〜 準々決勝 〜

'04/03/23,24 第1戦
'04/04/6,7 第2戦


ACミランvsデポルティボ  ポルトvsリヨン

チェルシーvsアーセナル  Rマドリッドvsモナコ


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―FIRST LEG―
ACミラン 4−1  デポルティボ
カカ 45' 49'
シェフチェンコ 46'
ピルロ 53'
パンディアーニ 11'

 先制はアウェーのデポルティボ。左のショートコーナーからカプテビラがセンタリング、これにひとり飛び込んだパンディアーニがドンピシャのヘッドを叩き込んだ。
 16分、ACミランのカフーからのクロスをファーサイドのカカがインサイドキックでゴールを狙ったが、ボールはゴール右に外れた。その後もややミラン優勢でゲームは進むが、引き気味のデポルティボの前にゴールを決めるには至らず、前半も終わろうとしていた。その45分、右サイドでボールを奪ったACミランはカフーがゴール正面に放り込むと、ボールは後方からPエリアに走りこんできたカカの元へ。カカは左足のももでワントラップすると、そのまま右足を振りぬき、きれいなボレーシュートをゴールネットに突き刺し同点においついた。
 さらに前半ロスタイム2分、カカが左サイドのシードルフにオフサイドすれすれのパスが通るとそのままダイレクトにクロス、ファーサイドに走りこんでいたFインザーギの頭にぴたりと合ったが、シュートはゴール右に流れてしまった。ミランが勢いに乗ったところでハーフタイム。

 後半開始20秒足らず、ミランは前半の勢いそのままに電光石火の得点。左サイドでボールを受けたシェフチェンコは最初のタッチでアンドラーデの股間を抜いてディフェンス人の裏へ飛び出すと、寄せてきたナイベトを軽い切り返しでかわしてそのままシュート。見事な個人技での得点だった。
 49分、中盤シードルフからのループパスをFインザーギが頭で落としてシュート。ボールはゴールネットを揺さぶったが、きわどいオフサイドの判定でノーゴール。しかしその直後、左サイドでシードルフがボールを奪いゴール正面のカカへパス。カカはワントラップからゴール右にシュートを流し込み、この日2点目を挙げた。
 そして53分、シェフチェンコが倒されてACミランにFKのチャンス。ゴールからやや左、距離25Mほどの絶妙な位置。ここでピルロが直接狙うと、ボールは壁を越えてから急速に落ち、GKモリーナが手で触ったもののそのままゴール。鮮やかなFKで、デポルティボに3点差とした。
 ミランはその後もチャンスを作る。63分にピルロがインターセプトからオーバーラップ、そしてトップのインザーギへふわりと浮かしたボールを放り込む。インザーギは後方からのボールに走りこみながらヘッド。しかしこれはGKモリーナの正面だった。
 デポルティボは77分、パンディアーニがゴール正面で鋭いヘディングシュートを見せたが、GKヂダの正面。その後はミランがきっちりと守って試合終了。10分ほどの間で4得点をたたき出したACミランがまずは先勝した。


―SECOND LEG―
デポルティボ 4−0  ACミラン
パンディアーニ 5'
ヴァレロン 35'
ルケ 44'
フラン 76'

