〜 第3節(Round3) 〜


グループC: レアル・マドリッド vs ACミラン
グループF: バルセロナ vs ルビン・カザン
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グループC

レアル・マドリッド 2−3 ACミラン
ラウール 19
ドレンテ 76
ピルロ 62
パット 66、88

 ビッグクラブ同士の好カード。過去11戦の戦績は、5勝5敗1分けとまったくのイーブンで、お互いホームでの敗戦はない。
 雨のぱらつく中でのゲーム。マドリッドはCロナウドが怪我のため不在。ラウールとベンゼマの2トップに、右にカカ、左をグラネロが務める。
 アウェーのミランはロナウジーニョ、インザーギ、パットの3トップ。意外なことに、ラウールとインザーギはピッチでは初の顔合わせ。今期ミランから移籍してきたカカは、早くも古巣との対決を迎えることになった。

前半

 代表選手を多く抱える両チームは、Wカップ予選が続いて間もないこのゲーム、コンディションがベストとは言えないはずだが、序盤からレベルの高い攻防が展開される。
 ミランは、インザーギやパットにDFラインの裏を狙わせるロングボールで、マドリッドの牙城を崩しにかかる。
 ファーストシュートはマドリッド。右のセルヒオ・ラモスがファーサイドに走りこむグラネロへクロスを放り込み、グラネロが足を延ばしてあわせたが、ボールはGKがキャッチ。
 14分、右に開いてボールを受けたベンゼマがミランDF・ザンブロッタと対峙しながらPエリアへ。1回縦にまたぐフェイントを挟んでザンブロッタの崩し、再び縦への突破を図ると、反応が遅れたザンブロッタに背後からスライディングをくらい、倒される。ボールをブロックしに行った足にチャージされた格好だったが、PKにはしてもらえなかった。

 不調が続いていたミランのロナウジーニョだが、このゲームは復調の気配。セルヒオ・ラモスに割とタイトなマークに付かれながらも、時折魅せるプレーが光る。

 19分、思わぬプレーでゲームが動く。
 マドリッドのグラネロがゴール正面から放ったシュートを、GKヂダは両手でやすやすとストップ。だが、ワンバウンドさせた後のキャッチでミスが出てしまう。誰もがシュートを止められたところで攻撃が切れたと戻りかけていたところ、ただ一人集中を切らさずに抜け目なく狙っていたのがラウールだった。
 ヂダが前にこぼしたボールを拾おうとあわてているところに、ラウールがすかさず詰め寄って足を伸ばしこれを奪うと、右に流れながら体をひねってシュート。ボールをゴールに流し込み、マドリッドが先制した。

 36分、マドリッドは右のセルヒオ・ラモスがオーバーラップ、Pエリアわずか外からゴール前にけりこもうとしたボールをDFザンブロッタがPエリア内で腕でブロック。しかしこれも判定はなくスルーされた。
 前半の終盤はマドリッドがミランゴールにたたみ掛けるが、ミランも集中して守る。ロスタイムにはマドリッドのDF・マルセロが強烈なミドルシュートを放ったが、ヂダが横っとびのパンチングではじき返す。前半は、ヂダのミスによる1点のみで終えた。
 
後半

 後半の5分を回ったところ、左に開いてボールを受けたカカがドリブルで仕掛け、DFマッシモ・オッドをかわしざまにシュートを狙ったが、ヂダが素早く反応、左手のパンチングでゴールを守った。
 この後、攻守の切り替えが早くなるが、ミランは攻撃で粗さが目立ち、マドリッドゴールになかなか近づくことができない。
 ミランは60分にインザーギを下げ、ボッリエッロを投入。ボッリエッロが何をしたわけではないが、この交代からミランに流れが傾くことになった。
 2分後、淡々とした流れの中で、ミランのピルロが意表を突くロングシュートを選択。このボールが揺れながらゴール左に直接飛び込み、反応したGKカシージャスが触ることもできず、ミランが同点に追いついた。

 さらにその4分後、マドリッドのカウンターを中盤で止めたアンブロジーニが、手薄になっていたマドリッドDFラインの裏を狙うパットに向かってロングボールを放り込む。絶妙なボールにGKカシージャスが飛び出してしまうが、雨の影響もあってか目測を誤り、Pエリア外のため手を使うことができずにボールはそのまま流れてパットの元へ。パットは無人のゴールにボールをけりこみ、ミラン逆転。
 ここでたまらず、マドリッドはグラネロに変えて馬力のあるドレンテを投入し流れを引き戻しにかかる。
 すると76分、マドリッドが得た右のCKの際に、やや後方にいたドレンテにボールが出ると、左足でグラウンダーのシュートをゴール右隅に叩き込んで、ゲームを振り出しに戻した。

 直後の77分のミラン。後方左ライン際ででピルロが粘ってボールを前方のロナウジーニョへつなぐと、ロナウジーニョはドリブルで駆け上がり、寄せてきたDFペペを緩急をつけて置き去りにしたうえでセンタリング。ゴール前でDFマルセロがクリアしたボールはそのままミランへのチャンスボールとなったが、セードルフはシュートを大きくふかしてしまった。
 85分、ピルロがマドリッドのディアッラをターンフェイントでかわしてからミドルシュート。これがDFに当たってゴール正面右寄りのパットの元へ渡ると、パットはワントラップから右足一閃。だがここはGKカシージャスが右足でブロック、ピンチを救う。
 続くミランのCK。ロナウジーニョのボールにチアゴ・シウバが飛び込み頭で決めたかにみえたが、チャージと判断されてノーゴール。この判定に選手たちが詰め寄り、そこにラウールに対してロナウジーニョが後方から手で突きかかったことで騒然とした雰囲気に。結局、ラウールとロナウジーニョ、さらにネスタに対してイエローが出て収まった。

