〜 準々決勝 〜

'03/04/08,09 第1戦
'03/04/22,23 第2戦


レアル・マドリッドvsマンチェスターUTD  ユベントスvsバルセロナ

アヤックスvsACミラン  インテルvsヴァレンシア

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―FIRST LEG―
レアル・マドリッド 3−1  マンチェスターUTD
フィーゴ 12'
ラウール 28' 49'
ファン・ニステルローイ 52'

 99-00シーズンの再現となった準々決勝での両チームの激突。3年前は、サンチャゴ・ベルナベウで0-0のドロー、しかしオールドトラフォードでレアルが3-2と勝利し、そのまま優勝を決めている。今回ベストメンバーで臨むレアルに対し、マンチェはヴェロンを怪我で欠いていた。
 両チーム互いに攻めあう立ち上がり。最初のチャンスは10分のマンチェの攻撃。レアルDF・イエロのクリアボールをスコールズが25m程の距離からダイレクトでシュートを放つ。強烈なボールだったが、GKカシージャスが素早く反応しクリアーした。11分にはレアル陣内深いところからのロングスロー、ベッカムが頭でつなぐとファン・ニステルローイがオーバーヘッドを見せる。ボールはしかしクロスバーの上だった。
 直後のレアルの攻撃。左にひらいたフィーゴが中央のジダンへパス。ジダンは中へ切れ込むと見せて、再び左のフィーゴにボールを戻す。フリーのフィーゴはなんとその位置からループシュートを狙い、ボールはどんなキーパーも取れないような弧を描いて見事ゴール右上隅に決まった。早い時間にレアルがリードを奪った。
 徐々に中盤を支配しだしたレアル。マンチェはクリアボールを拾えないようになってきた。19分、やや右よりのサイドでボールを受けたロナウドがPエリアに突入、DFブラウンをかわしにかかったところでオブストラクション気味に倒されたが、PKにはならなかった。
 28分のレアルの厚い攻撃。ロベルト・カルロスとジダンが左から攻撃を組み立てるが、マンチェDFがクリア。このボールをイエロが拾い、再びボールを回す。そして後方に下がったフィーゴが中央のスルーパスを狙ったが、スコールズがカット。しかし、前線に残っていたロベルト・カルロスがスライディングでボールを奪うと、こぼれ出たボールを後ろから走りこんだジダンがダイレクトパスをトップのラウールへ通す。後ろ向きに受けたラウールはすかさず反転、間髪いれずシュートをゴール左下に流し込み、ホームのレアルが点差を広げた。
 レアルの勢いは止まらない。鮮やかなパス回し、そして見事な個人技を存分に発揮、マンチェという好チームを前に殆んどミスを出さずペースを握りつづける。31分にはロベルト・カルロスが強烈なミドルシュートを放ったが、バルテスが横っ飛びでクリアーした。
 32分、マンチェは久しぶりにカウンター。ギグスのインターセプトから始まった攻撃を最後はファン・ニステルローイが左サイドからシュート。だが、ボールはゴール左に外れた。
 37分、自陣でボールを受けたロナウドがそのまま早いドリブルでPエリアまで持ち込むと、切り返しでDF2人をかわしシュート。しかし勢いは無くバルテスがキャッチした。