 両チームともほぼベストメンバーで、この試合に臨む。初戦で大敗を喫したデポルティボは、このホームゲームで少なくとも3点を取らなければならい。前線から積極的にボールを追って行く。だが、ミランも守りに入ることなく立ち上がりから攻めていく。
  4分のミラン、右サイド後方からカフーが強引に蹴りこんだボールがデポルティボゴール前に落ちてきたところ、この日シェフチェンコと2トップを組むトマソンが抜け目なく詰めてシュート。GKモリーナがボールをこぼしはしたが、ディフェンスがクリアしてピンチを救う。押されていたデポルティボはその直後、ゴール正面に張っていたパンディアーニにボールが入る。パンディアーニはマルディーニを揺さぶってからシュート。マルディーニの足元を抜けたボールがゴール右隅に吸い込まれ、デポルティボがまず1点を取った。
 攻め続けるデポルティボ。右サイドからヴィクトルが放ったシュートはミランディフェンスに当たってゴール右上に飛んだが、ポストに当たってゴールならず。19分にミランのカウンター。ミランGKヂダからのロングボールを追ったカカが右サイドを抜け出し、あっという間にGKモリーナと1対1に。カカはモリーナをかわしてシュートを狙ったがモリーナも反応、こぼれたボールはゴール前を横切った。
 26分、デポルティボは右のパブロからのクロスをヴァレロンが頭で落とし、ヴィクトールへ。ヴィクトールはPエリア内でボールを溜めた後、再びヴァレロンへリターン。ゴール正面からヴァレロンが放った低いシュートは、しかしヂダが素早く反応しはじき出した。
 35分にデポルティボは右のCKを得る。放り込まれたボールは左サイドまで流れたが、左のルケから折り返された絶好のボールをヴァレロンがフリーでヘッド、デポルティボに追加点が入った。デポルティボの勢いはとまらない。44分、GKモリーナからのロングフィードがルーズになりミランディフェンスラインの裏にこぼれたところ、ルケがスピードでカフーをかわし抜け出すとそのまま落ち着いてゴール左上にシュートを突き刺し、ついに大きな3点目を奪った。これで2試合トータル 4-4 。アウェーゴールを挙げているデポルティボがこの時点でミランをリードした。

 後半も激しい攻防が続く。51分、ミランはピルロが後方からデポルティボのディフェンスライン裏へボールを放り込む。走りこんだトマソンはそのままダイレクトでシュートを狙ったが、ミートせずゴール左へ外れた。53分のデポルティボ、左サイドをルケがカフーとネスタを振り切ってPエリアに突入。惜しいシーンだったが、なんとかカフーが競い勝ち、シュートを打たせなかった。
 時間がたつにつれ、ホームの観客の後押しもあり、デポルティボが優位にゲームを運ぶようになっていく。そして76分、デポルティボのフランが右サイドからのセンタリングをファーサイドで受けると、そのままシュート。このボールがカフーに当たってGKヂダの逆をつく格好となり、デポルティボに追加点が入った。  まだ1点でも取れば2試合トータルでイーブンになるミランは82分、交代で入ったばかりのルイ・コスタが強烈なミドルシュート。すばらしいコースに飛んだが、GKモリーナが横っ飛びでクリアした。89分にはガットゥーゾのすばやいインターセプトからトップに張った途中出場のインザーギにボールが入ったが、振り向きざまのシュートはやや力なく、モリーナがキャッチ。そしてそのままこの日はACミランに得点を許すことなく試合終了、デポルティボがディフェンディングチャンピオンのACミランを倒し、準決勝進出を決めた。


―TOTAL―
ACミラン 4−5  デポルティボ



 
 






―FIRST LEG―
ポルト 2−0  リヨン
デコ 44'
カルバーリョ 71'

 立ち上がりはポルトが右から左からと攻撃を組み立て、リヨンはしっかりと守りながら時折ポルトゴールに襲いかかる展開。30分、左45度30M強の位置でポルトのFK。デコが右足で蹴りこんだボールは飛び込んだ選手が触ることなくそのままゴール右サイドへ。あわや知ってんというところ、GKクペがすばらしい反応のパンチングで逃れた。
 前半終了間際の44分、ポルトのカルロス・アルベルトが右サイドに開いてセンタリング。ファーサイドでボールを受けたマッカーシーはダイレクトボレーでシュート性のパスをゴール前に叩き込む。このボールにデコが右の太ももで合わせ、ついにポルトに得点が入った。

 後半もポルトペースだが、大きなチャンスは無いまま淡々と進む。71分、ポルトは右サイドでFKを得る。デコがゴール前にあげたボールにカルバーリョがゴール正面フリーでヘッド、ポルトが追加点を挙げた。83分、ポルトはGKからのロングボールを受けたマッカーシーがそのままミドルシュート。変化するボールにGKクペは足でクリアーした。
 リヨンは最後までチャンスを造ることができず、むしろこれ以上の失点を嫌うかのようなプレー。そのためかゲーム終盤にはポルトに与えるFKも多くなり、ポルトペースが変わることなくゲームは終了した。


