〜 準々決勝 〜

'01/04/03,04 第1戦
'01/04/17,18 第2戦


マンチェスターvsバイエルン・ミュンヘン  ガラタサライvsレアル・マドリッド

リーズvsデポルティボ  アーセナルvsヴァレンシア

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―FIRST LEG―
マンチェスター 0−1  バイエルン
パウロ・セルジオ 86'

 前半から1点を奪われまいとする緊迫した試合展開となった。両チームともチェックが早い分、なかなかチャンスは作れない。18分、マンチェは右のベッカムからフリーのコールへピンポイントのクロスが上がる。待ち構えて放ったコールのシュートは、しかしジャストミートしなかった。22分にはバイエルンのヤンカーがPエリア内でショートを放つが、バルテスがしっかりとキャッチした。ディフェンダーが良く守り、前半が終了。

 後半開始早々バイエルンは20M程のFKを得る。エッフェンベルグのシュートはバーを越えてしまった。52分、エウベルがマンチェDFをかわしつつミドルシュート、これをバルテスが片手で弾き出してセーブする。怪我から復帰したばかりのバルテスだが、64分にはイェレミースのミドルも防いだ。
 マンチェは71分、ゴール正面Pエリアからほんの少し外でFKをGET。しかしベッカムには近すぎたのか、シュートは大きく枠を超えた。マンチェはその後散発的にミドルを放つも、ゴールには至らず。逆にバイエルンは決定的なチャンスを迎える。81分のマンチェゴール前でのプレーで、ツィックラーがヘディングを競った直後、振り向きざまにボレーシュートを撃つ。しかし強烈なボールは惜しくもバーを叩いてしまう。
 息の抜けないゲームは、突如展開を見せる。86分、バイエルンはFKからリンケがヘッドでゴール前に折り返すと、詰めていたパウロ・セルジオがボールを押し込みアウェーのバイエルンが先制点を挙げた。残り時間ももはや無く、0-1でゲームは終了した。ベッカムはイエローをもらい、大事な次節は出場停止となる。



―SECOND LEG―
バイエルン 2−1  マンチェスター
エウベル 5'
ショル 40'
ギグス 49'

 第1節に敗れたため、ベッカムを欠きながらもどうしても勝たなくてはならないマンチェ。だが開始早々バイエルンに先制される。左サイドを突破したタルナトがゴール前に早いクロスを供給。このボールがファーサイドのエウベルまで通り、エウベルはボールをゴールに押し込んだ。2分後にもバイエルンにチャンスが訪れたが、ヤンカーのシュートはクロスバーに跳ね返されてしまった。
 バイエルンはその後もエウベルとヤンカーがマンチェスターDF陣を翻弄する。17分にはブラウンからGKバルテスへバックパスをしたところをヤンカーにインターセプトされてしまう。幸い、ヤンカーの処理が悪く、バルテスがセーブし事無きを得た。マンチェも32分に同点のチャンス。CKからの流れの中でギグスからのクロスをスコールズが豪快にボレー。だが、枠の外へきれていった。
 40分のバイエルンの攻撃。イェレミースが中盤からPエリア付近までドリブルで持ちこみエウベルへパス、エウベルはマンチェの守りに合いボールを後ろへ流すと、つめていたショルがこれをゴール左隅に流し込み大きな追加点を挙げた。スタジアムは歓喜に包まれた。が、マンチェ相手となると2年前の大逆転を想像せずにはいられない。当然まだ勝ちを諦めないマンチェ、前半終了間際にキーンがPエリアに突っ込んでから左の コールパス、コールは良いシュートを放ったがカーンがなんとか足ではじき出し、バイエルンは2点リードで前半を終えた。

 後半もマンチェは逆転を目指し攻める。そして5分もしないうちに、スコールズが5人のバイエルンDFとGK・カーンとの間に絶妙なパスを放り込むと、ギグスが飛びかかるカーンを越すループシュートを決め、反撃ののろしを上げた。残りの40分、マンチェはシェリンガム、ソルスキアを投入して執拗にバイエルンゴールへ襲い掛かった。バイエルンの守備にも隙があった。しかし、いくつかあったチャンスを物にすることはできず、2-1でゲームは終了。バイエルンは2年前の雪辱を晴らし、今度はレアルに昨年の借りを賭けて挑むことになった。

―TOTAL―
マンチェスター 1−3  バイエルン



 
 
―FIRST LEG―
ガラタサライ 3−2  レアル・マドリッド
ウミト 47'(P)
ハサン 66'
ジャルデウ 75'
エルゲラ 33'
マケレレ 42'

 昨スーパーカップと同じ組み合わせになったこの試合は、ものすごい声援の中で始まった。ホームのガラタサライはハジを中心にレアルGK・カシージャスの隙を狙うロングシュートを数回放ち、まずアドバンテージを取る。レアルも前線まで組み立てる事ができず、序盤はロベルト・カルロスのミドルなどが見られた程度。しばらくは両チームとも攻めあぐねる。28分、左のマクマナマンがラウールとのワンツーで抜け出しチャンスを作ったが、フィーゴのシュートは左にそれた。33分、右サイド30M程の位置からフィーゴがFK。ゴール前にきれいに放り込まれたボールをエルゲラが頭で流し込み、ついに均衡が崩れた。
 10分後、レアルはロベルト・カルロスのロングスローをラウールがマケレレにパス、マケレレはそのままディフェンス1人をかわすとシュートをサイドネットに突き刺し2点目を挙げる。

