〜 決勝 〜

'03/05/28
マンチェスター オールドトラフォード





ユベントス  0−0 
PK戦
 2−3 
ACミラン

前半

 史上初めてのイタリア勢同士の頂上対決。レアルを倒しスクデットも獲得しているユベントスと、ミラノダービーを制したACミランとの対戦。
 ユーベはネドヴェドを累積警告で欠く。だが、遠征には帯同した。代わりに先発させたのはカモラネージ。対するACミランはトマソンが肩を手術した関係で出場できないが、左ふくらはぎの怪我で出場が危ぶまれたコスタクルタは先発を果たす。前の試合欠場していたGKヂダも、スタメンに名を連ねた。

 決勝のレギュレーションとして、シルバーゴール制を導入。90分で同点の場合、まず15分の延長を行い、15分が終了した時点でリードしているチームが試合の勝者となる。15分でも決着がつかない場合は、再度15分間の延長を行う。2度目の延長戦終了時点でも同点の場合、PK戦となる。

 ゲーム立ち上がりから両チームとも攻める姿勢を見せる。3分、ACミランが左からゴール前にきれいなクロスを放り込んだが、シェフチェンコに届く前にモンテーロがクリアー。8分、今度は左サイドをインザーギが突破。マイナス気味に折り返したボールをゴール正面で受けたシェフチェンコがシュート、ボールはユーベゴール内にねじ込まれる。だが、シュートコースに立っていたルイ・コスタがオフサイドと判断された。

 10分、ユーベは右サイドからテュラムが早いクロスを放り込み、ゴール正面に走りこんできたトレセゲの頭に合わせたが、ネスタにシュートコースを阻まれた。17分のACミランの攻撃。ユーベゴール前でボールをつなぎ、右からシードルフがセンターリング。このボールに対し、インザーギがダイビングヘッドでゴールを狙ったが、ユーベGKブッフォンがファンセーブ、パンチングでゴールを守った。38分、ACミランのピルロが左サイドから折り返したボールをルイ・コスタがシュート、だが惜しくもゴール左。

 41分、ユーベのトゥドールが右太ももを痛めてしまい、ビリンデッリと交代。43分、スルーパスにデル・ピエロが反応、シュートまで持ち込んだが、GKヂダがブロック。続くCKのチャンスでACミランゴール前は混戦となったが、ACミランはなんとかボールをクリアーした。前半ロスタイムの3分も含め、スコアレスで前半を終了。


後半

 ユーベは後半からカモラネージに代えてコンテを投入。そのコンテが後半開始早々の47分、左サイドからのセンタリングに頭であわせたが、ボールは惜しくもクロスバーを叩いた。60分、ACミランが右サイドPエリアすぐ外で得たFKのチャンス。このボールにゴール前で激しく動いていたマルディーニが反応、頭でゴールを狙ったが惜しくも左に外れてしまった。

 65分、ユーベは足をいためたダーヴィッツに代えてサラジェッタを、ACミランはコスタクルタに代えてロケ・ジュニオールを投入。さらにACミランは71分、ピルロとセルジーニョを交代。

 76分のACミランの攻撃。左サイドのセルジーニョから放り込まれた早いクロスにインザーギがあわせに行くが、モンテーロがぴったりマーク。ヘディングシュートは枠の上に外れた。1分後、インザーギが今度はゴール正面でモンテーロを背負ってカラーゼからボールを受け、反転しシュートを狙うもやはり枠を捉えることができない。87分、ACミランはルイ・コスタに代えてアンブロジーニを投入。ロスタイム1分を含め得点無く、シルバーゴール方式の延長戦へ。


延長前半

 5分程度の休憩をはさみ延長前半開始。延長5分にロケ・ジュニオールが足を引掛けられて左足付け根を痛めてしまい、満足に動けない状態となってしまう。また両チームとも疲れからかなかなかチャンスを作れなくなってきた。延長前半も0-0。


延長後半

 エンドを換えて延長後半。ロケ・ジュニオールの怪我もあってか、ミランはFW2人を含め引き気味にゲームを進める。延長30分、ACミランのシードルフから右のシェフチェンコにボールが渡り、ゴール前にいたインザーギにクロス。だが、ボールが渡る前にテュラムがクリアー。そして120分を戦いスコアレスドロー、試合はPK戦へ突入することになった。


PK戦

 PKはユーベサポーターが陣取る方のゴールで行われる。

 ユーベ1人目、トレセゲは右低いところを狙ったがコースが甘くヂダに止められ失敗。
 ミラン1人目、セルジーニョは左中段、ブッフォンの逆を突き成功、0-1。

 ユーベ2人目、ビリンデッリも左中段、ヂダの逆を突き成功。
 ミラン2人目、シードルフは左の低いところを狙ったがブッフォンが飛びつきスーパーセーブ、失敗で1-1。

 ユーベ3人目、サラジェッタも左の低いところを狙ったがコースが甘く、ヂダがクリアし失敗。
 ミラン3人目、カラーゼは中央低いところに強烈なシュート、だがブッフォンが足を残してクリアし失敗。1-1。

 ユーベ4人目、モンテーロもゴール中央、全くコースが甘くヂダが足でクリアし、失敗。
 ミラン4人目、ネスタ。落ち着いてゴール右中段に蹴り込み、ブッフォンも反応したが止められずに成功、1-2。

 ユーベ5人目、デル・ピエロ。失敗すれば勝敗が決する。
 落ち着いてヂダの動きを見、逆サイドの右へ流し込み成功、2-2へ。
 ミラン5人目、シェフチェンコ。決めれば勝敗が決する。
 シェフチェンコも落ち着いてブッフォンの反応と逆の右サイドにボールを蹴り込み、成功。

 この結果、PKスコア2-3でACミランが通算6回目の栄冠、ビッグイヤーを獲得した。
 勝敗が決した直後、シェフチェンコを中心にACミランのメンバーが喜びを爆発させ、逆にユーベのトレセゲは目を赤く腫らしていた。シードルフは異なる3チーム(アヤックス、レアル、ACミラン)で優勝という記録を打ち立てた。