―SECOND LEG―
リヨン 2−2  ポルト
リュインドゥラ 14'
エウベル 90'
マニシェ 6' 47'

 ビハインドを背負ったホームのリヨンはゴブやキャリエールを故障で欠いて、このゲームを迎えた。
 最初のチャンスはそのリヨン。4分、左サイドのマルダから上がったクロスをエウベルが頭で落とすと、前で拾ったリュインドゥラがそのままシュートをゴール左に流し込む。しかし、微妙なオフサイドの判定でゴールならず。その1分後にもリュインドゥラがポルトDFラインの裏に出たボールに反応。強烈なシュートを放ったが、GKバイアがなんとかこれを止めた。
 前掛りになっているリヨンに対しポルトが6分に早い組み立てで反撃。デコが中央でボールを持つと、右サイドを上がってきたマニシェにスルー、マニシェはダイレクトでゴールにボールを叩き込み、アウェーのポルトが先制した。
 リヨンは14分、左サイドのマルダが深くえぐりゴール前に折り返したところ、リュインドゥラがゴール正面でトラップからシュートを押し込み、1点を返した。
 その後もリヨンが押し気味ながら、決定的チャンスには至らない。29分、ポルトゴール前でボールをつないだエウベルが小さいステップでシュートを放ったが、GKバイアがハンチングで逃れた。

 後半開始早々ポルトに追加点が入る。左サイドでデコがフリーになりセンタリング、先制点と同じく右サイドでフリーとなっていたマニシェ、ボレーシュートを直接叩き込んだ。ポルトにアウェーゴールを2点奪われたことで、少なくとも4点が必要となってしまったリヨン。55分、ジュニーニョが左後方からゴール前に放り込んだボールにエウベルが飛び込んだが、わずかに頭が届かなかった。
 74分、リヨンのエヂミウソンがこの日2枚目のイエローで退場。リヨンにとってかなり厳しい状態となってしまった。その後大きくゲームが動くことはなく、90分にエウベルがヘッドで得点を上げ一矢報いたが時すでに遅し。ポルトがベスト4を勝ち取った。


―TOTAL―
ポルト 4−2  リヨン



 
 






―FIRST LEG―
チェルシー 1−1  アーセナル
グジョンセン 53' ピレス 59'

 ベスト8のゲームで迎えたロンドンダービーの第1戦、まずはチェルシーのホーム。アーセナルはアウェーながら海外遠征ではないため、ベルカンプがスタメンに名を連ねた。
 序盤はアウェーのアーセナルが遅攻でペースを支配しようとする展開。ゲーム開始9分、アシュレイ・コールがベルカンプとのワンツーで左サイドを上がりアーリークロス、ボールを受けたピレスはシュートまでもちこんだが、これはオフサイド。その後は両チームとも一進一退の攻防が続くものの決定的なチャンスは無く、前半を終了。
 後半に入って49分、チェルシーはCKの流れからランパードがミドルシュート。ボールはキャンベルに当たってゴール右にコースを変えたが、わずかに枠の外だった。53分、チェルシーのグジョンセンがディフェンスからのロングボールを全力で追うと、Pエリアから飛び出し先にクリアを狙ったアーセナルGK・レーマンのボールをカット、そのまま左サイドからダイレクトでシュートを放つ。このボールが見事ゴール右サイドに転がり込み、チェルシーが先制した。
 その後続けてチェルシーがチャンスを作る。57分には、左サイドでボールを受けたムトゥが外を見ながら中にヒールパス。走りこんだランパードがダイレクトで蹴りこむが、GKレーマンが何とかブロックした。耐えるアーセナル。しかし59分、アーセナルは左のコールがふわりとしたボールをゴール前に走りこんできたピレスに正確に放り込むと、ピレスは頭でゴール左にシュートを決め、厳しい時間帯に同点に追いついた。
 この得点でやや勢いを取り戻したアーセナル。64分、右サイドからのアーセナルのFKをチェルシー第3のキーパー、アンブロージオがパンチングをするがなんと正面のアンリへ。アンリはダイレクトでループを狙ったが、あわやというところでディフェンスが頭でクリアした。
 チェルシーは72分にクレスポとジョー・コールを投入し、再び攻勢を強める。だが80分、デサイーがGKレーマンがスロー使用としたボールを手で邪魔したことで不要なイエローをもらうと、その3分後には、レジェスからのスルーに反応したヴィエラに対し、やむなくスライディング。2枚目のイエローにより退場となってしまった。
 数的不利となったチェルシーは、無理に攻めないアーセナルに対しても得点を狙いに行く。90分には左サイドを抜けたブリッジがセンタリング、ゴール正面に入ったクレスポが何とかボールにあわせようとしたが、シュートは力なくレーマンがキャッチ。
 そして試合終了のホイッスル。初戦はドローという結果に終わった。