 後半は開始からジャルデウがレアルゴールに襲いかかる。そしてジャルデウの突破からハサンがPエリアで倒されてPKをゲット、ウミトが落ち着いて決めた。ガラタサライはそのまま試合の流れをつかむ。54分、左のエルギュンのセンタリングにジャルデウがフリーでヘディングしたが、GK正面。66分、完全に右サイドをファティが破り、中央フリーでパスを受けたハサンがシュートを決めて同点に追いつく。さらに75分、同じく右サイドを上がったファティが今度はジャルデウへセンタリング。ジャルデウは今度はしっかりとヘディングを振りぬき、ゴール左にシュートを決めた。
 ついに逆転を許してしまったレアル。途中、熱狂するサポーターを静めるために数分の中断があったが、流れを引き込む事ができない。85分、ガラタサライは左サイドからのハジのFKをワンクッション挟んでジャルデウが頭で押し込んだが、これはオフサイド。ロスタイムにもディフェンスの裏を取ったオカンがループを放ったが、これはバーを越えた。そして試合はガラタサライの勝利で終了した。



―SECOND LEG―
レアル・マドリッド 3−0  ガラタサライ
ラウール 15' 37'
エルゲラ 28'

 第1戦を大逆転で落としたレアルはサポーターで埋まるホームで幸先良く先制する。15分、サルガドからのきれいな低いクロスにラウールがニアの狭いところであわせ、ゴールを奪った。そしてガラタサライに形を作らせないまま、13分後にはフィーゴのCKをエムレのマークを振りきったエルゲラが頭で合わせ、レアルに追加点が入った。
 1点目をたたき出したラウールは37分、マクマナマンからの絶妙なスルーパスを受けて6メートルの距離から自身今大会7得点目となるゴールを叩きこみ、早くも3点差となった。

 最低でも2点が必要になったガラタサライはなんとか反抗の姿勢を見せる。49分、エムレがPエリアでロベルト・カルロスに倒されたとしてPKを主張するが認められなかった。その直後には、ハジからのパスをフリーで受けたジャルデウが、この日始めてのまともなシュートをボレーで放ったが、ボールは枠の外へ。
 レアルも攻められてばかりではない。53分にはフィーゴがGKタファレルと1対1になったがシュートは外れ、1分後にマクマナマンが放ったシュートは無人のゴールへ向かっていったが、不運にも倒れていたチームメイトのグティに当たってしまった。
 ジャルデウは87分のヘディングシュートも決められず、レアルの前に完封負け。ホームできっちり力を出したレアルが2連覇を目指しセミファイナルに駒を進めた。



―TOTAL―
ガラタサライ 3−5  レアル・マドリッド



 
 
―FIRST LEG―
リーズUTD 3−0  デポルティボ
ハート 26'
スミス 51'
ファーディナンド 66'

 リーズがホームで3-0と快勝、これにより次節デポルティボは大量得点での勝利が必要条件となってしまった。
 ゲーム開始すぐこそスローなペースだったものの、リーズは徐々にペースを早め、4分にはヴィドゥカがファーストシュートをヘッドで放った。その後、スミス、ヴィドゥカを中心にデポルティボDFをたびたび脅かすと、26分にスミスがPエリアすぐ外でFKを貰った。ハートのFKはGKの頭上を超えて直接決まり、リーズが先制する。
 デポルティボはキープ率でリーズを上回るもののチャンスを作れない。逆にリーズはスミスのダイビングヘッドやダクールの鋭いシュートなど、幾度かゴールチャンスがあったが、追加点なく前半を終了。

 後半に入って6分にリーズは点差を広げる。リーズCKのクリアボールがダクールにわたると、ダクールからボールを受けたハートがゴール前のスミスに完璧なクロスを供給。スミスはヘッドでゴールネットを揺さぶった。66分にはハートのCKをデポルティボGK・モリーナがハンブル、最後にはファーディナンドが頭で押し込み駄目押しとなった。
 残り20分となりデポルティボは選手の入れ替えを行うも、結局チャンスらしいチャンスは作れずにゲームは終了した。





―SECOND LEG―
デポルティボ 2−0  リーズUTD
ジャウミーニャ 9'(Pen)
トリスタン 73'

