〜 準決勝 〜

'06/04/18,19 第1戦
'06/04/25,26 第2戦


ACミランvsバルセロナ  アーセナルvsビジャレアル


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―FIRST LEG―
ACミラン 0−1  バルセロナ
ジュリ 57'

 ホームのミランはインザーギを発熱で欠き、ジラルディーノがシェフチェンコとトップを組む。対するバルサはデコが出場停止。また、直前の国内ゲームでの負傷により、ラーションが外れていた。チームの舵取りを一人でまかされる形となったロナウジーニョにはスタムを中心とした厳しいマークを受け、バルサはなかなか攻撃の形を作れない。逆にミランがチャンスを作り出す。
 まず14分、左からのロングスローでチャンスを作る。ゴールエリア内でボールを受けたジラルディーノが反転からシュートにつなげたが、惜しくも左ゴールポストを直撃。その1分後、カウンターから左を上がったシードルフがセンタリング、これを絶妙なタイミングで飛び込んだシェフチェンコが頭で押し込もうとしたが、GKバルデスに防がれた。
 アウェーながら普段どおりのサッカーを展開するバルサも、前半の中盤以降から、エトーのミドルやイニエスタからジュリへのスルーなど、ミランゴールへ攻めるシーンも見られるようになったが、GKヂダを脅かすには至らない。両者得点のないまま、前半は終了した。

 後半に入ると、ロナウジーニョはミランの過度なマークを変わらず受けていたが、卓越したボールコントロールで自分のペースを作り出すようになる。しかし、後半最初のビッグチャンスはミラン。51分、シェフチェンコからDFラインの裏を狙ったループパスにカカが抜け出し、ゴール正面へ折り返したボールにジラルディーノが合わせたが、このチャンスにシュートを左に外してしまった。
 57分、バルサはロナウジーニョがピッチ中央でパスを受けると、ガットゥーゾのマークを振り切り、ゴール左のスペースへ走り出すジュリに絶妙なパスを送る。ジュリはこれをダイレクトシュート、ボールはネットに突き刺さりバルサが先制した。
 64分、ミランの攻撃をしのいだバルサは、ジュリとロナウジーニョでカウンター。ロナウジーニョが中央をドリブルで持ち込むと、ゴール左を狙ってシュートを放つ。だが、このシュートは惜しくもポストに嫌われ、追加点にはならなかった。

 その後、両チームとも選手の交代で主導権奪取を狙う。すると81分、ミランはカカのスルーがフリーのアンブロジーニに通るチャンス。しかし、反転して放ったアンブロジーニのシュートは、ゴール左に外してしまった。82分、ロナウジーニョのドリブルにたまらずネスタがファール、バルサはゴール真正面20Mの位置でFKを得る。ロナウジーニョが左上を狙ったシュートは、クロスバーを越えた。
 その後ミランはバルサゴールに迫ったが得点には至らず、バルサがアウェーで勝利をものにした。  


―SECOND LEG―
バルセロナ 0−0  ACミラン

 バルサはデコが戻り、ラーションも控えに名を連ねた。一方のミランはインザーギが戻ってきたが、国内リーグでネスタとアンブロジーニが負傷、メンバーから外れた。また、 カフーやマルディーニがベンチスタートとなった。
 ゲーム開始早々、ミランがカウンターからチャンスを作る。スタムからのスルーパスがトップスピードに乗ったカカに渡ると、そのまま持ち込みシュート。しかし左に外れる。3分にはバルサにチャンス。エトーから右のジュリにボールが展開、ジュリから中央のイニエスタにパスが渡ると、一気に前線へ駆け上がったエトーに再びボールが回る。エトーはPエリア内でDFコスタクルタをかわしてシュートを放ったが、GKヂダが体を張ってゴールを守った。
 16分、ミランはミスからピンチを招く。ディフェンスラインでボールを回していたところ、カラーゼの無用心なプレーからボールをエトーに奪われる。エトーは再びPエリア内まで持ち込み、シュート。飛び出したGKヂダがシュートを体に当て、さらにゴールに向かうルーズボールをコスタクルタが何とかクリア、ピンチを脱する。
 22分、ミランはショートコーナーからボールを展開し、最後はオフサイドラインをかいくぐったシェフチェンコが右からシュートを放ったが、サイドネットに外れた。

