〜 決勝トーナメント1回戦 〜

'10/02/16,17 23,24 第1戦
'10/03/9,10 16,17 第2戦


シュツットガルト vs バルセロナ  オリンピアコス vs ボルドー

インテル vs チェルシー  バイエルン vs フィオレンティーナ

CSKAモスクワ vs セビージャ  リヨン vs レアル・マドリッド

ポルト vs アーセナル  ACミラン vs マンチェスターU

見たい組み合わせをクリックしてください。





―FIRST LEG―
シュツットガルト 1−1  バルセロナ  
カカウ 25                 イブラヒモヴィッチ 52



―SECOND LEG―
  バルセロナ 4−0  シュツットガルト
メッシ 13、60
Pロドリゲス 22
ボージャン 89

 1stレグはバルセロナがアウェーゴールを挙げて同点に追いつき、迎えたホームの2ndレグ。
 シャビが怪我で不在のバルサは、アンリがトップを務めイブラヒモヴィッチはベンチスタート。左にイニエスタ、右にペドロを配し、メッシはトップ下を基本に自由に動くスタイル。
 シュツットガルトはCBのタスキが戦線離脱。雨が降る中、ゲームスタート。

 序盤はバルサがボールを回してビルドアップするのに対し、シュツットガルトはシンプルなつなぎで攻撃を組み立てる展開。
 13分にバルセロナのカウンター。ハーフラインを越えたところでパスを受けたメッシは、そのままドリブルでスルスルとゴール前に絞って行く。トゥーレ・ヤヤが前を走り抜けて瞬間空いたスペースにボールを運ぶと、シュツットガルトの4人の選手が間合いを詰めてスペースがふさがる中、左足を鋭く振り抜きボールをゴール左に叩き込む。
 次元の違いを見せつける、障害などなかったかのようなメッシのゴールがあっさりと決まり、バルサが先制した。

 22分、いつものパス回しでリヨン最終ラインの隙をうかがうバルサ。中央でメッシがボールを受けると、左サイドでトゥーレ・ヤヤがDFの裏を狙って動き出す。メッシがタイミングを見計らってポンとボールを放り込んだ時点で、既に結果が決していた。トゥーレが難なくゴール前にダイレクトパスを転がすと、連動して走り込んでいたペドロが合わせてゴール。リヨンDF陣の壁をあっさりと破り、バルサが2点目を挙げた。
 結局シュツットガルトは枠外のシュート1本のみで、前半を終了。

 後半開始から、2点が必要なシュツットガルトは攻撃の選手を1枚追加。しかし、バルサペースは変わらない。
 56分、シュツットガルトゴール前左サイドでメッシがドリブルを仕掛けてから、中央のトゥーレにマイナスのパスを戻す。トゥーレが放ったシュートは、わずかに左へと外れた。
 60分のバルセロナの攻撃。右サイドを持ち上がったペドロがマイナスに戻したボールを、ダニエウ・アウベスから中央のメッシへとつなぐと、メッシはPアークの頂点で反転してから鋭くコンパクトに左足を振り抜いてシュート。ボールはゴール右に飛び込んで、ほぼ試合を決定づける3点目をバルサが奪った。

 66分、ブスケッツが左足太ももを痛め、イブラヒモヴィッチと交代。イニエスタが中盤へと下がる。
 68分、バルサは自陣左サイドでボールを奪うと、簡単にパスをつないで右へと展開。ダニエウ・アウベスがドリブルでシュツットガルト陣内に持ち込み、やや後方からゴール前へと走り込むメッシに、DFラインとGKとの間に落とす素晴らしいボールを蹴り込む。急加速で抜け出したメッシがこれをヘッドで合わせたが、叩き付けられたシュートにGKレーマンが好反応をみせてブロック、ゴールならず。
 72分、またもや右のダニエウ・アウベスから今度はニアサイドに走り込んだメッシへピンポイントのパスが入る。Pエリア内でジャンプしながら胸で受けたメッシは、着地ざまに右足ですかさずシュートを狙ったが、並走するDFの足に阻まれた。
 86分にはバルセロナのカウンター。トゥーレがドリブルで持ち込み右のメッシへボールを渡す。メッシはそこから中へとドリブル、勢いをつけて二人抜き去り、GKと1対1となる。だが、左足でちょんと浮かせたシュートは、右へと外れた。