 後半の早い時間帯にも、レアルは追加点を挙げる。49分、フィーゴが右サイドを上がりフェイントを見せながら溜めを作ると、ラウールへマイナス気味のパス。ラウールはゴール正面20M強のところからそのままシュート。DF2人の間を抜けたボールはゴール右隅にきっちりと決まった。
 その3分後にマンチェも反撃。ゆっくりとした攻め上がりから、右サイドをGネヴィルが突破。グラウンダーの折り返しをギグスがちょこんとあわせてゴールを狙う。このシュートにカシージャスはワンハンドで反応、クリアしたが、そこに飛び込んできていたのはファン・ニステルローイ。クリアボールをどんぴしゃのタイミングでヘッド、ゴールへ押し込んだ。
 この得点でマンチェが勢いに乗りレアルゴール前まで攻め込むようになったが、決定的なチャンスを作れず。逆に61分にファールから左サイドでFKを与えてしまう。30M近い距離があり、角度的にはフィーゴのボールかと思われたが、ロベルト・カルロスが思い切って蹴り込んだ。ボールは壁に軽く当たってコースが変わったが、バルテスが反応してこれをキャッチした。
 その後一進一退の攻防が続く。しかしレアルには余裕が見られる。特にジダンはプレーを楽しんでおり、細かいフェイントや懐の深いボールキープ、クライフターンなどといった見事な技を見せていた。マンチェスターは逆にいらつきからか、Gネヴィルとスコールズがイエローをもらい、次節出場停止となってしまった。
 88分、ドリブルで持ち込んだジダンからのパスをPエリアで受けようとした途中出場のグティが倒されたが、ボールをスルーしたと判断されてノーホイッスル。そのまま3分のロスタイム終了までレアルのペースが落ちることは無く、第1戦は終了した。


―SECOND LEG―
マンチェスターUTD 4−3  レアル・マドリッド
ファン・ニステルローイ 43'
エルゲラ 52'(own)
ベッカム 71' 85'
ロナウド 12' 50' 59'

 レアルはラウールが盲腸の手術を行ったため、代わりにマクマナマンを先発で使ってきた。マンチェはヴェロンが復活。ベッカムはベンチスタートだ。審判はコッリーナ。
 3分、マンチェは早い展開から右サイドのファン・ニステルローイにつなぐと、DFを一人かわしてPエリアへドリブルで持ち込み、そのまま強烈なシュートを放つ。角度の無いところから、しかしボールは枠を捉えていたが、GKカシージャスがブロックしゴールを守った。
 レアルは12分、左サイドのジダンから逆サイドのグティへきれいなパスが渡り、さらにグティは前を走るロナウドへスルーを通す。鮮やかなパス2本で抜け出たロナウドはやや右よりの角度の狭い位置から思い切ってシュート、ゴールのニアサイドに叩き込み、まさにあっという間に先制した。
 21分、左のロベルト・カルロスから上がったセンタリングをファーサイドのジダンが丁寧に折り返す。ここにフィーゴが走りこんでいたが、シュートはややタイミングが合わずロブ気味になり、マンチェGKバルテスが片手でクロスバーの上に弾き出した。25分、今度はマンチェにチャンス。ギグスからボールを受けたファン・ニステルローイがPエリア右サイド深いところへ入り込み、ゴール前に早いグラウンダーのボールを送る。ここにスールシャールが滑り込んできたが、わずかにボールに届かなかった。
 35分、ギグスがレアルゴール正面20Mのところでボールをキープ、DFをかわしてシュートを放ったが、わずかに右へ。40分にはGKバルテスからのロングボールをヴェロンが落とし、パスを受けたスールシャールがPエリアに入ったところでシュートを撃ったが、カシージャスにブロックされた。しかし43分、レアルDFのミスをついてギグスがボールを奪うと、右サイドのスールシャールへスルー。スールシャールはエルゲラとカシージャスに詰められながらもボールをゴール前に転がすと、抜け目無く詰めていたファン・ニステルローイがボールを押し込み、マンチェが同点に追いついた。
 ロスタイムにも引き気味のレアルディフェンスに対し左サイドからスールシャールがミドルシュート、カシージャスが弾いたところをブラウン、ファン・ニステルローイが続けてゴールを狙ったがカシージャスの守りの前に得点ならず。レアルもサルガドが右サイドを突破しチャンスを作ったが、ゴール前に上がったクロスにレアルの選手はタイミングが合わなかった。最後のほうはマンチェ押せ押せのムードの中、前半を終了。