 88分、ミランは右サイドでパットがボールを受け、飛び込んできたドレンテをかわしてドリブルで前へ。さらにアルビオルをも抜きにかかるが失敗、こぼれたボールを中央のロナウジーニョが拾い、さらに左のセードルフへと回す。
 Pエリア内でパスを受けたセードルフは動きを止め、目の前に立ちはだかるセルヒオ・ラモスとペペをうかがう。誰もがこのボールに意識が集中したところで、セードルフはふわりとゴール前ファーサイドにボールを放り込む。一番後ろでフリーとなっていたのは、パットだった。オフサイドラインもしっかりと見極めて、パットはセードルフからの柔らかいボールを右足のボレーで叩き込み、再びミランが勝ち越した。

 そしてこのままゲームは終了。ミランがマドリッドからアウェーで大きな勝ち点3を挙げた。
 同じカードとなる次の第4節、Cロナウドやグティが戻ってくると思われるマドリッドとの好勝負が期待される。




 
 
グループF

バルセロナ 1−2 ルビン・カザン
イブラヒモビッチ 48 リャザンツェフ 2
ギョクデニズ 73

 ディフェンディングチャンピオンのバルセロナが、ホームにUCL初出場のロシア王者・ルビンを迎えた一戦。
 ルビンという相手のゲームのせいか、カンプ・ノウの客の入りは少なめ。W杯予選などが続き、3日前に行われたアウェーのバレンシア戦では辛くもスコアレスドローでリーガでの連勝が止まるなど、ややチームは下降気味。コンディションがイマイチなイブラヒモヴィッチとメッシがスタメンに名を連ねた。アンリは故障で不在。
 対するルビンは初戦のDキエフ、第2戦のインテル戦と、2戦連続ゴールを挙げているアルゼンチン人ストライカー、ドミンゲスがトップを務める。
 ここまでバルセロナは1勝1分けの勝ち点4、対するルビンは前節インテルと引き分けるサプライズで勝ち点1。

前半

 バルサボールで前半スタート。そして1分もしないうちにルビンゴール前にイニエスタが強引に突破していくが、どうにかルビンが防ぐ。
 ルビンがこのままコテンパンにやられるかと思いきや、ルビンGKからのパントキックをバルサDF・マルケスがトラップミス、こぼれたボールをルビンのリャザンツェフが30M強のダイレクトシュートを打ちこむ。GK・バルデスの意表を突いたシュートはゴール右ポストをたたいてネットに吸い込まれ、なんとわずか2分でルビンがバルセロナから1点を奪取した。

 4分、バルサは中盤イニエスタからの絶妙なスルーにイブラヒモビッチがオフサイドをかいくぐって抜け出し、Pエリア左サイドに突入。右足でゴールファーサイドを狙ったが、GKがワンハンドでブロック。
 10分には右サイドを突破したメッシからのクロスがゴール正面のイブラヒモビッチに渡ったが、ボレーはミートできずにGKにキャッチされてしまう。
 バルセロナはいつものような流れる展開ができずに、ペースをつかめないままゲームが進む。
 24分、右のDアウベスからのセンタリングにファーサイドのPロドリゲスが頭で狙ったが、ここもGKにはじき出されてゴールならず。39分にメッシの20m弾もGKが横っ跳びでブロック。
 そしてルビンが1点リードのまま、前半を終了。
 
後半

 後半のルビンは、リードを守ろうという引き気味の立ち上がり。するとわずか3分で、Pエリア内に走りこんだイブラヒモビッチの元へ中盤のシャビからボールが入り、胸のトラップでボールを落とすと、やや右の角度からゴール左サイドの対角線上にシュートを叩き込んで、バルサがあっさりと同点にしてしまった。
 この後も、バルサが攻めてルビンが守る展開でゲームが進むが、バルサは追加点には至らない。

 そんな中で73分、攻めていたバルサのボージャンの横パスがルビンの選手に当たって自陣方向に跳ね返ったボールを、ルビンのドミンゲスにセンターサークルで拾われて、2対2のピンチを迎える。
 ドリブルで上がるドミンゲスは、右方向を追い越して走るギョクデニズのマークに動いたマルケスに対し、いったん左方向への切り替えしフェイントを挟むことで、マルケスの体の向きをドミンゲス側に向かせた瞬間、ギョクデニズへ丁寧なスルーパスを通す。
 抜け出たギョクデニズがきっちりとシュートを決めて、ルビンがバルサから2点目を奪取。再びリードを奪うことに成功した。

 この後も、多くの時間帯をすべての選手が自陣で守るルビン。
 バルサは79分、Dアウベスがゴール前に放り込んだ浮き球をメッシが頭で落とし、これをイブラヒモビッチがPスポット上でダイレクトシュート。だが、クロスバーを叩いてしまいゴールならず。
 81分のシャビのミドルはGKがキャッチ。
 そして試合時間も残り少なくなると、ルビンは時間稼ぎをしながらバルサの攻撃に耐える。
 ロスタイムは4分。残り僅かの時間帯に迎えたバルサのCKのチャンスに、トゥーレ・ヤヤがジャンプ一番、頭で狙ったシュートは、今度は右のポストに弾き返されてしまい、万事休す。
 そしてついに試合終了のホイッスル。ルビンが、今シーズン国内リーグも含めて負けのないバルサをカンプノウで打ち破る、大金星を成し遂げた。