 88分にイニエスタに代えてボージャンが入ると、その1分後、中盤のイブラヒモヴィッチが左を駆け上がるボージャンへ股抜きのスルーパスを供給、ボージャンはファーストタッチでシュートをゴールに流し込んだ。
 ロスタイムに入っても攻撃の手を休めないバルセロナ。結局、一方的なゲーム展開にシュツットガルトは後半もシュートわずか1本で為す統べなく完敗、バルセロナが準々決勝進を決めた。


―TOTAL―
シュツットガルト  1−5  バルセロナ  



 
 






―FIRST LEG―
オリンピアコス 0−1  ボルドー   
シアニ 45+2 



―SECOND LEG―
   ボルドー 2−1  オリンピアコス
グルキュフ 5
シャマフ 88
ミトログル 65



―TOTAL―
オリンピアコス  1−3  ボルドー   



 
 






―FIRST LEG―
 インテル 2−1  チェルシー
ミリート 3
カンビアッソ 55
カルー 51        



―SECOND LEG―
チェルシー 0−1  インテル 
エトー 78



―TOTAL―
インテル   3−1  チェルシー



 
 






―FIRST LEG―
    バイエルン 2−1  フィオレンティーナ
ロッベン 45+3(PK)
クローゼ 89
クロルドルップ 50



―SECOND LEG―
フィオレンティーナ 3−2  バイエルン    
バルガス 28
ヨベティッチ 54、64
ファン・ボメル 60
ロッベン 65

 ホームでの第1戦を、完全にオフサイドだった誤審の決勝ゴールで2-1と先勝したバイエルン。ここ最近は公式戦で負けなしと勢いを保つ。先発出来るか微妙と見られていたロッベンが右サイドに、左にはリベリーが入った。
 フィオレンティーナは敗れたもののアウェーゴールを挙げており、第2戦のホームゲームで失点しないように勝利を得たいところ。ただし、ここのところのリーグ戦では調子が悪い。トップにジラルディーノ、その下にヨベティッチという布陣。

 前半は、ホームサポーターの後押しを得るフィオレンティーナが攻勢にでる。そしてバイエルンのFW・ゴメスが足を痛めてピッチの外へ出た直後の28分、フィオレンティーナのマルキオンニがゴール正面からミドルシュートを放つ。雨にぬれてスリッピーなピッチにバウンドしたボールをGKブットが弾いて前へこぼすと、バルガスがすかさず詰めて、角度のあまりない左サイドからDFに付かれながらもゴール逆サイドにシュートを突き刺し、待望の先制点を手にした。
 結局ゴメスはそのまま退場、クローゼがピッチに入った。

 34分のバイエルンの攻撃。中盤のシュバインシュタイガーがヘディングでフィオレンティーナDFラインの裏へボールを放り込むと、オフサイドのミュラーはスルーしプレーに関与せず、その裏を走り込んだロッベンに通り、ロッベンがダイレクトでゴールを狙う。しかし、GKフレイが見事な反応でボールに触り、CKへと逃れた。

 前半を1点のリードで折り返したフィオレンティーナ。後半になって強さを増した風がピッチの交代で向かい風となったフィオレンティーナだが、まず49分にチャンス。
 右サイド深いところからマルキオンにがゴール前に折り返したボールをニアサイドのDFがクリアミス、そのまま抜けてゴール前のジラルディーノに渡る。ジラルディーノはワントラップから右足でボールを押し込もうとしたが、GKブットが好反応をみせ、右足でシュートをクリアしピンチを救った。
 この2分後に今度はバイエルンにチャンス。フィオレンティーナ陣内に攻めこむと、ロッベンからPエリアに走り込むミュラーへスルーパスが通る。しかしDFの厳しいチェックのまえに、ミュラーは逆にファールをとられてしまった。
 54分、今度はフィオレンティーナが再び右サイドのマルキオンニからチャンスをつくる。ゆっくりした持ち上がりから一転、Pエリア内でDFを背負うジラルディーノの足元に素早いボールを蹴り込む。ジラルディーノはこれを軽く後ろに落とすと、走り込んだヨベティッチがシュートをネットに叩き込み、フィオレンティーナに追加点が入った。これで、2試合合計でもフィオレンティーナが1歩リード。

 56分、バイエルンは中盤右サイドでFKを得る。ロッベンがゴール前に柔らかく放り込んだボールは追い風に乗り、さらにクローゼが飛び込んできたが、わずかにクローゼには届かずGKがキャッチ。
 60分のバイエルン。左サイドをリベリがドリブルで仕掛けた後、中央2列目にボールを折り返す。これを後方から狙い済まして走り込んだファン・ボメルがゴール左下にシュートを蹴り込んで、1点を返した。そして、2試合合計で3対3、アウェーゴールも含めた全くのイーブンとなった。

