〜 準決勝 〜

'03/05/06,07 第1戦
'03/05/13,14 第2戦


レアル・マドリッドvsユベントス   ACミランvsインテル

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レアル・マドリッド ― FIRST LEG ―
  2−1 
   ユベントス
ロナウド 23'
ロベルト・カルロス 73'
トレセゲ 45'

 直前に雨が落ちてきたこのゲーム。レアルは虫垂炎の手術を受けたラウールに代わり、モリエンテスを先発に起用してきた。ユーベはダーヴィッツ、タッキナルディ、モンテーロを出場停止で欠く。
 レアルは15分、ゴール正面やや左、25m程のところでFKのチャンス。ジダンのキックは壁の右上を抜けゴール左に鋭く迫ったが、ブッフォンが飛びつき右手1本でカットした。23分、ドリブルで中央に入ってきたフィーゴからの縦のパスをロナウドがワンタッチでさらに前方のモリエンテスへ流すと、モリエンテスは潰されながらもきっちりとポスト。折り返しを再び受けたロナウドが素早く抜け出し、ゴール右にボールを流し込んでレアルがリードを奪った。
 このあとユーベの激しいディフェンスが続き、ビリンデッリ、ユリアーノ、ザンブロッタと続けざまにイエローが出された。ユリアーノへのイエローは累積3枚目で次節出場停止となる。
 44分、ロナウドからのスルーにモリエンテスがPエリアであわせようとしたが、追いつくのがやっとの体勢で放ったシュートは枠を外した。直後の前半終了間際、ここまでチャンスらしいチャンスの無かったユーベの反撃。ロブ気味のパスを受けたデル・ピエロが左サイドからシュート、DFサルガドにボールは当たったが、跳ね返ったところにいたトレセゲがボールを押し込み、アウェーゴールで同点に追いついた。

 後半早々、レアルはロナウドが足の痛みのためポルティージョに交代。57分のユーベ、右からザンブロッタがPエリア内のデル・ピエロにボールが渡ると、デル・ピエロはすかさずシュート。だが、エルゲラが素晴らしいスライディングでシュートをブロックした。
 徐々にレアルがユーベゴール前でボールを持つ時間が多くなってくる。70分にもレアルがユーベ陣内でボールを回すと、左サイドからロベルト・カルロスがゴール前にグラウンダーのボールを蹴り込む。ニアにジダン、ファーにポルティージョが詰めていたが惜しくもボールに触ることができず、ボールはゴール前を横切ってしまった。
 71分、ユーベは流れるようなパスワークを見せる。右サイドをザンブロッタがネドヴェドらとパスを交換しながらするする上がると、DFをもかわしてPエリア内に走りこんできたネドヴェドへパス。ネドヴェドはやや体勢を崩しながらもトレセゲにつなぐと、さらに左のデル・ピエロにパスがつながる。フリーでシュートを放つデル・ピエロ。だがシュートは力なく、カシージャスにがっちりとキャッチされた。
 73分、レアルの右CKのチャンス。ボールは流れてファーサイドのロベルト・カルロスの元へ。ロベルト・カルロスは30Mほどの距離から狙い済ましてシュート、ボールはゴール右に転がり込んだ。線審がオフサイドのフラッグを上げたもののシュートに関与していないということでゴールと判定、再びレアルがリードを奪った。
 79分、フェッラーラがフィーゴへバックチャージ、イエロー累積3枚目で次節出場停止。ロスタイムの91分、再三ドリブル突破をしているフィーゴがここでも右サイドからDF2人の間を抜けてPエリアに侵入、シュートを放つ。ブッフォンがなんとか反応しブロック、こぼれたボールをユーベがクリアー。このボールを再びレアルが拾うと、左サイドのロベルト・カルロスからクロスが入る。ニアに詰めていたのはエルゲラ。だが、ブッフォンのプレッシャーもありシュートは枠の外だった。アウェーゴールの1点に対抗するために追加点が欲しかったレアルだが、そのままホイッスル。レアルは先勝したものの、ユーベにもチャンスを残したまま第1戦は終了した。