―SECOND LEG―
アーセナル 1−2  チェルシー
レジェス 45'+1' ランパード 51'
ブリッジ 87'

 少なくとも1点は取らないといけないチェルシーは、立ち上がりからすばやいチェックでアーセナルを自由にさせない。厳しい中でも19分、アーセナルはカウンターをみせる。中央を上がったリュングベリから右のレジェスへボールが渡ると、レジェスは再びボールを中央へ。猛スピードで上がってきたリュングベリはワンツーのボールを受けずにスルー。その裏、左サイドを上がってきたアンリに見事ボールが通った。アンリはワンタッチ後にシュート、ゴール右を狙ったが、惜しくも枠を外した。
 チェルシーのチャンスは21分、左サイド後方からブリッジが前方のグジョンセンにパスを送る。グジョンセンはこのボールをスルーし、ダフにボールを任す。ダフはワンタッチでディフェンスラインを抜けると、追ってきたキャンベルを切り返しでかわしてゴール正面でそのままシュート。しかしエドゥのスライディングもあって、シュートはゴール左に外れた。
 前半の終盤にはアーセナルの攻撃の時間帯となる。そしてロスタイム、右サイドにひらいたローレンのクロスをファーサイドのアンリが頭で落とすと、走りこんできたレジェスがこぼれ球を ゴールに叩き込み、アーセナルが先制して前半を終了。

 後半の51分、チェルシーはアーセナルゴール前の展開から、マケレレが強烈なミドルシュートを放つ。このボールをGKレーマンは抑えることができず正面に弾いてしまった。すばやく詰めたランパードが難なくシュートを決めて、チェルシーが同点に追いついた。
 この得点により、2試合トータルでイーブンとなった。ここからはまさに一進一退の攻防。攻守の切り替わりが早く、ボールはなかなか切れないため、目の離せない展開が続く。72分、アーセナルはレジェスがゴール正面からシュートを放ったが、チェルシーGK・アンブロージオが横っ飛びでクリアした。
 81分、アーセナルはアンリに代わってベルカンプを投入。85分、チェルシーは左サイドを突破したジョー・コールの折り返しをグジョンセンがゴール正面でシュート、だがゴールライン上にいたアシュレイ・コールにクリアされ、ビッグチャンスを逃してしまう。
 しかしチェルシーの時間が続く。2分後、アーセナルサイドでボールをまわしたチェルシーはブリッジがグジョンセンとのワンツーで左を突破、そのままシュートをゴール右に突き刺し、土壇場で大きな1点を手に入れた。アウェーゴールの差から2点が必要なアーセナルにとっては、絶望的な時間帯。それでも89分、後方からのFKでロングボールをゴール前に放り込むと、 トゥレがフリーでヘッド。しかしミートしなかった。そしてついにタイムアップ。チェルシーが逆転でアーセナルを下し、ベスト4進出を決めた。アーセナルはベスト8で姿を消すこととなった。


