〜 第1節(Round1) 〜


グループC: チューリッヒ vs レアル・マドリッド

グループC: マルセイユ vs ACミラン
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グループC

チューリッヒ 2−5 レアル・マドリッド
マーゲラ 64(PK)
エガーター 65
Cロナウド 27、89
ラウール 34
イグアイン 45+1
グティ 90+4

 大型補強を行ったレアル・マドリッドのUCL第1節は、アウェーでスイスチャンピオンのチューリッヒとの顔合わせ。初戦とはいえ、決勝の地がホームのサンチャゴ・ベルナベウとあっては、手を抜くことは許されない。イグアインとラウールのツートップ、左右にCロナウドとカカを配し、トップ下にはシャビ・アロンソとディアッラが構える。ベンゼマ、ファン・ニステルローイ、グティというそうそうたるメンバーがバックアップに揃っている。

前半

 前半の早い時間帯は、当然ながらチューリッヒがRマドリッドに対して厳しく当たり、好きにさせない。さらにチューリッヒは9分に右のCKを得ると、これをファーサイドの選手が頭で折り返すところまでいったが、シュートを打ち込むまでには至らず。
 直後のRマドリッド。ピッチ中央でDFラインも絡んだパスがスムーズに回りだしたと思った瞬間、シャビ・アロンソが縦にボール蹴りこむと、受けたラウールがワンタッチでカカへとつなぐ。反転して前を向いたカカは1つドリブルをはさんで左のイグアインへパス、ワントラップでPエリア内に入り込んだイグアインがシュートを放つ。シュートはブロックされたが、Rマドリッドはこの試合初めて流れるような展開を見せた。
 17分、レアルは自陣の守備で奪ったボールをカカに渡すと、すかさずドリブルで敵陣に攻め込む。そして左サイド前方を上がるCロナウドに対し、DFの間を通した丁寧なパスを送ったが、チューリッヒDFも頑張って懸命に足を伸ばし、Cロナウドのドリブル突破をクリアで阻止してピンチを救った。
 だが、もうすっかりRマドリッドペースでゲームは展開していた。

 21分、センターライン付近左サイドでボールを受けたカカは、緩急をつけた巧みなドリブルでPエリア内深いところまで持ち込みチャンスを演出。惜しくもラストパスはクリアされた。
 24分にはCロナウドがチャージを受けて、左45度、27Mの距離でセットプレーのチャンス。Cロナウドが狙うが、ここは大きくふかしてしまった。
 しかしその2分後に、もう少し内寄りの位置、距離25Mのところで、再びFKを得る。今度はドライブ気味に放った強烈なシュートが、ゴール左上に決まり、Rマドリッドが先制した。GKは反応したものの、全くタイミングが遅れてしまっていた。

 この後、Rマドリッドはワンタッチ、ツータッチの早いパス回しでゲームをコントロール。ボールを奪えないチューリッヒは、全体が下がりだす。
 34分、後方から放り込まれたボールを、2列目の位置にいたCロナウドが頭でPエリア右サイドに絶妙なパスを落とす。このボールに反応し抜け出したイグアインはシュートを狙うも、ボールのミートに失敗。しかしこれがゴール前へのパスとなり、走りこんでいたラウールがうまくあわせてゴールネットを揺さぶる。Rマドリッドが 2-0 とリード。
 さらに前半ロスタイム、後方シャビ・アロンソからの縦パスがダイレクトにはたいたラウールを経由しイグアインへと渡ると、先ほどシュートを失敗した挽回とばかりに力強いドリブルでDFをかわしてPエリアに入り込み、同じような位置から今度はきっちりとグラウンダーのシュートを叩き込んだ。
 Rマドリッドが3点をリードし、GKカシージャスの仕事が無いまま前半を終了。

後半

 後半に入り、チューリッヒは前半の立ち上がり同様、積極的なプレスでゲームバランスをイーブンに持ち込む。51分にはRマドリッド陣内、左サイド深い位置でFKをゲット。ファーサイドのマーゲラが頭で狙ったが枠を外す。
 53分、シャビ・アロンソが足を痛めて退場。ここから5分ほどRマドリッドは10人でのプレーとなり、点差がついていることもあって、チューリッヒからペースを奪いきれぬまま時計が進む。
 61分、チューリッヒは左サイドからRマドリッドを攻め立てると、珍しく大きなサイドチェンジをみせる。右に開いたフォンランテンがダイレクトでゴール前に折り返し、走りこんだデュリッチがPスポット付近からダイレクトシュート。決定的なチャンスだったが、ゴールド真ん中へのシュートはGKカシージャスにクリアされた。
 そして63分、フォンランテンのスルーパスに反応したアルフォンスをGKカシージャスが止めに行ったところ、アルフォンスがわざと足を残してファールを誘い、Rマドリッドには厳しいPKの判定となる。これをマーゲラが決めてチューリッヒが1点返した。
 リスタート直後にもアルフォンスがドリブルで仕掛け、RマドリッドのガゴにPエリア内で足をかけられたが、こちらはPKとならずに済んでRマドリッドは助かった。
 だがそれも束の間、続くCKをニアサイドのエガーターがCロナウドの手前で頭で合わせ、ゴール。あっという間に点差が1点に縮まってしまった。