 64分、左サイドでロッベンからボールを奪ったフィオレンティーナが反撃。ヨベティッチがバルガスとの素晴らしいワンツーで左サイドを上がると、中央へと絞りにかかる。一旦DFにボールが引っかかり浮き球となったが、これをジラルディーノが頭でヨベティッチへ落とすと、ヨベティッチはマークに付かれながらも飛び出すGKの足元からボールを押し込んで、フィオレンティーナが加点。
 だが、このリードはあまりにも短かった。65分、ロッベンが中盤右サイドからドリブルで中央へ持ち込むと、そのまま豪快に左足一閃。素晴らしいシュートがゴール左上に叩き込まれ、バイエルンがアウェーゴールで半歩リードする大きな1点を追加した。

 ホームで負けられないフィオレンティーナは、右サイドのマルキオンニを生かした組み立てで再三バイエルン陣内に攻め込む。
 76分、Pエリア内で良ベティっ力パスを受けたジラルディーノがボールをゴールに流し込んだが、これはオフサイドでノーゴール。
 残り10分を切ると、バイエルンはボールを回して時間を使うようになる。必死にボールを追うフィオレンティーナだがこのままのスコアでロスタイムも終了。
 結局この第2戦は勝ったものの、トータルスコアでイーブン、アウェースコアでバイエルンに及ばず、フィオレンティーナが敗退することとなった。
 第1戦のオフサイドによるゴールの判定が、結果的にはこの結末に大きく影響することとなってしまった。


―TOTAL―

アウェーゴール差でバイエルンの勝利
    バイエルン  4−4  フィオレンティーナ



 
 






―FIRST LEG―
CSKAモスクワ 1−1  セビージャ  
ゴンサレス 66 ネグレド 25



―SECOND LEG―
  セビージャ 1−2  CSKAモスクワ
ペロッティ 41 ネチド 39
本田 55

 敵地での1stレグを1対1のアウェーゴールを挙げての引き分けで終え、条件的に優位に立つセビージャ。
 CSKAは冬の移籍で加入した本田圭佑が、1stレグでのUCLデビューに続き、トップ下で先発に名を連ねた。本田は先日行われた国内リーグデビューとなる開幕戦で、ロスタイムに決勝点を挙げる鮮烈なデビューを果たしている。ジャゴエフはベンチスタート。

 3分、いきなりセビージャにチャンス。右サイド深いところからナバスがCSKAゴール前にボールを折り返すと、ゴール正面でルイス・ファビアーノが右足を振り抜く。しかしここはGKがコースを塞ぎ、ピンチを救った。
 CSKAは6分、右サイド中盤からゴール前ファーサイドの本田へ長いボールが通る。本田はDFと競りながら胸でトラップしたが、やや大きくなってしまいGKにキャッチされた。
 序盤は両チームとも様子を伺いながらの慎重なゲーム運びとなった。
 26分、CSKAは本田がトップのネチドにパスを送り、そのままゴール前に走り込んでリターンのパスをシュート。しかしややパスがショートだったため不十分な態勢となり、シュートはGKの正面へ。GKが弾いたボールに対しても素早く反応、倒れたまま左足を振り抜いてゴールを狙ったが、今度は惜しくも右に外れた。

 30分過ぎたあたりからセビージャが少しペースを上げるが、CSKAは淡々と守備をし、チャンスを作らせず。
 すると38分、左の深い位置でスローインを得たCSKAは、ボールを受けた本田が中央のネチドへパスを送る。ネチドは見事なファーストタッチでDFをかわしてゴール正面に体を向けると、Pエリアに入ったところからゴール右にボールを流し込み、CSKAが先制した。
 これで、アウェーゴール数で並び、CSKAが半歩リード。だが、このリードは長くは続かない。
 2分後、セビージャは右前方へのロングボールをナバスがダイレクトにゴール前へ折り返すと、ペロッティがワントラップからGKの飛び込みより一瞬早くボールをゴールへと流し込んで、同点に追いつく。これで、2試合トータルでも、五分のスコアとなった。

