ、右にパットと、4対3の状況。そして、手薄になった右のパットへセードルフがパス。パットは右足で一つフェイントを入れてDFをかわし左足でゴールを狙ったが、ここはGKカシージャスが正面でボールをブロックした。

 29分、マドリッドにゴールが生まれる。左サイドでボールを受けたカカが緩急のあるドリブルで中央に絞り込み、20M強の位置から低いシュートをけり込む。ボールはDFに当たってバウンドする形となったが、GKヂダが倒れ込みながらもなんとかこれをブロック。しかし右方向に転がったボールに詰めていたのは、ベンゼマ。ベンゼマはあまり角度のないところから、ヂダが寄せてくる前にシュートをゴールに叩き込み、アウェーで先制することに成功した。

 だがその5分後、今度はミランが得点を挙げる。34分、ミランはセットプレーの早いリスタートからボールをつなぎ、ザンブロッタがPエリア左サイドに持ち込んでゴール前のロナウジーニョにパスを狙ったところ、スライディングでブロックを狙ったDFペペの手にボールが当たってPKの判定。
 これをロナウジーニョが豪快にカシージャスが飛んだのと逆サイドのネットを揺さぶって、ミランが早々に追いついた。

 さらに36分、中盤でピルロがファールを受けると、これもすかさずリスタート、右サイドを上がっていたパットにロングパスを送る。パットはDFアルベロアとの競り合いを制して胸のトラップでボールを落とすと右足一閃、見事ボールを逆サイドのポスト内側に当ててゴールを決めたかに見えたが、直前のプレーでファールという微妙な判定を受け、ノーゴール。
 2分後のマドリッドの攻撃でも若干不可解な判定が。左サイドをカカがスピードのあるドリブルで突破しようとしたところを、ミランのオッドが体を預けて倒れ込みながらカカをも引き倒したが、イエローが出るかと思いきやノーファールだった。

 この後、ロナウジーニョとパットへのマークが外れだして、両者の動きが目立つようになる。特にロナウジーニョは守備にも下がって貢献するなど、この試合への意気込みが感じられる。
 このまま前半は互角の展開、ただしデータ的にはマドリッドが5倍ものシュートを放つ内容で終了。
 
後半

 後半も両チーム集中したゲームを展開。しかしどちらかというと、ミランの選手の方が個々の特徴を生かしたプレーでゲームを面白くしている。ロナウジーニョは、ミラン陣内でパスを受けたカカからボールを奪うなど、気分良くプレーできているようだ。
 63分にはロナウジーニョとセードルフが、鮮やかな連係プレーを魅せる。
 マドリッド陣内深い位置でボールを持ったロナウジーニョがセルヒオ・ラモスに左サイドサイドライン際まで追い詰められたところへ、セードルフが後方からフォロー。ロナウジーニョはセルヒオ・ラモスに手で押されながらも、ボールを失うこともラインを割ることもなくキープし、さらにディアッラもチェックに行こうとした段階で、チョンと浮かせたパスをセードルフへ送る。
 セードルフにはカカがついていたが、ディアッラもフォローに向かった瞬間、セードルフはヒールでロナウジーニョへボールを渡し、自らは中へと走り出す。するとロナウジーニョもこのボールを直接ヒールでつなぐワンツーで応え、3人の守備を振り切ってセードルフが抜け出すことに成功。
 だが、セードルフの前にシャビが飛び込んでドリブルをブロック、チャンスにつなぐことはできなかった。

 66分にミランは右サイドでFKのチャンス。ピルロがゴール前に絶妙なボールを放り込んだが、先にマドリッドの選手が頭でクリア。
 両チーム通じて最初の選手交代は、マドリッド。75分にイグアインに代えて、ラウールを投入した。
 対するミランは79分、ボリエッロに代えてインザーギをピッチに送る。
 すると3分後に今度はマドリッドがベンゼマとファン・ニステルローイを交代させて、攻撃の活性化を図る。

 83分にミランのチャンス。右サイドでボールを受けたパットがゴール前にクロス、このボールをヒールでクリアしようとしたペペが空振りし、ボールは裏に走り込んでいたインザーギの元へ。だが、ペペがブラインドとなっていたため、インザーギもミートすることができずにゴールキックとなってしまった。
 インザーギは直後にもDFの裏を取って抜け出すなど(シュートはサイドに外れた)、本領を発揮。
 やや押され気味のマドリッドは89分、カカがボールを持つもパスの出しどころがなく遅攻となったが、ボールを回して展開を探った後、左サイドから素早い横パスを蹴り込む。これを手前にいたマルセロがスルー、後ろにいたラウールがゴール正面でワントラップからシュートを狙う。しかしここはヂダが素早く反応し片手でボールを弾き、ゴールを守った。

 その後の2分弱のロスタイムでも決着がつかず、引き分けで終了。
 強豪同士にふさわしい内容のゲームだった。