 後半50分、レアルはジダンが中央をドリブルで持ち込み左のフィーゴへパス。フィーゴはDFをかわしてロープ気味のシュートを放つが、惜しくもクロスバー。だが、弾かれたボールをレアルが再びつなぎ、じっくり時間をかけた後、走りこんできたロベルト・カルロスがワンツーで左を抜け出す。マンチェDF陣は足が止まってしまっており、ロベルト・カルロスの折り返しをマクマナマンと共にフリーで待っていたロナウドがきっちり押し込み、レアルがリードを奪った。
 その2分後にマンチェの反撃。右のファン・ニステルローイからゴール前にいたスールシャールを経由し右サイドのヴェロンへパスがまわると、ヴェロンはファン・ニステルローイにグラウンダーのパスを出す。このボールに戻りながらの体制でエルゲラが足を伸ばすと、ボールはエルゲラの足に当たって角度を変えオウンゴール、マンチェが再び追いついた。
 56分、ギグスから絶妙なパスを受けたスールシャールがフリーでシュート、しかしGKの正面。直後にもスールシャールが頭で落としたボールをヴェロンがボレーで狙ったが、ここもカシージャスがファインセーブでゴールを守る。
 マンチェが続けてチャンスを潰した後、またもやレアルが勝ち越し点を挙げる。59分、中盤でパスを受けたロナウドがドリブルでゆっくり上がると、25m程の距離から強烈なシュート!鋭いドライブのかかったボールはバルテスを超えてゴールに突き刺さり、ロナウドは芸術的なスーパーゴールでハットトリックを達成する。
 アウェーゴール3点で、もはやとどめを刺された観のあるマンチェだが、ここでヴェロンに代えてベッカムを投入する。レアルはロナウドを下げた。66分、マンチェはファン・ニステルローイがミドルシュートを放ったが、惜しくも左ポストにはじき出されてしまった。68分、右サイドのベッカムからニアサイドのスールシャールにドンピシャクロス、しかしスールシャールはヘディングシュートを外してしまった。
 70分、ファン・ニステルローイがゴール正面やや右、25m程のところでファールを受ける。このFKにキッカーはもちろんベッカム。右足で蹴り込んだスピードのあるボールがレアルの壁を超え、鋭く落ちながらクロスバーの下を叩きゴール!カシージャスが一歩も動けない見事なフリーキックで、マンチェが同点に追いついた。
 77分のレアルの攻撃。ゴール正面でフィーゴがボールを受けると、ディフェンダーをひきつけてからジダンにヒールパス。ジダンはさらにフェイクを入れたパスを左サイドのポルティージョに送る。フリーのポルティージョ。しかしなんとシュートをゴール左に外してしまった。84分にマンチェのカウンター。ギグスからボールを受けたファン・ニステルローイがGKの足元を狙ったが弾かれてしまう。しかしイエロの足に当たってボールはゴール前のベッカムの元へ。ベッカムがこれを押し込み、ついにマンチェが勝ち越しを決めた。
 だが残り時間はほとんど無く、レアルも露骨な時間稼ぎを見せる。それでも大声援を送るオールドトラフォード。マンチェの選手も諦めずに攻める。ロスタイムに再びゴール正面でFKを得たが、距離が近すぎたためかベッカムのボールはクロスバーを越えていった。そして試合終了。得点合計6対5で、注目の対決はレアルがマンチェを打ち破った。


―TOTAL―
レアル・マドリッド 6−5  マンチェスターUTD



 
 




―FIRST LEG―
ユベントス 1−1  バルセロナ
モンテーロ 16' サヴィオラ 78'

 バルサは今期のUCLでは予選を含め14戦13勝1分という素晴らしい成績を挙げてきている。ユーベはトレセゲが怪我で不在。しかし同じく怪我で出場が危ぶまれたネドヴェドは、この試合に間に合った。デル・ピエロもUCLに戻ってきた。
 チャンスらしいチャンスが無いまま16分、ユーベが得た左サイドのCKで、ショートコーナーからネドヴェドがファーサイドにボールを放り込む。モンテーロがヘッドで競うと、こぼれたボールをデル・ピエロがオーバーヘッド。GKボナーノがブロックしたが、そのボールをモンテーロがゴールにけりこみ、ユーベが先制点を挙げた。しかしその後は再びチャンスが無く、バルサはリズムも作れずに前半を終了。