―TOTAL―
チェルシー 3−2  アーセナル



 
 






―FIRST LEG―
Rマドリッド 4−2  モナコ
エルゲラ 51'
ジダン 70'
フィーゴ 77'
ロナウド 81'
スキラッチ 43'
モリエンテス 83'

 ホームのレアルはロベルト・カルロスが出場停止。だが、もちろんレアルペースでゲームは展開する。最初の決定的チャンスは、だが、モナコに訪れる。19分、縦へのロングボールに競り勝ったジュリがディフェンスラインの裏を取る。飛び出してきたGKカシージャスの脇を抜けるシュートを放ったが、ゴールマウスに戻ってきたサルガドがスライディングしながらのクリアーでピンチを救った。
 32分、この日キレていたフィーゴが右サイドでディフェンス2人を振り切ってクロス。ゴール正面でフリーとなっていたロナウドの頭にぴたりとあったが、ロナウドがまさかのシュートミス、ゴールマウスを外してしまう。2分後にレアルはゴール正面でFKのチャンス。早いリスタートからジダンがミドルシュート、だが、惜しくもゴール左ポストに弾かれてしまった。
 42分のモナコ。中盤でジュリがボールを奪いそのままドリブル。Pエリア内まで持ち込みシュートを打ったが、カシージャスがクリアした。続くCK、ボールは一度流れたものの再びゴール前に放り込まれ混戦に。ここでスキラッチが体制を崩しながらもボールをゴールに押し込んで、アウェーのモナコが先制し前半を折り返した。

 後半の51分、レアルが左のCKを得る。ベッカムが蹴りこんだボールになだれ込む選手たち。モナコディフェンスがクリアしたかのように見えたが、エルゲラがボールをゴールに押し込んでおり、同点に追いつく。
 58分のレアル。ボールは中盤のグティから少し左に開いたロナウドへ。ロナウドはダイレクトで左足を一閃、逆サイドのゴール右を狙ったが、GKローマがすばらしい反応でこのシュートをクリアした。
 70分、フィーゴがPエリア内でジダンからパスを受けシュート。強烈なボールを、しかしGKローマがブロック。だがこのボールがジダンの元へ。ジダンは落ち着いてシュートをゴールに叩き込み、レアルが勝ち越しを決めた。
 74分、モナコは左サイドから崩してゴール正面のジュリにセンタリングが通る。そのジュリのボレーシュートに、レアルのエルゲラがスライディングブロック、ピンチを救った。
 その1分後、ロナウドがPエリアでボールをまたぐフェイントから突破にかかる。遅れを取ったスキラッチはロナウドに足をかけてしまいPK。キッカー・フィーゴは変則的なステップからゴール中央にボールを蹴りこむ。しかし、GKローマはこのボールを左手で見事ワンハンドブロック。だが次の瞬間、バウンドするボールを再びフィーゴが抜け目なく頭で押し込み、ゴールが決まった。
 81分、レアルは右サイドからジダンがラウールとのワンツーでゴール正面まで上がり、そのままやや左サイドにいたロナウドにパス。ファーストタッチでPエリアに侵入したロナウドはそのままシュート、ゴール右隅にボールが蹴りこまれ、レアルに4点目が入る。
 83分、モナコは右サイドでプラシルが切り返してからクロス、このボールにモリエンテスが競り勝ち、ヘディングシュートを決めて1点返した。そのモリエンテスに対し、サンチャゴ・ベルナベウの観客からは拍手が送られていた。
 90分、右サイド中盤からプラシルがトップに走りこんでいたジュリにすばらしいロングパスが放り込まれる。ジュリは走りながら直接ヘッドで狙ったが、ボールはGKカシージャスの正面だった。
 93分、フィーゴが右サイドを突破しクロス。ニアサイドのジダンがヘディングシュート、しかし惜しくもボールはゴール前を横切ってしまった。試合終了直前、ベッカムがイエローを受けてしまう。これで次節出場停止に。ゲームはこのまま終了。モナコは敗れたもののアウェーゴールを挙げており、第2戦も目が離せない。