 後半開始からセビージャはFWにカヌーテを投入し、攻撃陣を厚くする。
 立ち上がりの時間帯を押し気味に進めるセビージャは、53分、右のナバスから素晴らしいクロスがゴール前に放り込まれたが、カヌーテのヘッドはそのまま左へと流れてしまった。
 このプレーの直後、CSKAはクラシッチがファールを受け、右45度、ゴールまで30mほどの位置でFKを得る。
 時間をかけて本田がボールをセット、助走から鋭く左足を振り抜くと、壁を越えたボールは不規則に変化し、正面に入ったGKパロップの手を弾いてゴールマウスへ!本田が日本人初のUCL決勝トーナメントでのゴールを決めるとともに、CSKAがアウェーゴールで勝ち越したことで、セビージャは2点が必要となった。

 このあと、CSKAはプレーを急がなくなる。セビージャは右のナバスが巧みなドリブルで再三CSKA陣内を攻め立て、止め切れないCSKAはイエローカードを連続で受けてしまう。しかし、引きすぎずにバランスを保つCSKAの前にセビージャはなかなかフィニッシュに至らず、時間が過ぎる。
 82分には本田が交代で下がる。このころには、CSKAはマイボールの時には時間を稼ぐプレーに終始。そしてロスタイムの3分も含めてセビージャの追撃をかわして、CSKAが2試合トータル3対2のスコアでセビージャを下し、92-93シーズン以来のクォーターファイナル進出を決めた。


―TOTAL―
CSKAモスクワ 3−2  セビージャ  



 
 






―FIRST LEG―
   リヨン 1−0  Rマドリッド
マクン 47

 ここ3シーズン、ベスト16止まりのリヨンと、5シーズンベスト16止まりのマドリッドとの対戦。雪のちらつく中のゲームとなった。
 前半はリヨンがシュート数でマドリッドを圧倒する。40分の決定的シーンでは、右のCKをマドリッドDFが頭でクリアしたボールに、デルガドが走り込んでボレーで合わせたが、GKカシージャスも反応出きない強烈なシュートは惜しくも右ポストを叩いて弾き返されてしまった。
 時間とともに勢いづくリヨンに対し、マドリッドは大きなクリアやファールでゲームを切ろうとするが上手くいかないまま、前半を終了。

 後半早々、リヨンはインターセプトからマクンが中央をドリブルで持ち込み、プレッシャーがかからないままミドルシュートを放つ。ボールは右に変化しながらゴール右上に飛び込んで、47分にリヨンが先制した。
 この後、マドリッドはプレッシャーを強めるが、55分にリヨンはカウンターによる速攻でピンチを迎え、58分にはカシージャスがゴールキックをミスし、Pエリアを出たばかりのリサンドロ・ロペスへボールを渡してしまったが、慌ててDF2枚が戻り、放たれたシュートはゴール左に外れた。

 62分、マドリッドの右CKをしのいだリヨンがカウンター。左サイドをリサンドロ・ロペスが持ち上がり、さらに左のシッソコへとつなぐ。シッソコはPエリアに入り込みシュートを放つが、GKカシージャスが壁となりボールを跳ね返す。
 するとこのリヨンの攻撃をしのいだマドリッドが今度はカウンター。ロングボールを拾ったイグアインが右サイドをドリブルしながら中央へ絞り込み、スピードに乗ってPエリアまで持ち込みそのままシュート。しかし今度はGKロリスがうまく詰めて右手一本で弾き、ゴールを守った。
 64分、リヨン出身のベンゼマがイグアインに代わりピッチへ入るとスタジアムから拍手で迎えられた。
 69分、ゴールの右45度、というやや難しい角度からCロナウドがFKを狙うが、壁に当たってゴールに至らず。
 その後もマドリッドが攻勢に出るが、リヨンの必死の守りと足元の悪い状態もあって、なかなかゴールをこじ開けることができない。
 結局このまま、マドリッドにとってはUCL今シーズン初の無得点試合となり、リヨンがホームの第1戦で勝利を手にした。


―SECOND LEG―
Rマドリッド 1−1  リヨン   
Cロナウド 6 ピアニッチ 75

 先手を奪われたマドリッドは、決勝が行われるホームのサンチャゴ・ベルナベウに戻っての第2戦を、サポーターの後押しを受けて勝利したいところ。カカ、Cロナウド、そしてイグアインを前に持ってきた。シャビ・アロンソとマルセロを累積警告で、ベンゼマ、ドレンテを故障で欠く。
 一方のリヨンはフランス代表GKヨリスを中心に、マドリッドの攻撃を抑えたい。
 注目の一戦に9万6千席のチケットはもちろん完売していた。