 後半53分のバルサ、右サイドを上がったオーフェルマルスのセンタリングにシャビがダイレクトであわせたが、GKブッフォンがセーブした。55分にはユーベの攻撃。左サイドをザンブロッタが持ち上がりマイナス気味の折り返し。このボールに走りこんだダーヴィッツがシュートを撃つが、やや力なくDFがクリア。さらにボールを拾ったデル・ピエロがオーバーヘッドで再びゴールを狙ったが、難しいバウンドをボナーノが見事クリアーした。
 78分、バルサのライツィハーがスルーに反応し左にひらくと、ゴール正面にいたサヴィオラへパス。サヴィオラはワンタッチでゴールへ向かうと、モンテーロのスライディングにあわすようにボールを押し出すようなシュート。ボールはゴール右に転がり込み、大きなアウェーゴールの1点が入った。
81分、クライファートが右サイドからモンテーロをかわして独走、Pエリアに入り込むが、パスコースが無くそのままシュート、これはブッフォンに阻まれてしまった。ユーベはデル・ピエロに代えてディ・バイオを投入、縦へ急ぐ攻撃に切り替えるが、立て続けにオフサイドに阻まれてしまう。ロスタイム、縦へのボールにスピードでディ・バイオが抜け出したが、プジョルを背負いながらのシュートは、惜しくもゴール右に外れてしまった。バルセロナは何とかユーベの反撃を凌ぎ、1-1のドロー。UCL無敗記録を伸ばした。ユーベは、第2戦に少なくとも1点はとらなければならなくなった。


―SECOND LEG―
バルセロナ  1−1 
 Extra time
 0−1 
ユベントス
シャビ 66' ネドヴェド 53'
サラジェッタ Extra 24'

 アウェーゴールの1点が必須のユベントスは怪我でトレセゲ、サラス、ユリアーノを欠く。ホームのバルサはほぼベストの布陣。そのバルセロナが立ち上がりから積極的に攻める。
 3分、右サイドを上がったオーフェルマルスのセンタリングに背の低いサヴィオラが頭で狙ったが、ポストを超えてしまった。直後にユーベの反撃。ディ・バイオが縦への長いボールに反応、DFラインの裏を突き一人抜け出す。決定的なチャンスだったが、トラップをしたところで足を滑らし、追いついたディフェンダーにクリアされてしまった。
 13分のバルサ、左サイドを持ち込んだルイス・エンリケがゴール正面のサヴィオラへボールを入れる。サヴィオラは最初のトラップでPエリアに突入、やや左に流れコースが狭くなったがそのままシュートを放つ。しかしボールはGKブッフォンの正面だった。
 20分付近で2度、オーフェルマルスが右サイドを突破しようとしてユーベが厳しい守りを見せ、ザンブロッタ、モンテーロと続けてイエローを受けてしまう。このあたりから、ややバルサペースの試合展開となる。30分にはゴール正面20M強の位置でクライファートが倒されFKとなったが、モッタのシュートはゴール右に外れてしまった。
 37分にようやくユーベにチャンス。最後列のザンブロッタがロングパス1本、ダーヴィッツへ通す。ダーヴィッツはそのまま左サイドからPエリアに突入、シュートまで持ち込んだが、GKボナーノが体を張って止めた。
 40分、バルサは左サイドからユーベゴールを崩しにかかる。ボールはサヴィオラまでつながると、そこから遠いサイドにいたクライファートへクロス。クライファートが教科書どおり頭でゴール前に折り返すと、シャビがシュートを狙う。だが、なんと空振り。再びボールをつないで10M程の距離からクライファートがシュートを放ったが、これもゴールを外してしまう。
 42分、ユーベは右CKを得る。ゴール前に放り込まれたボールに、フェッラーラが高い打点のヘディングシュートを放ったが、ボールはクロスバーの上を超えていった。

