〜 準決勝 〜

'04/04/20,21 第1戦
'04/05/4,5 第2戦


モナコvsチェルシー  ポルトvsデポルティボ


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―FIRST LEG―
モナコ 3−1  チェルシー
プルソ 17'
モリエンテス 78'
ノンダ 83'
クレスポ 22'

 立ち上がりは両チームとも積極的なプレーを見せる。16分、モナコのロテンにメルヒオットが強烈なスライディング。イエローを受けると共に、モナコに左サイドからのFKを与えてしまう。このチャンスにロテンが左足で蹴りこんだワンバウンドボールを、プルソがヘディング。ボールはゴール左上隅に飛び込み、モナコが先制した。
 対するチェルシーは22分、粘り強い攻撃でチャンスを作る。左サイドから放り込まれたボールをファーサイドのパーカーが再びゴール前へ折り返す。このボールを受けたグジョンセンは、足元に入りすぎて転倒。しかし、起き上がりざまに横のクレスポへボールを渡すと、クレスポがシュートを叩き込んで、早い時間にチェルシーが追いついた。
 34分、モナコのジュリが後方からのロングボールに反応、Pエリア内でシュートまで持ち込んだが、ディフェンスに体を合わされたためシュートに勢いなく、GKにキャッチされた。

 後半49分、モナコのCKのシーンで、モリエンテスがプレーに絡んだデサイーに肘打ちを食らったが、笛は無し。さらに続くCKでプルソがヘディングシュートを放ったが、チェルシーGK・アンブロージオがパンチングで逃れた。
 52分、引き続き攻めるモナコはジコスがPエリアでボールを追うも、マケレレに身を挺してボールをクリアされる。このときにジコスがマケレレの頭をはたき、ジコスは一発レッド。マケレレにも挑発行為にイエローが出され、累積で次節出場不可能に。
 ゲームはここからやや荒れ模様に。ひとり多いチェルシーだが、むしろモナコのほうが得点への意欲を感じる。そのモナコが77分にカウンター。左のエヴラから前線のジュリにボールが入ると、そこからさらに右サイドで1枚余っていたモリエンテスへパスを通す。モリエンテスはそのままボールを持ち込み豪快にシュート、ついにモナコが追加点を挙げた。
 83分、モナコはジュリに代えてノンダを投入。その20秒後、左サイド後方のロテンからゴール前へクロスが放り込まれると、ノンダがすばやい飛込みから足を伸ばし、ゴール。モナコはついに2点差をつけた。そしてゲーム終了。モナコは数的不利ながらホームで勝利し、第2戦へ折り返すことになった。  


―SECOND LEG―
チェルシー 2−2  モナコ
グロンキア 22'
ランパード 44'
イバーラ 45'+2'
モリエンテス 60'

 チェルシーはマケレレとデサイーが出場停止。モナコはジコスを欠く。
 後のないチェルシーは立ち上がりから攻勢に出る。オープニングシュートは開始35秒、モナコのクリアボールを奪ったハッセルバインクがゴール正面20Mの距離から放ったが、GK正面。
 16分、チェルシーは分厚い攻撃からジェレミが強烈なミドルシュート、モナコGK・ローマはボールを前にこぼしてしまう。弾いたところにいたジョー・コール、ダイレクトボレーでゴールを狙ったが、大きくゴールをはずしチャンスを逃してしまう。その直後には、ジョー・コールが中央を持ち込みハッセルバインクにパス。ハッセルバインクはPエリアやや右に突入しシュートを放ったが、GKローマががっちりとブロックした。
 22分、チェルシーのグロンキアがクロスを狙うかのように右サイドでためを作った後、おもむろに蹴りこんだボールがGKの上を越えてゴールファーサイドに吸い込まれ、芸術的なシュートでチェルシーが先制した。これでトータルスコアは1点差、俄然スタジアムは盛り上がる。