 リヨンボールで始まった前半、いきなりマドリッドはカカがボールを奪い、右のイグアインとのワンツーでPエリアまで入り込んでシュート。しかしGKヨリスが詰めており、大きくクリア。
 しかし6分、リヨン最終ラインのギャップを上手く狙ったCロナウドに、自陣のグティからのロングパスが通って抜け出すと、GKの股をを抜くシュートをゴールに流しこんで、早い時間にマドリッドが先制した。

 9分にはリヨンの攻撃を防いだ後、左サイドからCロナウドとカカの連携でボールを運ぶと、最後はカカがレベイエールとトゥラランを柔らかい切り返しで次々かわし、シュートまで持ち込む。しかしここはGKヨリスがしっかりとキャッチした。
 このあと、リヨンも前線にひとり残るリサンドロ・ロペスが時折マドリッドゴールへと迫るが、ほぼマドリッドペースでゲームが進む。25分過ぎ、グラネロのスルーにイグアインが抜け出し、マドリッドにビッグチャンス。Pエリアを飛び出したGKをもかわし、Pエリア内右サイドから無人のゴールへシュートを放つイグアイン。だが、右ポストにボールを当ててしまい、絶好機を逃したマドリッドの選手は頭を抱えた。
 26分、リヨンゴール正面30m程の位置からCロナウドがFKで狙うが、大きくフカしてしまった。
 28分のマドリッドの攻撃。Cロナウドのパスを受けたカカがPエリアに突入したところでボールをカットされるが、こぼれたボールをイグアインが拾う。ここでイグアインはゴール正面でフリーのCロナウドを選択せず、自らシュート。だが、GKヨリスが素晴らしい反応をみせ左手でブロック、イグアインはまたもやチャンスを逸してしまう。
 結局マドリッドペースながらも序盤の1点にとどまり、前半を終了。

 前半を7割近いポゼッションと、リヨンの倍以上のパスを成功させ、点数以外は圧倒的な差を見せつけたマドリッド。だが後半、リヨンは中盤マクンとCBブームソンを下げ、シェルストレームとゴナロンの2枚を交代。そして、リヨンが守り重視ながらもペースを握り出す。
 48分に左からのクロスにゴナロンが頭で合わせ、後半のファーストシュートを放つと、52分には左のシェルストレームからの折り返しに走り込んだゴブがフリーでシュート。だが、いずれも枠を外す。
 55分、ピッチ中央からLロペスが強烈なミドルシュートを放つ。無回転のボールは枠を捉えていたが、GKカシージャスが両手でブロックし、ゴールを守る。
 マドリッドもカカ、Cロナウドらが何本かシュートまで持ち込むが、フィニッシュの精度が悪く得点には至らない。イグアインはほとんどボールと絡めなくなった。
 マドリッドは62分にグラネロに替えてファン・デル・ファールトをピッチへ送る。
 70分、左の中盤でFKを得たリヨン。ピアニッチがゴール前に縦に入るボールを蹴り込み、ここにクリスが飛び込みGKカシージャスに取って難しい形となったが、クリスが触れずにバウンドしたボールをカシージャスはしっかりとキャッチした。
 75分、ついに均衡が破れる。左サイドから組み立てるリヨン。デルガドがボールを受けて前を向き、Pスポット付近でポストに入ったLロペスへパス。DFを背負った状態でパスを受けたLロペスは、すぐ後ろから走りこむピアニッチへワンタッチで浮かしたボールを渡すと、ピアニッチはももトラップでLロペスを抜き去ると左足を振り抜き、ボールをマドリッドゴールに突き刺した。
 リヨンは貴重なアウェーゴールを奪うことに成功。マドリッドは残り15分で2点が必要な状況に追い込まれる。

 すかさずマドリッドが動く。なんとカカを下げ、ラウールがピッチへ。一方のリヨンはLロペス以外、無理して攻撃に人数をかけなくなる。
 残り時間10分、5分とだんだん後がなくなるマドリッド。必然的に前掛かりとなる中、90分にリヨンのカウンターが炸裂し、左を上がるシッソコからゴール前のLロペスにラストパスがわたる。GKと1対1でフリーの絶好のチャンスだったが、Lロペスのシュートはあろうことか、ゴール左に大きく外してしまい、試合を決定づけることはできなかった。
 92分にもデルガドが裏に抜け出しゴール前まで走りこむが、なんとか追いついたDFガライが後ろからチェックしたこともあり、シュートは枠上へ。
 そして3分のロスタイムもリヨンがきっちりと守りきり、リヨンがクォーターファイナル進出を決め、マドリッドはまたもやベスト16止まりで姿を消すことになった。