 後半早々の47分、バルサに決定的チャンス。左サイドでボールをつなぎ、ルイス・エンリケが抜け出す。Pエリア内でモンテーロをフェイント一発でかわすと、左45度の絶好の位置からシュートを放つ。ボールがファーサイドネットを揺らしたかに見えたが、なんと枠を外してしまった。
 53分のユーベ、左サイドでダーヴィッツからパスを受けたネドヴェドがバランスを崩しながらも内に切れ込みPエリアへ。DF3人に囲まれながらも強引に放ったシュートは、ゴールニアサイドに転がり込んでユーベが先制点を挙げた。
 ネドヴェドは57分にもゴール正面30Mほどのところからミドルシュート。ボールはゴール右上を捉えていたが、GKボナーノがファインセーブでクリアーした。66分、バルサは右のルイス・エンリケからのセンタリングにクライファートがDFテュラムと競り合いボールが落ちる。そこにいたのはシャビ。押さえの効いたシュートがゴール左を捉え、バルサが同点に追いついた。これで第1戦を通してスコアはイーブンとなった。
 このあたりから中盤で両チーム厳しいプレーが続く。そして先にダーヴィッツのファールを食らっていたルイス・エンリケが、ダーヴィッツの足を後ろからなぎ払いイエローをもらうと、78分にはメンディエタがダーヴィッツに倒され、ダーヴィッツこの日2枚目のイエローで退場となってしまう。ユベントスはサラジェッタのワントップで引き気味に戦わざるを得なくなった。だがバルサはミドルシュートを放つものの決定的なチャンスを作ることはできず、ゲームは延長戦へ。

 延長の2分、左サイドをサヴィオラが突破、センタリングを放り込む。だがこのボールはゴールへ向かい、あわやゴールインと言うところでブッフォンがワンハンドでクリアーした。これ以降は後半の終盤と同様の展開に。じりじりするゲーム展開の中、バルサに決定的なチャンスが。延長22分、シャビからのループパスにクライファートがオフサイドぎりぎりで飛び出すと、そのまま背中越しのボールをダイレクトでオーバーヘッド気味のボレー。しかしGKブッフォンが素早く詰めており、このシュートを見事ブロックした。
 24分、ついに均衡が破れる。ユーベがカウンターから右のビリンデッリにボールを通すと、ビリンデッリは素晴らしいクロスをゴール前に放り込む。このピンポイントのボールにサラジェッタがあわせ、10人のユーベが貴重なアウェーゴールを手に入れた。

勝利のために2点が必要になったバルサ、何とか反撃を試みるがタイムアップ。ここまで無敗、この試合も90分間では負けなかったバルサだが、ここで消えることになった。ユベントスは厳しいゲームを集中力のある守りで勝ち抜き、ベスト4進出。



―TOTAL―
ユベントス 3−2  バルセロナ



 
 




―FIRST LEG―
アヤックス 0−0  ACミラン

 平均年齢23.1歳のアヤックスと、28.7歳のミランの対戦というゲーム。ミランはアウェーだが、立ち上がりから積極的に攻める。5分、インザーギがポストプレーから右のシェフチェンコにはたくと、シェフチェンコは迷わずシュートを放つ。GKロボント正面のシュートだったが、ロボントは弾くのが精一杯。しかしDFがうまくフォローし事なきを得た。14分にはルイ・コスタがシェフチェンコとワンツーでゴール正面に入り込み、さらにインザーギへパスを通す。インザーギは抜け出しかけたが、Pエリアに入った瞬間、スライディングでボールを奪われてしまった。
 この後、アヤックスがボールのボール支配率が高くなり、ミランが守る展開に。守りの中でガットゥーゾが激しいチャージを繰り返し、ついに35分にイエローをもらい次節出場できなくなってしまった。