 しばらく防戦一方だったモナコだが、25分に得たCKの流れからチャンスを迎える。右のCKを蹴り終えたロテンにボールが再び戻りゴール前へ折り返すと、ゴール正面でモリエンテスがシュート。しかしこのボールは惜しくも右ポストに阻まれてしまった。
 32分のチェルシー。右サイドにひらいたハッセルバインクがディフェンスを振り切り絶妙なセンタリング。GKローマは飛び出すものの目測を誤り、そして走りこんできたグジョンセンがドンピシャのヘッドを放つ。だが、シュートはクロスバーに当たりゴールならず。36分にはモナコゴール前でボールをつなぎ、最後はランパードが胸トラップからボレーシュートを蹴りこんだが、GKローマが片手でボールをたたき出しゴールを守った。
 41分にモナコの逆襲。自陣ゴール前でボールを拾ったロテンが粘って中盤まで持ち込み、前線のモリエンテスへパス。ワンタッチでディフェンスをかわしGKとの1対1、しかしモリエンテスは絶好のチャンスにシュートを左に外してしまった。
 そして前半も残り少なくなったころ、ついにチェルシーがモナコを捉える。44分、ポストに入ったグジョンセンがディフェンスの裏へ通したボールに、ランパードが走りこんでシュート。ボールはゴール左に飛び込み、トータルスコア3対3、アウェーゴールの差からチェルシーがモナコに対しリードを奪った。
 だが、前半はこれで終わりではなかった。ロスタイムに入って2分、モナコのロテンが左サイドを突破、Pエリアを深くえぐってから折り返したボールをモリエンテスがヘッド。ボールは右に流れポストに当たったが、詰めていたイバーラが体に当てながらボールを押し込んでゴール。再びトータルでモナコが上回って後半へ折り返した。

 前半同様、チェルシーは後半開始早々にチャンス。左サイドをオーバーラップしたブリッジが巧みなドリブルでディフェンスを3枚かわしてシュート。このボールはベルナルディに当たってしまったが、グジョンセンの元へ。グジョンセンのシュートは、しかしミートしなかった。51分にもチェルシーは同じような場面を迎える。ブリッジが左を上がって折り返したボール、ディフェンスに当たってグロンキアの目の前に転がり込んだが、インサイドで狙ったシュートはクロスバーを大きく越えてしまった。
 続けざまにチャンスを逃したチェルシーに対してモナコは60分、チェルシー陣内でボールを回すと、モリエンテスが左から右に流れながらベルナルディとのワンツーでPエリアへ。モリエンテスはそのままGKの下を抜くシュートをゴールに叩き込み、この試合を同点に、トータルでは5対3と2点リードとした。

 チェルシーはクレスポら3枚のカードを切って何とか打開を図ろうとするが、むしろチームとして機能しなくなってしまった。徐々にチェルシーの勢いがなくなり、そのままゲーム終了。チェルシーはここで敗れ、モナコはクラブ史上初の決勝進出を決めた。  


―TOTAL―
モナコ 5−3  チェルシー



 
 






―FIRST LEG―
ポルト 0−0  デポルティボ

 両チームともプレッシャーが厳しく、なかなか決定的なシーンが作れない。その上、累積イエローが2枚という選手をお互い多く抱えており、カードをなるべく受けたくないところ。だが29分、デポルティボのマウロ・シルヴァにイエローが出てしまい、次節は出場停止に。
 37分、ポルトはデポルティボPエリア内左でカルロス・アルベルトがボールを受けると、ディフェンダーを個人技で振り切って鋭い折り返しを放り込む。マッカーシーがここに詰めていたが、デポルティボのナイベトが先にクリアしピンチを逃れた。前半はお互い枠に飛んだシュートがないまま、ハーフタイムへ。