   ユベントス ― SECOND LEG ―
 3−1 
レアル・マドリッド
トレセゲ 12'
デル・ピエロ 43'
ネドヴェド 73'
ジダン 89'

 前週にスクデットを獲得したユーベはフェッラーラとユリアーノが出場停止。レアルはマケレレが先週末のゲームで太ももを痛め欠場となったが、ラウールが復帰してきた。ロナウドは第1戦での怪我もあり、ベンチスタート。
 開始数秒というところで、ユーベはネドヴェドからDFの裏を狙ったトレセゲにパスが通る。惜しくもわずかにオフサイドであったが、ユーベの攻めの姿勢を強く印象付けた。10分、ユーベ右サイドでザンブロッタがロベルト・カルロスからボールを奪いネドヴェドにつなぐと、センタリング。ゴール正面18Mほどのところにいたデル・ピエロがフリーでゴールを狙ったが、シュートをふかしてしまった。
 ユーベペースのまま前半12分、またもや右サイドからレアルを崩しにかかる。右でボールを受けたネドヴェドがクロス。ファーサイドに飛び込んだデル・ピエロが頭でゴール前に折り返すと、ゴール正面にいたトレセゲが素早いボレーでボールをゴールネットに叩き込み、ユベントスが先制した。
 レアルもジダンやフィーゴを中心にペースを掴もうとするが、ユーベのディフェンスが勝りなかなかチャンスを作れない。22分にはフィーゴが放ったシュートがユーベDFに当たり、ゴール前に詰めようとしていたグティの元へ。オフサイドと思ったのか、グティを含め一瞬皆が棒立ちとなる。慌ててシュートを撃ったものの、GKブッフォンの正面となってしまいチャンスを逸した。
 35分のユーベの攻撃。トレセゲがポストの位置にいたデル・ピエロにパスを送ると、デル・ピエロは背後から詰めてきたイエロを自分の体を壁にして反転、あっさりとかわす。そのボールを、走りこんできたトレセゲが奪うようにシュート。強烈なシュートにGKカシージャスが前へこぼすと、すかさずトレセゲが詰めに行ったが、ここはユーベの守備陣がなんとか防いだ。前半終了間際になってもユーベの運動量とプレッシャーは衰えを見せない。43分、トゥドールが中盤で素早いインターセプト、ダイレクトで放り込んだロングパスが最前線のデル・ピエロに通る。Pエリア内でイエロとサルガドに守られた状態から、デル・ピエロはシュートフェイント1発でイエロに膝をつかせると、すぐさま切り返してシュート。グラウンダーのボールはサルガドとイエロの間を抜けてゴール左下に決まり、2点目。ユーベはトータルスコアでもレアルを上回った。
 44分にレアルの反撃。CKから続く流れの中でボールは右のフィーゴへ。フィーゴがマイナス気味にジダンへ折り返すと、ジダンは20Mほどの距離からニアサイドのゴール右下を正確に狙ってシュート。だがGKブッフォンが素早い反応を見せ、クリアーした。ボール支配率は五分五分ながらユーベペースで終始した前半は、ユーベのリードで終了。