 後半、またもや開始早々ミランがチャンスを作る。左サイド中盤からインザーギにパスが通り、落としたボールをシェフチェンコが拾ってPエリアへ。シェフチェンコは2人の守りの前に倒されてしまったが、セルジーニョがボールを拾いゴール前に早いクロスを送る。インザーギも詰めてきていたが、その前にロボントがキャッチした。
 60分、アヤックスに絶好のチャンスが訪れる。左サイドをマクスウェルがカウンター気味にオーバーラップ、DFに着かれながらもファーサイドでフリーとなっていたピーナールへセンタリングを通す。ピーナールはワントラップからシュートを放ったが、枠の左へ外してしまった。71分のミランの右CK。ニアサイドに放り込まれたボールがこぼれ、アンブロジーニの足元に。やや慌てた感じでボールを押し込もうとしたが、DFの壁に阻まれてしまった。
 徐々に時間がなくなってくると、アヤックスは故障上がりのリトマネンを、ミランはリヴァウド、トマソンを投入するが、膠着状態のまま試合は動かず。結局スコアレスドローで第1戦を終えた。




―SECOND LEG―
ACミラン 3−2  アヤックス
インザーギ 30'
シェフチェンコ 65'
トマソン 91'
リトマネン 63'
ピーナール 78'

 10分、アウェーのアヤックスが厚い攻撃を見せる。右のCKのチャンスはミランGK・ヂダにクリアされたが、このボールを拾うと、ファン・デル・メイデがミドルシュート。強烈なシュートは、しかしDFに当たって右サイドへ。このボールをアヤックスが再び拾い、ゴール前へ低いクロスを折り返す。ゴール正面にはアヤックスの選手が2人入っていたが、ボールに触れることができずにクリアされてしまった。
 21分にアヤックスのカウンター。自陣深いところでボールを持ったピーナールがドリブルで持ち込むと、右から左に流れてきたイブラヒモヴィッチへスルーパスを送る。絶妙なボールだったが、GKヂダが素早く詰めてチャンスを潰した。
 23分、ミランは右サイドでFKを得て、ルイ・コスタがゴール前にボールを送る。このボールがゴール前にこぼれて大混戦、ミランの幾つかのシュートをアヤックスの守りがブロック。さらに後ろにこぼれたところ、ブロッキが低いシュートを放つ。ボールはアヤックスのパサネンの足に当たり、大きく跳ねてコースを変え、なんとゴール右上へ。だが、GKロボントが横っ飛びのスーパーセーブ、片手でボールをかき出してピンチを救った。
 30分、ミランはルイ・コスタが右のシェフチェンコに長いパスを通してカウンター。シェフチェンコはDF2人を揺さぶってからセンタリング、ゴール前のインザーギもDFに付かれていたが、ニアへ走るフェイントで振り切るとフリーとなり、センタリングのボールをたたきつけるようにヘッドし、ゴールネットを揺さぶった。
 41分、DFからのロングボール一発にインザーギが素早く反応、DFラインの裏を突き、そのままダイレクトボレーを放つ。しかしここでもGKロボントがきっちり反応、シュートをブロックした。