―TOTAL―
   リヨン 2−1  Rマドリッド



 
 






―FIRST LEG―
  ポルト 2−1  アーセナル
ヴァレラ 11
フォルカオ 51
キャンベル 18



―SECOND LEG―
アーセナル 5−0  ポルト  
ベントナー 10、25、90+1(PK)
ナスリ 63
エブエ 66

 1stレグを相手のミスもあって2-1でものにしたポルト。対するアーセナルはアウェーゴールの1点を手に、ホームでの2ndレグを迎えた。
 アーセナルはセスクが不在。ポルトはフェルナンドを怪我で欠く。国内リーグ出場停止中のフッキが前線に名を連ねた。

 前半、立ち上がりこそポルトがアーセナルゴール前に迫ったものの、すぐにアーセナルのペースとなる。8分には右でボールを受けたサーニャからPエリアファーサイドにクロスが放り込まれ、これをアルシャービンが頭で合わせたが、ポルトGK・エウトンがパンチングで逃れた。
 10分、アーセナルはGKからのロングボールを繋ぎ、ナスリからアルシャービンにスルーパスが入る。ここはGKエウトンが飛び出して防ぐが、ボールがこぼれると、すかさずベントナーが詰めてゴールゲット。アーセナルが早くも先制した。

 25分、アーセナルはポルト陣内左サイドでの攻防からアルシャービンがボールを奪取、粘り強いドリブルで3人をかわしPエリア内深く持ち込んで、素早くゴール前にパス。フリーのベントナーが難なく沈め、2点目を挙げた。
 33分、ナスリがディアビとのワンツーでポルトのPエリア内右サイドに入り込み、マイナス気味にゴール前へ折り返す。ボールはファーサイドまで流れたがここにフリーのアルシャービンが。アルシャービンは右足でシュートを狙ったが、ボールはゴールを大きく超えてしまった。
 43分のアーセナルの右CK。ニアのディアビが叩きつけるようなヘディングシュートをゴール右隅に放ったが、ポストに阻まれて追加点ならず。
 前半のロスタイム2分、ナスリがグラウンダーのミドルシュートでゴール右を狙ったが、GKエウトンが飛びついてボールを枠の外へ押し出した。
 結局、ポルトは何度かアーセナルのPエリア内までボールを運ぶものの枠内シュートはGK正面の1本だけで、前半を終了した。

 後半、ポルトは中盤の選手を下げてFWのロドリゲスを投入、攻撃的な布陣とする。54分にはそのロドリゲスが左サイドを突破しゴール前にマイナス気味に折り返したところを、ファルカオがシュートを放ったが、GKアルムニアの正面だった。
 ロドリゲスは61分の右CKの際にはヘディングシュートでアーセナルゴールをおびやかしたが、マウス内に立っていたナスリに当たってゴールならず。
 対するアーセナルはそのナスリが63分、個人技で得点を挙げる。ポルト陣内右サイドで、ディアビとのパス交換でポルトの守備陣の様子を見ていたナスリは、細かいドリブルでPエリアに侵入、3人を振り切って角度のあまりないところからシュートを叩き込み、アーセナルに3点目が入った。

 3分後の66分、ポルトの右CKをニアのクリシがクリア。このボールをアルシャービンが拾って、アーセナルのカウンター。ドリブルでポルト陣内の半分あたりまで持ち込んで、追い抜く形で前を走る途中出場のエブエにパスを送る。エブエは飛び出してきたGKをファーストたちで外にかわすと、次のタッチでボールをゴールに流し込み、試合をほぼ決める4点目が入った。
 ポルトは3点が必要な状況となった。

 アーセナルはその後も攻撃の手を緩めず、ポルトはペースをつかめないままゲームが進む。
 90分になろうとするところ、エブエがPエリア内にドリブルで持ち込んだところで倒されて、アーセナルがPKをゲット。ハットトリックがかかるベントナーがキッカーを務め、GKに反応されながらも鋭いシュートをゴール左下に決めて、5-0 。
 直後に試合終了。アーセナルが2ndレグを大勝し、ベスト8の切符を手にした。


―TOTAL―
  ポルト 2−6  アーセナル



 
 