 後半攻勢に出るレアルは、52分にロナウドを投入する。56分のユーベの左CK、ネドヴェドが放り込んだボールをタッキナルディが頭でそらし、ファーサイドでトレセゲが飛び込んだがわずかに足が届かなかった。66分、カンビアッソからボールを受けたロナウドが抜け出しかけたが、モンテッラに倒される。これがPKとなり、フィーゴがペナルティスポットへ。フィーゴはゴール左を狙ってボールを蹴り込んだが、ブッフォンが反応しブロック、ユーベのピンチを救った。
 73分のユーベの攻撃。中盤のザンブロッタからゴール前に放り込まれたボールにネドヴェドがダッシュ、追いすがるイエロとサルガドより早くボールに追いつくとダイレクトシュート。勢いの乗ったボールはゴール左に突き刺さり、ユーベが決定的な3点目を加えた。
 直後の75分、ジダンがモンテーロからボールをインターセプト。そのままドリブルでゴール正面まで入り込みシュートに持ち込んだが、枠を捉えることができなかった。79分のユーベ、右にひらいたネドヴェドからのクロスをデル・ピエロがドンピシャでヘッド。だが、カシージャスがブロック。こぼれたボールに対し混戦となり、再びボールはゴール正面やや後方にいたネドヴェドの元へ。ネドヴェドはシュート性のボールをデル・ピエロに蹴り込むと、デル・ピエロは頭で軽くあわせてコースを変えゴールを狙う。だがカシージャスの守備範囲だった。
 81分、レアルゴール前でグティからのパスにロナウドが抜け出しかけたが、テュラムが反応しボールをクリアー。82分、マクマナマンのドリブルに対しネドヴェドがスライディング。このとき軽く足を上げて倒してしまい、イエローを受ける。これでネドヴェドは累積により決勝に出れなくなってしまった。
 89分、レアルは中盤に下がっていたラウールが左前方にいたジダンにパスを通すと、ジダンはPエリアに突入しシュート。グラウンダーのボールはブッフォンの手をかいくぐり、ゴール右サイドのネットを揺さぶり1点を返す。ロスタイムは5分。レアルは総攻撃で逆転を狙う。ユーベも守りが手薄なレアルに対してカウンター、ザンブロッタがシュートを放ったがゴール右に外れた。94分、イエロからのロングボールにラウールが抜け出しヘッドで狙ったが、ボールは枠の外。そしてロスタイムの5分も経過しホイッスル、ユーベが決勝進出を決めた。一方、累積警告で決勝に望めないネドヴェドは涙を流していた。


レアル・マドリッド― TOTAL ―
 3−4 
   ユベントス




 




ACミラン ― FIRST LEG ―
 0−0 
インテル

 ヨーロッパカップ戦史上初となるミラノダービー。この日のサン・シーロはACミランのホーム。インテルが守備的にくるかどうかが注目されたが、布陣は3-5-2とディフェンスではなく中盤を厚くしてきた。
 開始4分に最初のシュートを放ったのはインテル。セルジオ・コンセイソンがミドルを放ったが、GKヂダの正面。しかし直後にもセルジオ・コンセイソンがドリブルで中央を突破、DFにつかれながら放ったシュートはやや左に流れてしまったが、クレスポがつめる。だが、スライディングで伸ばした足の先をボールが流れ、ゴールキックとなってしまった。
 インテルの攻撃は続く。7分、セルジオ・コンセイソンからボールを受けたクレスポがヒールで縦にスルーパス、レコバが一気に抜け出す。GKと1対1。レコバは左足でゴール左隅を狙ったが、ヂダが反応、がっちりとキャッチしゴールを守った。
 15分のミラン。ルイ・コスタがボールを左に展開、シェフチェンコまで渡ると、シェフチェンコはそのままクロスではなくシュートを放つ。弧を描いたシュートは、だがGKの正面。トルドがパンチングでクリアーした。ルーズボールに対するミランの攻撃を凌いだインテルはカウンター。レコバからインテルゴール前に蹴り込まれたロングパスに反応していたのはクレスポ。ディフェンスの裏を取り何とかボールに触ったがコントロールしきれず、ヂダに処理された。
 17分、インテルはエムレがクレスポとのワンツーでミランゴール正面までボールを持ち込む。そこからさらに右へ展開、セルジオ・コンセイソンがクロスを上げ、レコバがヘディングシュート。しかしこのシュートもヂダの守備範囲内だった。
 30分、ミランは左サイドからカラーゼがゴール前に絶妙なクロスを放り込んだが、インテルのコルドバが戻りながら足を伸ばして見事クリアー。そしてミランが攻めインテルが守る時間が続く。ボールを追うミランのガットゥーゾとインテルのセルジオ・コンセイソンが2度、3度と体と体をぶつけ合うなど、激しいプレーが随所に見られた。前半はスコアレスのまま終了。