 後半に入り50分、アヤックスはカウンターから、左に開いたファン・デル・メイデがセンターリング。イブラヒモヴィッチが頭であわせたが、ボールは流れてしまった。53分、ミランはゴール正面25m程の位置でFKを得る。キッカーはシェフチェンコ。壁の左を通した低いシュートは枠を捉えていたが、GKロボントも反応、クリアーした。60分、ミランは右サイドのブロッキにボールを開きセンタリング。またもやゴール前でインザーギがパサネンのマークを外すとフリーでヘッド、だが今度はシュートはクロスバーの上だった。
 63分のアヤックスの攻撃。中盤でオブライエンがボールを持つと、ドリブルから左前方へスルーパス。うまくDFの裏を走りこんだファン・デル・メイデが完全に抜け出すと、丁寧にゴール前にボールを送る。そこにいたのはフリーのリトマネン。難なくボールをゴールへ押し込み、アヤックスがゴールを挙げた。
 このままではアヤックスにアウェーゴールで敗れてしまうミランは、直後の65分、ポストに入ったインザーギがボールを受けると自らドリブル、DF2人に囲まれながらも強引に折り返す。ロブ気味に上がったボールを、ゴール正面で待っていたシェフチェンコが頭で押し込み、あっという間にリードを奪い返した。
 だが77分、アヤックスは中盤のディフェンスでミランからボールを奪うと、パスをつないで左のファン・デル・メイデへ。ファン・デル・メイデのやわらかいクロスをニアに走りこんできたイブラヒモヴィッチが頭で落とすと、後ろからピーナールがシュートを狙う。このピンチにコスタクルタが一度はブロックを成功させたが、素早く起き上がったピーナールがこぼれたボールを押し込み、再びアヤックスがリードを奪った。
 83分、ミランは後ろでボールを回すアヤックスからボールを奪うとルイ・コスタがゴール正面にスルーパス。ここに素早くシェフチェンコが走りこんだが、GKロボントも詰めておりシュートを弾き返した。後が無いミランはリヴァウド、トマソン、レドンドと続けて投入する。アヤックスは逃げ切りの体制で守りを固める。そしてロスタイム3分を残すのみとなり、ベスト4進出がほぼ現実となった。
 だがミランは91分、縦へのロングボールをアンブロジーニが頭でゴール前につなぐと、そこに走りこんでいたのはインザーギ。インザーギは浮きだまをつま先で押し込むようにシュート、ボールは無人のゴールへ。ゴールイン直前、ボールに追いついたトマソンがボールに触ったものの、実質インザーギのゴールが決まり、土壇場でミランがゲームをひっくり返した。そしてホイッスル。アヤックスはあと一歩のところで勝利を失い、ミランはまさかのロスタイムのゴールでベスト4進出を決めた。


―TOTAL―
アヤックス 2−3  ACミラン



 
 




―FIRST LEG―
インテル 1−0  ヴァレンシア
ヴィエリ 14'

 インテルのクーペル監督にとって、99-00、00-01の2シーズンに自らの指揮で準優勝へ導いた古巣との対決となった。
 11分、インテルはエムレの絶妙なヘディングによるパスを受けたヴィエリが長いドリブルからミドルを放ったが、ヴァレンシアGK・カニサレスの正面。14分にはエムレがココとのワンツーで左サイドを抜け出しクロス、このボールにあわせるべくDFを手で振り払いながらニアサイドに入り込んだクレスポが頭で後ろにボールをそらすと、待っていたのはヴィエリ。ゴール左に狙い済ましたヘディングシュートにGKカニサレスは反応できず、インテルが先制した。
 後半52分のヴァレンシアの攻撃。右サイドにひらいたルフェテのクロスにGKトルドが飛び出したが届かず、こぼれたボールをアイマールが頭で押し込もうとしたが、これはトルドがキャッチした。55分、良い動きを見せているインテルのエムレが倒れたところ、アルベルダがキッキングを見舞う格好に。これに怒ったエムレが体当たりをし、両チームの選手が入り乱れての小競り合いとなる。この結果、エムレとアルベルダが一発退場を食らってしまった。
 両チームともゴール前まで何度か攻め込むが決定的チャンスには至らず。ロスタイムにはPKを狙ったアイマールがダイブと判定されイエローをもらってしまった。そしてタイムアップ、緒戦をインテルがものにした。


―SECOND LEG―
ヴァレンシア 2−1  インテル
アイマール 7'
バラハ 51'
ヴィエリ 5'