 後半頭から、ホームのポルトはコスティーニャとアレニチェフを下げ、ペドロ・メンデスとヤンカウスカスの2枚を入れてきた。デポルティボは54分、左のヴァレロンにボールが出ると、ゴール前右サイドにいたパンディアーニへ絶妙なパスを通す。パンディアーニはPエリア直前で倒されたが、ホイッスルはなかった。
 66分、ポルトのマニシェがミドルシュート、GK・モリーナの上からゴールを狙ったが、惜しくもクロスバーをたたきゴールならず。78分にはヤンカウスカスがスルーパスに飛び出したところをペドロ・エマヌエルに倒されたが、これにも笛は吹かれなかった。
 83分にポルトは右サイドからのセットプレーのチャンス。デコが放り込んだボールにファーサイドから走りこんできたヤンカウスカスがドンピシャのヘッドを見せたが、惜しくもゴール左に外れた。
 86分、デポルティボのアンドラーデが自らデコを倒した後、さらに背中を蹴って一発退場。無意味な行為で大事な次節を欠場することに。そしてホイッスル。デポルティボにとっては大きな引き分けを手に入れた。


―SECOND LEG―
デポルティボ 0−1  ポルト
デルレイ 60'(PK)

 小雨が降る中でのゲーム。今期UCLでのホームゲームは予選を含めて6戦全勝とめっぽう強いデポルティボ。だが、このゲームではマウロ・シルヴァとアンドラーデを欠く。ポルトはデルレイが怪我から復帰。ただし、先発メンバーには累積イエローが気になる選手が6名もいた。
 序盤は互角の展開。開始10分、中盤でボールを受けたポルトのデルレイにナイベトが深いスライディング。デルレイが早めにボールを離していたため、ナイベトは早々にイエローカードを受けてしまう。
 時間がたつとポルトペースに。16分、デポルティボの守りの前になかなかPエリア付近までボールを運べずにいたが、ふとゴール前でフリーとなっていたマニシェにボールが入る。しかしマニシェのボレーシュートはミートせず。
 そして前半も終盤になると、デポルティボの時間帯に。27分、デポルティボはインターセプトからチャンスを作る。ゴール前に飛び出したパンディアーニにヴァレロンがふわりと浮かしたボールを通し、パンディアーニはそのままボレーシュート。しかしボールはクロスバーを越えた上、オフサイドだった。
 36分にもデポルティボに決定的チャンス。セットプレーからドゥーシェルが頭でつないだボールが、オフサイドラインの裏にいたヴァレロンに通る。オフサイドにはならなかったが、後方から来たボールにダイレクトであわせたものの、シュートは枠の外だった。

 後半へ折り返して早々の2分に、ポルトのチャンス。右サイドからデコがゴール前に絶妙なボールを放り込む。最初に飛び込んだマニシェの足には合わなかったが、裏に飛び込んできたデルレイがダイビングヘッド。しかし惜しくもゴールポストに弾かれた。
 58分、ポルトはデコが強引にドリブルで持ち込むと、セサールが思わずファール、ポルトにPKを与えてしまう。キッカーはデルレイ。大ブーイングの中、デルレイが左隅にはなったシュートにGKモリーナは反応したが、わずかに届かずポルトが先制した。
 65分のデポルティボの反撃。左後方ルケからのセンタリングに、パンディアーニがディフェンスの前に入って頭で合わせる。だがこのシュートはゴール右に外れてしまった。
 その後もデポルティボはポルトゴールを攻め立てたが、70分、ポルトのパウロ・フェレイラがワンツーで右サイド突破を図ったところ、ナイベトが足をかけて倒してしまい2枚目のイエロー。デポルティボは10人で残り20分を戦うことになってしまった。
 必死に反撃を試みるデポルティボ。しかし、ポルトの集中した守りの前にチャンスが作れない。89分、トリスタンがポルトPエリア内で倒れたが、シミュレーション。そして4分間のロスタイムを経て試合終了。ポルトがアウェーで1点をもぎ取り、決勝進出を決めた。


―TOTAL―
ポルト 1−0  デポルティボ