あらゆる意味ででっち上げられた数章 その1





「ミスタ・シーフォートはご在宅ですか」
「……どちら様ですか?」
ヴィジ・フォン越しに聞き返した声からは、不審感がありありと浮かび上がっている。しかし、それもそうだったろう。「宇宙軍の広告塔」とすら言われる有名人の自宅は、プライバシー保護のため、極秘扱いとされている。不面識な人が訪ねてくる事は、滅多にないのだろうし、彼がここを訪れた事は一度もないのだから。
しかし、高くて細い声だ。いっそ、幼いと言っていい。身の回りの世話を頼むハウス・ボーイの類であろうが、ちょっと幼すぎはしないだろうか。未成年者の労働基準が見直されるというこのご時世に。
「古い…友人です。ミスタ・シーフォートには、とてもお世話になりました」
「父さんのお友達?」
「………父さん??」
その時、玄関先のホロが初めて、相手の姿を映し出した。
子供である。癖のある黒髪と灰色がかった瞳。シーフォート艦長を思わせる色合いは、全くない。それは、どちらかと言うと、彼自身と似ている。…いや、そっくり、同じといってよかった。
彼は思いも寄らぬ「息子」の存在に戸惑っていたのだが、相手もそれは同じだったらしい。ちょっと顔をしかめてこちらを観察するその癇性な仕草は、なるほど、シーフォートの匂いがある。
「Jr、誰だった?」
「父さん」
ホロの中の子供が、背後を振り返る。やがて、画像となって現れた人物は、彼を見ると、まるで幽霊でも見たかのような顔つきで、その場に凍り付いた。
「…ヴァクス?」









…ドリームだ。ドリームそのものだ。
確か、コレ書いたのは、第3部が出たすぐ後、とかだったよな…。<追憶
だから、PTとかもいないし、ニュー妻の話とかも、全くないのね。
誰もがひとつは持ってるだろう、ヴァクス実は生きてたネタ、でした。
いやー、なーんか、盛り上がった。この設定に。


<補足説明>
第3部の後、地球へと戻ったシーフォートは、保存されていたヴァクスの細胞
(ありそうだよね?長い間、宇宙船生活してたら、放射線なんかの影響で子供
作れなくなった、とかいう状況もありえる訳で、それの保険として、精子保存とかさ)
を使用し、彼のクローンを作り上げる。
その子を養子として育てて、平穏(?)な生活を送るシーの元に突如戻ってきたヴァクス。
とか。
まぁ、そんなネタだったよーな気がする。
(その後、家族3人で暮らしちゃう、までイッちゃったネタだったというのは秘密だ)


ドリーム走りすぎて、そりゃもうオリジナルだろ?という状態になったので、
お蔵入りした話でした。
書き途中物の整理(メモ書きとして、上のみたいな感じでだーっと書いただけの
ネタもののうち、使えそうなものは1本の話にまとめるために分割、
使えなさそなものは、削除する、という作業の事)をしてたら、発掘されたので、
載っけてみたです。
(実は、シーフォート更新ができないので、死蔵品を転用してみただけ←あざとい)








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