 インテルが開始早々先制する。4分、ヴァレンシアは中盤でボールを奪われ、さらにスルーパスの処理をアヤラが誤り、ボールはヴィエリの元へ。ヴィエリが浮かせたボールをGKカニサレスが一度は片手で叩き落としたが、このボールをヴィエリがゴールに押し込んだ。アウェーゴールを奪われたことで、ヴァレンシアは少なくとも3点が必要となってしまった。
 だがヴァレンシアは直後7分、ポストのカレウにボールが入るとカレウは反転、ゴールを目指す。インテルディフェンスに厳しく着かれボールをこぼしてしまったが、アイマールが拾ってシュートを放ち、ゴール右にボールを沈め1点を返した。
 この得点からヴァレンシアが押し気味にゲームを進める。22分、右サイドにひらいたアングロが早いクロスを蹴り込み、ファン・サンチェスがニアサイドに走りこんだが、わずかに届かずボールはゴール前を横切ってしまう。
 27分、右からのヴァレンシアのFKの守備の際、ヴィエリがカレウと交錯し右膝を負傷、退場してしまった。30分、再びヴァレンシアは右からレベイユールがゴール前に折り返すと、アイマールがシュート。至近距離だったが、GKトルドが素晴らしい反応でブロック、事なきを得た。ゲームはやや荒れ気味になり、アングロがトルドに突っかかり、トルドがアングロを押し倒してしまう。両者ともイエローの判定。
 40分、ヴァレンシアのアングロからのスルーパスに反応したファン・サンチェスがPエリアで倒れたがノーホイッスル。さらにこのボールに右外から反応したレベイユールがゴール前へ折り返したが、アイマールとカリュウの2人にはタイミングが合わなかった。45分にはファールをしたディ・ビアッジョが抗議しているのを尻目に、バラハが早いリスタート。ボールがビセンテにつながりシュート。GKトルドが正面で弾き返したボールを再びビセンテがボレー、だがこれもトルドがブロック。ヴァレンシアの攻撃はまだ止まらない。こぼれたボールに走りこんだアイマールのシュートをDFガマーラがブロック、さらにアイマールがリバウンドを蹴り込んだが、またもやトルドが横っ飛びで止め、この猛攻を防いだ。トルドは直後にディ・ビアッジョに掴みかからんとする猛抗議。
 前半はヴァレンシアが7割のボール支配率で押していたが、耐えたインテルのペースでもあった。

 後半もヴァレンシアペース。50分、左のビセンテからの丁寧なクロスをゴール正面のバラハが強烈なボレー。だがここもトルドがファインセーブでクリアーした。続く右からのCK、アイマールが蹴り込んだボールに、フリーになっていたバラハがダイビングヘッド。たたきつけられたボールはインテルゴールのネットを揺らし、また1点を返した。これでようやく1点勝負に持ち込んだヴァレンシア。
 ゴール直後の52分、今度はヴァレンシアのアングロが右サイドにスルーパス、反応したファン・サンチェスがPエリアのボールに追いついたところで、マテラッツィが倒してしまう。だがPKを取ってもらえず場内は大ブーイング。53分にもゴール正面へのスルーにファン・サンチェスが素晴らしい飛び出しを見せたが、トルドも素早く飛び出しておりクリアーに成功した。55分のアングロ、58分のアイマールと連続で放ったシュートもゴールならず、ひたすらヴァレンシアが攻めつづけるが、あと1点が入らない。78分にはインテルがカウンター、レコバとクレスポが抜け出しカルボーニとの2対1に。だがフィニッシュまで時間がかかってしまい、レコバが放ったシュートもカニサレスが右足でうまくクリアーした。
 その後も、繰り返されるヴァレンシアの攻撃をインテルが集中力のある守りで防ぎきり、ゲーム終了。結果的にヴィエリのアウェーゴールがものを言い、インテルがヴァレンシアを下して準決勝に駒を進めることになった。


―TOTAL―
インテル 2−2  ヴァレンシア