―FIRST LEG―
     ACミラン 2−3  マンチェスター・U
ロナウジーニョ 3
セードルフ 85
スコールズ 36
ルーニー 66、74

 ホームのミランはフンテラールをトップに、両脇をロナウジーニョと怪我から復帰したパトが固める。古巣との対戦になるベッカムは右の中盤に入った。
 マンチェスターは国内好調のルーニーのワントップ。2列目にはパク・チソンが入り、ミランが攻撃にかかるときにはピルロをチェックする役回りを努める。

 ゲーム開始からわずか3分、いきなりホームのミランが先制する。右の中盤で得たFKをベッカムがゴール前に放り込み、マンチェスターDFがクリアするもボールは流れて逆サイドへ。ここで待っていたロナウジーニョが躊躇なく右足を一閃。相手DFに軽く当たってコースが少し変わり、GKの逆を突く形でボールがゴールに突き刺さった。

 アウェーのマンチェスターは、攻撃に関してなかなかフィニッシュに至る形を作ることが出きない。ボールをワイドに展開したり、早いロングボールを前線に放り込んだりとミランを崩しにかかるが、ミランの守備がよく集中し守っていた。
 18分、マンチェスターの自陣でのパス回しをロナウジーニョがピッチ中央でうまくカット、そのままドリブルで仕掛けると、DFファーディナンドをシザースフェイント3発で抜き去りにかかる。かわしかけたところで、ボールに足を出したファーディナンドに引っ掛けられて転倒。だが、PKは取ってもらえなかった。

 34分、マンチェDFのクリアボールをインターセプトしたミランは、アンブロジーニがすかさずトップのフンテラールに縦パスを供給。フンテラールは振り向きざまにシュートまで持ち込んだが、ボールはわずかに左に外れた。
 ここまで苦戦していたマンチェスターだが、36分、右に開いたフレッチャーがゴール前に低く早いクロスを蹴り込むと、ゴール正面に入り込んだスコールズがボレーを狙う。このボレーは空振りになってしまったが、ボールが軸足に当たってそのままゴール左隅に吸い込まれ、ラッキーなゴールでマンチェが同点に追いついた。
 同時にミランにとって不幸なことに、アントニーニが足を痛めてしまい、ファヴァッリと交代となってしまう。

 41分、マンチェスター陣内やや左サイドでゴールを背にしてパスを受けたロナウジーニョ。背後からエブラとスコールズが同時にボールを奪いに殺到したところをうまく体を入れ替えてかわすと、ドリブルからミドルシュート。GKファン・デル・サールの手前でバウンドする嫌なシュートだったが横っ飛びでブロック、ゴールを守った。
 前半はミランペースで進んだものの、スコールズのラッキーなゴールもあって、同点で終了。

 後半は小気味よくボールが動く拮抗した展開が続く。ACミランの方がゴールに近づく回数が多かったが、追加点には至らない。
 64分、あまり機能しなかったナニを下げ、バレンシアを投入。すると、そのバレンシアが2分後にチャンスを演出する。
 ミランDF陣のミスからマンチェスターがボールを奪うと、右のバレンシアへつなぐ。バレンシアは縦へと持ち込んでからやや滞空時間の長いセンタリングをゴール前に送ると、ファーサイドでDFボネーラに競り勝ったルーニーがヘッド。ふわりとしたシュートはゴール逆サイドに飛び込んで、マンチェが逆転に成功した。
 ルーニーは、これが今季のUCL初ゴールとなった。

 71分、ミランはベッカムからセードルフに交代。
 74分、マンチェのフレッチャーが左サイドでボールを受けたとき、ミランの最終ラインにルーニーが並び、CBネスタの背後を取ってボールを要求。フレッチャーがDFラインとGKとの間にボールを放り込むと、狙い済まして走り込んだルーニーがここも頭で押し込んで、この日2点目を挙げた。

 ホームで2点のビハインドを負ったミランは、77分にフンテラールに替えてインザーギを投入。
 3点目を失ってからミランはすっかりペースをつかめなくなっていたが、84分にロナウジーニョが左サイドでボールを受けると、ドリブルでタイミングを図り、右足から左足へのひとりワンツーでゴール前にパスを通す。そしてゴール前に入り込んでいたのはセードルフ。セードルフも後ろ足のヒールを使ったシュートを繰り出し、ボールをゴールに押し込んだ。
 ミランが1点差に詰め寄る。