 この流れでチューリッヒの集中力は継続し、中盤でボールを奪い合う展開となる。ストレスがたまるRマドリッドは、すでに3人がイエローを受けていた上に、さらにガゴ、途中出場のグティ、そしてディアッラと、もう3枚イエローをもらう苦しい展開となる。
 だが、終了間際にRマドリッドにチャンスが訪れる。
 87分、Rマドリッド各選手の積極的なプレスでチューリッヒからボールを奪うと、Cロナウドが4人に囲まれながらもグティとのワンツーでゴール正面まで入り込むが、ぎりぎりのところでクリアされた。
 88分にグティが倒されて、ゴール正面やや右、35Mほどの位置でFKのチャンス。キッカーはもちろん、今日1本沈めているCロナウド。右足が降り抜かれキーパー正面に飛んできた無回転のボールに、無謀にもパンチングを選択。ボールは急激に落ちる変化を見せてクリア失敗、ボールはゴールに飛び込んだ。
 フィールドプレーヤーが頑張っていたところでのキーパーのやや軽率な失点で、Rマドリッドの勝利がほぼ確定。
 さらにロスタイム4分、チューリッヒのDFラインが高くなっていたところに、裏を狙ったグティへカカのスルーパスが通って独走。グティは余裕を持ってキーパーもあきらめるしかないループシュートを決めて、Rマドリッドに4点目が入り試合終了。

 途中ばたばたしたものの、Rマドリッドが勝ち点3をゲット。しかし、イエロー6枚の今後の影響と、右ふくらはぎを痛めたシャビ・アロンソと、不安含みの試合結果となってしまった。




 
 
グループC

マルセイユ 1−2 ACミラン
エインセ 49 インザーギ 28、74

 国内リーグで不調のACミラン。率いるのはレオナルド新監督。この試合、ロナウジーニョはベンチスタート。FWはボッリエッロの故障もあって、36歳のインザーギがスタメンを務める。
 デシャン監督率いるホームのマルセイユは、ポルトから加入したルイス・ゴンザレスが鎖骨骨折から復帰、ニアングとブランドンのツートップで臨む。
 雨の降るスリッピーなコンディションの中、ゲームスタート。

前半

 序盤はホームのマルセイユが攻勢。ただしミランも個人の守備力をもって決定的なチャンスは作らせない。そんな中、常にDFの隙を狙うミランのインザーギがチャンスを作り出す。
 12分、ミランは右サイド中盤をドリブルで持ち上がるマッシモ・オッドがゴール前に走りこむインザーギに向けて速いボールを後方から放り込む。インザーギはこのボールに右足を振りぬき直接ゴールを狙ったが、GKがしっかりとキャッチ。
 次第に五分五分の展開となる中、28分には左サイドからの組み立てを狙うミラン。ペナルティエリアに近いところ、パットとセードルフの2人でマルセイユの4人の選手に囲まれながらも狭いところでボールをつなぎ、セードルフが縦へと抜け出す。追いすがるエムビアを切り返しでかわすと、すかさずファーサイドにボールを放り込む。ここを狙っていたのは、インザーギ。フリーのインザーギが右足であわせ、ボールをゴールに流し込みACミランが先制した。

 37分のミラン。右サイドをマッシモ・オッドがオーバーラップしゴール前にクロスを放り込む。ボールはゴール真正面のパットの元へ届いたが、シュートミスで惜しくも不発に終わった。
 前半ロスタイム、マルセイユは右後方からミラン陣内に放り込んだボールがこぼれたところを、ブランドンがゴール正面Pエリアのわずか外から強烈なシュートを放つ。しかしここはGKストラーリがパンチングでゴールを守った。

後半

 後半立ち上がりもマルセイユがミランを攻め立てる。48分には右サイドに開いたカボレのセンタリングがシセの頭を経由してファーサイドのLゴンザレスの元へ。ゴール右サイドを狙ってボレーシュートを撃ったが、DFネスタの足に当たってわずかに右に外れてしまった。
 その1分後、Lゴンザレスが倒されて右サイドからFK。シェイルが左足でゴール前まくように蹴りこんだボールに頭で合わせたのは、エインセ。ボールはGKの股の下を破り、ネットを揺らした。マルセイユがいい時間帯で同点とした。

 これで勢いづいたマルセイユが、その後もペースを握る。65分、66分とLゴンザレスがシュートに絡むが枠には飛ばない。
 後半ほぼ30分間、全くチャンスを作れずにいたミラン。だが74分、またもやあの男が本領を発揮する。
 マルセイユのデシャン監督が追加点を狙うべく、ベン・アルファを入れようと準備していた時間帯。ミランは左サイド中盤で得たFKで前方のザンブロッタへとボールを送ると、ザンブロッタはキープしてから後方のセードルフへボールを戻す。この時点でPエリア内で待ち構えていたインザーギはバックステップでゴール前のスペースを作り出しており、反応したセードルフがザンブロッタからのボールを右足アウトサイドですばやくゴール前に送り込んだ。
 意表をついたパスに反応が遅れるマルセイユ守備陣。一人すばやく反応したインザーギは、まさに用意していたスペースに飛んできたボールに足から飛び込みシュート。GKも反応できず、インザーギらしい素晴らしいゴールでミランが勝ち越しに成功した。

 その後は再びミランが耐える展開となり、マルセイユはゴールをこじ開けることができない。
 90分に右サイドを突破したベン・アルファの折り返しがフリーのニヤングがゴール真正面からシュートを放ったが、ガットゥーゾがシュートコースに滑り込み、ボールをクリアした。
 ロスタイムの5分もミランは凌ぎきり、マルセイユを破ってアウェーで勝ち点3を挙げた。