 3点の貯金を手に、リーズはリアゾールスタジアムでの戦いに望んだ。だが、開始早々キューウェルがマッカーイを倒したとして、PKにより失点してしまう。
 スタジアムは大逆転の予感に盛り上がり、デポルティボも怒涛の攻撃。先制点から4分後には、左サイドからフランがリーズGK・マーティンの頭上を超えるシュートを放ったが、惜しくも右のポストに弾かれてしまった。31分のマッカーイが撃ちこんだシュートはDFファーディナンドが身体を張ってブロックした。35分、右から放り込まれたボールをパンディアニが頭で狙ったが、マーティンが素早く反応しセーブした。
 前半をしのぎきったリーズは後半に流れが変わることを期待したが、デポルティボはさらに攻撃の手を強めた。48分、フランが左からあげたクロスはマーティンが手のでないところだったが、DFがなんとかクリア。続くCKからパンディアニが強烈なミドルを放つ。なんとかマーティンが触ったため、ボールはバーを叩き失点を逃れた。後半も25分を過ぎた頃、今度はマッカーイの強烈なヘッドがリーズゴールのクロスバーを叩いた。だがその3分後、デポルティボはFKのチャンスに素早いリスタート、後半途中から投入されたトリスタンがヴァレロンのクロスに併せ、ようやくデポルティボが追加点を挙げる。
 さらに追加点を挙げるべくデポルティボは攻めたが、リーズディフェンスの守りを破ることができない。結局あと1点届かず試合終了のホイッスルが鳴り、リーズが準決勝進出を決めた。


―TOTAL―
リーズUTD 3−2  デポルティボ



 
 
―FIRST LEG―
アーゼナル 2−1  ヴァレンシア
アンリ 58'
パーラー 60'
アヤラ 41'

 立ち上がりはアーセナルが積極的な展開。3本目となる14分の左からのCKには、ゴール前に上がったボールをビエラが頭であわせたが、おしくもバーに阻まれた。逆にヴァレンシアは21分、アイマールのスルーに追いついたキリ・ゴンザレスが左サイドからクロス。このボールがアーセナルディフェンダーに当ってコースが変わり、GKシーマンは逆を取られあわやゴールというところだった。さらに35分、サンチェスがポストプレーから絶妙なスルーパスをカルーに供給、だがここはシーマンが素早く詰めており、続けて放ったシュートもポストを叩いてしまった。だが、前半のこり5分という時間帯に、アーセナルゴール前での混戦から最後はアヤラが蹴り込み、ヴァレンシアが先制した。

 後半、アーセナルはヴィルトールを投入し攻撃力をアップ、出だしから攻め立てる。50分には左サイドをピレスが2人かわしてエリアに突入、折り返すかと思いきや直接シュート、GK・カニサレスが身体を張って守った。だが、58分にヴィルトールが左から攻めたときは中央のカヌーへ折り返した。カヌーは処理を誤ったが、こぼれ球をピレスがヒールで直接アンリにスルーパス、これが見事に通るとアンリは素早く降りぬいてゴールを決めた。
 興奮覚めやらぬうちに目の覚めるような逆転ゴールが決まる。中盤でパーラーがボールを奪うとドリブルで持ち込みそのまま25M弾。強烈なシュートがゴール右上に叩き込まれた。
 アーセナルの勢いは止まらない。62分には、自陣深いところからヴァレンシアPエリア前まで、ピレスが数多くの選手をかわしてドリブルを見せると、続く65分にはヴィエラのスルーに反応したアンリがGKと1対1に。アンリはカニサレスをもかわしたが、アングロマに追いつかれてゴールを逃した。
 75分をまわるとアーセナルも疲れたか、ヴァレンシアの攻撃も見られるようになる。だが最後までプレスを続け、アーセナルが逃げ切った。



―SECOND LEG―
ヴァレンシア 1−0  アーセナル
カルー 75'

 残りも15分というところでカルーが高さを生かしたすばらしいヘディングシュートを押し込み、ヴァレンシアがアーセナルを下して昨年に続きベスト4進出を決めた。
 キリ・ゴンザレスを故障で欠いたヴァレンシア、対するアーセナルはカヌーの変わりにヴィルトールを使ったがしっくりこない。ホームで滅法強さを見せているヴァレンシアは立ち上がりからすばやいチェックでアーセナルの攻撃の目をつみチャンスをうかがっていたが、17分サンチェスのスルーにカルーが反応しシュート、しかしDFコールがプレッシャーをかけ、シュートは右にそれた。アーセナルもすぐに反撃。アンリがヴィルトールとのパス交換からシュートまで持ちこみ、ヴァレンシアゴールを脅かす。
 24分には左サイドでカルーがヴィセンテとの見事なパスワークの末シュート、ボールはDFアダムスに当たってコースを変えたが、GKシーマンがすばやい反応で難を逃れた。その後は両チーム良く集中し、大きなピンチも無いまま前半を終了。

後半開始2分でヴァレンシアはアヤラが負傷退場。57分、アンリが抜け出そうとしたが、ペジェグリーノのチェックでシュートが外れてしまった。64分、メンディエタがペナルティエリアに突入した後倒れたが、PKにはならず。68分、アンリが左サイドをスピードを利用し抜け出したが、ラストのボールは精度を欠いてしまった。
 75分、ついに均衡が崩れた。右から上がったクロスにアダムスを振りきったカルーが身体をねじってヘッド、ボールはゴールファーサイドに流れ込みバレンシアが貴重な1点を決めた。
 追う立場となったアーセナルは残る時間を必死に攻めたが、懸命に守るヴァレンシアの前にあと1歩届かず敗退した。



―TOTAL―
アーセナル 2−2  ヴァレンシア