―SECOND LEG―
モナコ 3−1  Rマドリッド
ジュリ 45'+1'、66'
モリエンテス 48'
ラウール 36'

 初戦に4点を失いながらもアウェーゴールの2点が大きな望みのモナコ。ホームゲームでなんとしても得点を稼ぎたいところだが、攻撃力のあるレアルに対し序盤は守りからゲームを組み立てる。
 11分のレアル、この日好調そうなロベルト・カルロスが左サイドから早い折り返しを放り込み、ラウールがあわせようとゴール前に鋭く飛び出したが、数十センチ届かず。16分、ジダンがモナコ自陣深いところでインターセプト。そのままふわりとしたミドルシュートでゴールを狙う。ボールはゴール右上隅を捕らえていたが、GKローマがすばらしい反応でボールをはじき出した。
 モナコは28分、ゴールから左寄り20mほどのところでFKを得る。ちょんとボールを転がしたところにモリエンテスが走りこみ強烈なシュートを放ったが、GKカシージャスがきっちりはじき出した。先制はアウェーのレアルに入った。36分、左サイドをロナウドがドリブルで持ち上がり中央へパスを出すと、手前を走っていたジダンがスルー。この2人にモナコディフェンスは引き付けられていたため、裏を走っていたラウールはまったくのフリー、落ち着いてゴールを決めた。これでモナコは少なくとも3点が必要となってしまった。
 そのモナコは前半ロスタイム、左のエヴラから放り込まれたセンタリングをモリエンテスが頭で落とすと、ジュリがミドルシュート。このボールがロベルト・カルロスに当たってコースを変え、ゴール左に吸い込まれた。モナコが1点を返し、後半へと折り返した。

 後半はモナコが前半序盤の守勢がうそのように、攻勢に出る。ゲームはほとんどレアル陣内で展開される。そんな中の48分、モナコは左後方のエヴラからゴール前にボールが放り込まれると、モリエンテスが長い滞空時間のヘディングシュートで見事ゴール左のネットを揺さぶり、逆転。この時点でまだレアルがトータルでリードをしていたが、アウェーゴールの差から、次の1点が勝敗に大きな影響を与える展開に。
 59分のモナコの攻撃。右後方イバーラからのロングフィードを、Pエリア内のモリエンテスが左サイドでダイレクトシュートを狙ったが、これはGK正面。しかし66分、イバーラが今度は右サイドを上がってシュート性のボールを蹴りこむ。このボールを、ゴール前に張っていたジュリがヒールでコースを軽く変え、見事ゴール。重要な1点を、勢いに乗ったモナコがついに手にした。
 74分、レアルにチャンス。左サイドのロベルト・カルロスからゴール前にきれいなセンタリングが放り込まれると、抜け出したラウールがドンピシャのタイミングでヘディングシュートをゴールに叩き込んだ。だが、これはわずかにオフサイドの判定でノーゴールとされてしまった。
 81分のモナコの左CK。ロテンが放り込んだボールに途中出場のノンダがヘディングシュートをたたきつけたが、バウンドしたボールは左ゴールポストに弾かれてしまった。ロスタイムに入って、今度はノンダがドリブルで左サイドを上がると中央のアデバイヨルへ折り返す。モリエンテスに代わって途中出場のアデバイヨルはワントラップしてシュートを放ったが、ゴール左上隅のポストに阻まれてしまった。
 レアルは最後の粘りで、ジダンが右サイドをドリブルで持ち上がりファーサイドにクロスを上げたが、走りこんで足を延ばしたラウールのシュートは、ミートせずにクロスバーを大きく超えていった。そして、ロスタイム5分を終えて試合終了。モナコが大きなビハインドをひっくり返し、記録に残る勝利を挙げた。スター軍団、レアル・マドリッドはここでUCLから姿を消すこととなった。


―TOTAL―
Rマドリッド  5−5 
アウェーゴールによる決着
モナコ