 後半も立ち上がりからルイ・コスタがいきなりミドルシュートを放つなど、ミランが攻勢。50分には左サイドからカラーゼがシードルフとのワンツーでPエリア奥深くまで入り込み、折り返し。ニアサイドのシェフチェンコが合わせたが、GKトルドが落ち着いてキャッチした。59分、ミランはカウンター。ルイ・コスタから右に開いたシェフチェンコにパスが通り、フリーのままPエリアへ。シュートかと思いきや、なんとそこから左のインザーギへのパスを選択、結局コルドバにクリアされチャンスを潰してしまう。
 64分、ミランはインテルゴール前でボールをつなぎ、左からガットゥーゾがミドルシュート。ボールは遠いサイドのネットを目指していたが、トルドが横っ飛びでボールにタッチ、コースを変えてゴールを守った。82分、シードルフの激しいチャージを受けてココが負傷退場。89分インテルは自陣からグーリーが縦へのロングパスで逆襲。クレスポがマークにつかれながらも何とかボールを押し込もうとしたが、ロブ気味のシュートはゴールの外だった。
 ロスタイムの終盤になると両チームともプレーを流し、スコアレスドローで緒戦を終了した。



インテル― SECOND LEG ―
1−1 
ACミラン
マルティンス 84' シェフチェンコ 45'

 インテルホームの第2戦。そのインテルはGKヂダを左手小指負傷で欠くことになってしまった。ゲーム序盤は両チームディフェンスが頑張る展開。23分、ACミランは最後列のマルディーニからトップのシェフチェンコに対しロングパス一発が通る。やや右サイドに流れたものの、シェフチェンコはボールに追いつくとダイレクトシュート。しかしボールはゴール前を横切ってしまった。
 37分、インザーギがインテルゴール前でボールを追っていてコルドバを後ろから蹴ってしまい、一瞬騒然となる。その際、インザーギとガットゥーゾにイエローが出された。
 しんどい時間が続いた前半も終了直前、ACミランのシードルフがドリブルからシェフチェンコへパスを送る。シェフチェンコはボールを受けるとマークについたコルドバを股抜きでかわしシュート。GKトルドがつめていたが強引にシュートを押し込み、ACミランが貴重なアウェーゴールを挙げて後半へ折り返した。

 勝利のためには最低でも2得点が必要になったインテルは、後半からレコバとディ・ビアッジョに代えてダルマとマルティンスを投入。62分、右サイドでねばったサネッティがPエリアに入るタイミングでシードルフに倒されたが、PKにはならず。このFKのチャンスにエムレがシュート性のボールを蹴り込むと、GKアビアーティがブロック。こぼれたボールをセルジオ・コンセイソンが蹴り込もうとしたが、シュートは大きく枠を外れた。
 インテルはようやく84分、カロンがつないだボールをマルティンスがうまくDFの裏に落とすと、ものすごい瞬発力で追いつきシュート。ボールはゴール左に吸い込まれ、マルティンスは得意の連続バク転のパフォーマンスで喜びを表す。だが、1点では足りないインテル。ここから猛攻を見せる。
 87分、エムレからのパスを受けたカロンが右に開きながらシュート。だが、アビアーティがつめておりコーナーへ逃げられてしまった。続くCK。一旦ボールは跳ね返されたものの、再び左サイドからセンタリングが上がる。このボールにファーサイドのコルドバがヘッド、ボールをたたきつける良いシュートだったが、GKの正面でノーゴール。
 ロスタイムのCKのチャンスにはGKトルドまで上がってきたインテル。だがホイッスル。ACミランの選手は喜びを爆発させ、インテルの選手は涙を流す結果となった。

ACミラン― TOTAL ―
 1−1 
(Away goalでACミラン勝利)
インテル