〜 決勝 〜

'10/05/22
スペイン マドリッド、 サンチャゴ・ベルナベウ・スタジアム





バイエルン  0−2  インテル 
ミリート 35、70

 9シーズンぶりの栄冠を目指すバイエルンと、45シーズンぶりのヨーロッパ制覇を目指すインテル。監督のファンハールとモウリーニョとの師弟対決という側面もあり、また、地元マドリッドの監督候補としてモウリーニョが取り上げられており、試合前からメディアで異様な盛り上がりをみせる。

 バイエルンはリベリが出場停止。代役はアルティントップ。その他はいつもどおりのメンバーで、ロッベンが右に入り、ミュラーとオリッチの2トップで臨む。
 インテルはスタメンにイタリア人が一人もいない。ミリートのワントップに、左にパンデフ、右にエトー、トップ下にはスナイデルが入る。モッタが出場停止。


前半


 インテルが準決勝のバルサ戦のように守備的に来るかと思いきや、両チームとも、試合開始のホイッスルから出足良く攻め込む展開となる。
 開始すぐの2分に左サイド深いところでインテルがFKを得、スナイデルがゴールファーサイドに鋭く曲がるボールを右足で送り込んだが、GKがパンチングで大きくクリア。
 9分のバイエルン、インテル陣内右サイドでボールを受けたロッベンがギアをチェンジしてSBキブを縦に振り切りドリブルで持ち込むと、ゴールラインぎりぎりのところからボールを折り返す。 オリッチがニアサイドに飛び込んでこのボールに合わせったが、ボールは枠を外した。

 16分のバイエルンの右CK、スナイデルは一旦後方に流して再びボールが戻ってきたところで、ゴール前に放り込む。ゴール前の攻防で、竸ったDFのマイコンがボールを右手に当てていたが,ノーファールの判断でPKとはならず。
 24分、バイエルンのDFデミチェリスがミリートの背後からスライディング、このファールでゲーム最初のイエローを受けた。
 29分、今度はインテルのキブがロッベンにボールを奪われたところで引っ張ってしまい、イエローカード。

 34分、インテルはキーパーからのロングボールをインテル陣内中央のミリートが頭でスナイデルに落とすと、そのままゴールへ向かって走り出す。そこにスナイデルからリターンパスが入り、GKブットと1対1。ミリートが軽く浮かしたシュートがゴールに飛び込んで、インテルが先制した。

 43分、インテルはカウンターでスナイデルからのパスをうけたミリートが左を上がると、中央にボールを折り返したところに張り込んでいたのはスナイデル。Pエリア内でダイレクトでゴールを狙ったが、GKの正面となってしまい追加点にはならなかった。
 先制点の後にインテルが守備を固め、バイエルンが7割近くボールを支配するものの、攻めあぐねる形で前半終了。


後半

 後半はバイエルンボールで開始。すると早々にポストのオリッチにボールが入る。オリッチは直接ヒールでゴール前にボールを流すと、アルティントップがこれを拾って2タッチ持ち込んでから横にパス。ここへ後方からミュラーが走りこみPエリア内からシュートを放ったが、GKのJセーザルが体でコースをふさぎ、ピンチをしのいだ。
 すると今度は前がかりになったバイエルンに対してカウンター。左サイドのミリートがパスを受けてドリブルでPエリアに持ち込んでから、後方のパンデフへパス。パンデフはゴール上部を狙ってシュートを放ったが、GKブットがパンチングでCKに逃れた。
 54分、バイエルンのアルティントップがドリブルで強引に仕掛け、いったんルッシオに奪われたものの次のパスをバドシュトゥバーがチェック、Pエリア内でこぼれたボールを拾ったアルティントップがシュートを狙ったが、左に外れた。しかし、インテルの守備陣にもろさが見えた。

 62分、こんどはロッベンが右サイドからパンデフとキブの間を抜きにかかりファールをゲット。FKのこぼれ球をミュラーが右足で狙ったが、カンビアッソが頭でクリアしゴールを守った。
 このFKの直前に、アルティントップとクローゼが交代している。
 65分、インテルのクリアボールを拾ったロッベンが、右サイドのPエリアすぐ外から直接ゴールを狙う。だがこれも、Jセーザルがワンハンドでクリアし得点を許さない。
 この後インテルのキブが足をつり、スタンコビッチと交代。

 69分、バイエルンが右からロッベンが上がってクロスを上げ、インテルゴール前に攻め込む。クローゼが頭で落としたボールを窮屈ながらオリッチがシュート。しかしDFにはじき返されたボールが大きく跳ね返えると、スナイデルがうまくエトーにつないでインテルボールとし、さらに左前方のミリートへと渡る。
 この時点でバイエルンDF4枚に対しミリートとエトーという状態。ミリートはややスピードを落としたドリブルで1対1で相対するヴァン・ブイテンをけん制すると、いったん中へと切れ込んでシュートフェイント、そのまま縦へと切り返してヴァン・ブイテンを抜き去りPエリア内に持ち込むと、すかさずゴール右を狙ってシュート。見事ボールがゴールに飛び込み、インテルが2点目をゲットした。

 74分、バイエルンはオリッチを下げてマリオ・ゴメスを投入し、高さ勝負。右のロッベン、左のバドシュトゥバーが次々と駆け上がってセンタリングを放り込む。ゴール真正面までボールは届くが、インテルの守備陣がしっかりと集中し、バイエルンに決定的なチャンスを与えない。
 どんどん時間が経過し、ついに90分が経過。ロスタイムの3分にもロッベンが突破を図るがゴールラインを割ってしまう。
 そして試合終了のホイッスル。ミリートの2ゴールに鉄壁のディフェンスと、インテルらしい戦い方でインテルが45シーズンぶり3度目の優勝でビッグイヤーを獲得した。また、国内リーグ、カップ戦と合わせ三冠を達成した。
 監督のモウリーニョはポルトに続き、チームを優勝に導き、そしてインテルを去って来年からレアル・マドリッドの監督へと就くことになった。