 後半に入って50分のミラン。中盤でボールをつなぎ、やや右にひらいたシードルフから、左前方にクロスが送られる。ここにシェフチェンコが飛び込みヘッドを叩きつけるが、GKの正面だった。逆にバルサは53分、ロナウジーニョから右サイドでスルーパスを受けたジュリがダイレクトで折り返すと、ゴール前まで上がっていたDFのベレッチがシュートを狙ったが、タイミングが合わずに空振りしてしまった。
 68分、ミランはセットプレーのチャンスでゴール前にボールを放り込むと、シェフチェンコが頭で合わせ、ボールはゴールに吸い込まれたかに見えたが、シュートの前にDFを倒しておりノーゴール。75分、左にひらいたバルサのエトーが狙い済まして上げたクロスに、途中出場のラーションが強烈なダイビングヘッドを放つ。だが、ここもGKヂダの攻守に阻まれた。その1分後には、カウンターからロナウジーニョが2対1の局面を作る。ロナウジーニョはボールを溜めて、左を上がってきたデコへパス。デコが放ったシュートは、だがGKヂダの正面だった。
 この後もゲームが動くことはなく、ホームを無難にスコアレスドローで終えたバルサが、決勝への切符を手にした。


―TOTAL―
ACミラン 0−1  バルセロナ



 
 






―FIRST LEG―
アーセナル 1−0  ビジャレアル
トゥレ 41'

 アーセナルのホーム、ハイバリーは今シーズン限りであり、欧州カップ戦としては最後のゲーム。ビジャレアルはもちろん、アーセナルにとっても初の準決勝のゲーム。アーセナルはいつも通りアンリのワントップ。ビジャレアルも前線はベストの顔ぶれだが、GKを含む守備陣の一部は、出場停止などで変更を余儀なくされた。
 立ち上がりからアーセナルペース。12分にはピレスからアンリへスルーが通り、ゴールも決まったかに見えた。だが、オフサイドと判定されしまった。その後もアーセナルのチャンスは続き、33分のCKでは、ゴール前の混戦からシュートを次々とはなったが、ことごとく弾き返されてしまった。
 だが、41分に得た5本目のCKのチャンスから、弾き返されたボールを拾ったアンリがフレブにスルーを通すと、フレブのクロスにトゥレが合わせ、ついにアーセナルが先制点を挙げた。
 一方のビジャレアルは24分にゴール正面25Mほどの距離からリケルメのFKのチャンスがあったが、ボールはGKレーマンの正面。36分にはフォルランが左サイドからゴール前にボールを折り返してチャンスを作ったが、ホセ・マリには合わなかった。
 しかし前半終了間際、再びリケルメにFKのチャンスが訪れる。このFKはGKレーマンに弾き返されたが、再びアーセナルゴール前にボールが放り込まれると、ボールをめぐって混戦となる。ここで、ホセ・マリがアーセナルのジルベルトにPエリア内で倒されたに見えたが、ノーホイッスルで不運にもPKのチャンスを逸した。

 後半最初のビッグチャンスはアーセナル。56分、右サイドを深くえぐったエブエからの折り返しに、アンリが右足を出してあわせる。だが、シュートはDFアルソに頭でクリアされた。その後のチャンスシーンは少なく、ロスタイムに迎えたアーセナルFKのシーンでは、ゴール前に放り込まれたボールをアンリが頭で途中出場のベルカンプへ落としたが、シュートの寸前にDFベンタがカット。

ゲームはこのまま、アーセナルの1得点のみで終了した。


―SECOND LEG―
ビジャレアル 0−0  アーセナル

 ビジャレアルはタッキナルディが出場停止。アーセナルはレジェスが出場停止から復帰。また、アウェーなのでベルカンプは不在。前半、チャンスを作ったのはビジャレアルのみ。アーセナルは守りに終始する。
 18分、ビジャレアルは左サイド深いところまでリケルメが持ち込み、ゴール前へパス。これをマルコス・セナがポストとなって戻したところ、ソリンがシュートを狙ったが、GKレーマンの正面。41分には左からハビ・ベンタが上げたクロスに、フランコがニアサイドに飛び込んだが、ヘディングシュートはレーマンの足に当たり、ゴールならず。

 後半に入って68分、フランコの蹴ったボールはアーセナルゴールに飛び込んだが、思いっきりオフサイド。その後、両チーム大きなチャンスのないまま終盤まで進み、あと少しでゲームが終了しアーセナル勝ち抜けが決まるという88分、アーセナルDF、クリシがPエリア内でホセ・マリを倒し、ビジャレアルがPKのチャンスを得た。
 これを決めれば2試合トータルで同点、勝敗の行方は延長に委ねられる。しかし、GKレーマンはリケルメの蹴った方向に反応しており、シュートをブロック。アーセナルは、延長の4分間も無失点に抑え、このゲームをスコアレスドローで終了。結果として、アーセナルが決勝進出を決めた。


―TOTAL―
アーセナル 1−0  ビジャレアル