 直後には、インザーギがゴール前に走り込んだところにロナウジーニョのノールックパスが通ったが、DFファーディナンドのプレッシャーもあって、シュートは枠を大きく超えた。
 勢いづくミラン。ロスタイム直前、右に開いたDFボネーラからゴール前ファーサイドに長いボールが蹴りこまれると、ロナウジーニョがこれを落とし、アンブロジーニがワントラップで切り返しシュートに持ち込んだが、DFに当たって右へ外れる。
 続くCKにはネスタとチアゴ・シウバがヘディングでかぶってしまい、チャンスをものにできず。
 ロスタイム、マンチェスターのキャリックが遅延行為で2枚目のイエローを受けて、退場処分に。だがもはや時間もなく、スコアはこのままでタイムアップ。第一戦は点の取り合いとなり、アウェーのマンチェスターが勝利を手にした。


―SECOND LEG―
マンチェスター・U 4−0  ACミラン     
ルーニー 13、46
パク・チソン 59
プレッチャー 88

 ベスト8進出のためには2点差以上の勝利が条件となるミラン。凱旋となるベッカムはベンチスタート。1stレグで流れを変えたセードルフもベンチ。ネスタ、アントニーニは怪我で不在。
 マンチェスターは右DFにGネビルを起用し、ロナウジーニョを警戒。

 ファーストシュートはマンチェスター。3分、ミラン陣内右サイドでボールを奪い、バレンシアとのパス交換から中央でルーニーがボールを収めると、時計回りの反転から鋭く左足のシュートを放つ。ボールは僅かに右に外れた。
 ミランの最初のチャンスは8分、右中盤で得たFK。ゴール前に放り込まれたボールはニアのナニの頭を経由した後、ロナウジーニョが素早い反応でヘディングシュートを放ったが、枠の外だった。
 12分、好調ルーニーが早くも均衡を破る。右のGネビルからの狙いすましたクロスをルーニーが頭で合わせ、ミランにとっては非常に厳しい1点がマンチェスターに入った。

 20分、マンチェスターの守備の乱れからミランのピルロがシュートまで持ち込む。無回転で不規則に変化するボールに、ファン・デル・サールは一旦前にこぼすもすぐにキャッチし、事なきを得た。しかしこのあとは迫力のないミランのまえに淡々とゲームは進み、1-0のまま前半を終了。

 後半、もう待った無し状態のミラン・レオナルド監督は、CBボネーラに代えてセードルフをピッチに送り、攻撃的な布陣を試みる。だが、またしてもルーニーがあっさりとミランの目論みを潰してしまう。
 後半開始から1分もたたない時間、アンブロジーニを最終ラインに下げるなどの変更により手探りのボール回しをしていたミランだが、右DFチアゴ・シウバがトラップミス、すかさずナニがボールを奪い、左サイドを駆け上がる。そして右のアウトサイドを使い、GKと走りこむルーニーとの間に絶妙なパスを通すと、ルーニーもGKアッビアーティの出足を見極めた柔らかいタッチのシュートをゴールへ転がし込んで、あっという間にミランの希望を打ち砕く追加点がマンチェスターに入った。
 54分のミランの攻撃。中盤ピルロから右のアバテに展開、アバテがゴールに近いところへセンタリングを蹴り込み、ゴール真正面のフンテラールが頭で合わせたが、やや難しい態勢でボールはクロスバーを越えてしまった。
 対するマンチェスターは59分、ゆっくりした攻め上がりからパク・チソンがPエリア右サイドでスコールズからのパスを受け、滑り込みながらシュートをゴール逆サイドに流し込んで、3点目をゲット。

 64分、ベッカムがおよそ7年ぶりにオールドトラフォードのピッチに登場、スタジアムは歓声に包まれる。反対に、数分後にはマンチェスターは2得点のルーニーを下げてベルバトフを投入。同時にGネビルも下げた。
 68分にはボリエッロからインザーギに代えてカードを使いきったミラン。
 74分、ミランゴール前でDFがクリアしたボールをベッカムがダイレクトでボレーシュート。鋭いシュートだったがGKの正面となり、ブロックされた。
 残り5分を切ったあたりから、ミランの集中力が切れはじめた。そして88分、右からのクロスに全くフリーのフレッチャーが頭で合わせ、駄目押し。
 ロスタイムにベッカムの右からの絶妙なクロスにインザーギが詰めるシーンがあったが、惜しくも合わせることができず得点を逃す。
 そして長いホイッスルが響き、試合終了。マンチェスターがミランに完勝し、ベスト8進出を決めた。


―TOTAL―
     ACミラン 2−7  マンチェスター・U